「社会学講座」アーカイブ
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講義一覧
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9月30日(月) 歴史学(一般教養) |
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※過去の講義のレジュメはこちら 前回は、メソポタミア文明の誕生からウル第3王朝滅亡までの歴史と、その当時の人たちの生活実態についてお話しました。今日はその続きという事になります。 最後のシュメール統一国家であるウル第3王朝の滅亡後、メソポタミアは一種の戦国時代となります。 しかし、この膠着した状況の中で密かに力を蓄え、新しい時代の担い手となるべく表舞台にその姿を現した1つの国がありました。それがあの古代バビロニア王国であります。 そのハンムラビ王の統治については、大量に残された当時の文献資料によって、かなり細かい部分まで窺い知る事が出来ます。 まずは1つ目。今で言う民事訴訟に関する命令書であります。
この命令書から少なくとも2つの事が分かります。 次に挙げるのは、役人の不祥事についての2枚の命令書です。
役人の不始末は、為政者にとっては4000年前でも頭を痛める問題であった事だったようであります。 最後にもう1通。こんな命令書もあります。
ここまで来ると、王の仕事ではなくて町内会長の仕事であります。 ……とまぁこのように、ハンムラビ王時代のバビロニア王国は、極めて安定した状態でメソポタミアに君臨していたようでありますが、やはりこの時代の行政の充実振りを示す材料として忘れてはならないのは、『ハンムラビ法典』でありましょう。 …さて、この他、『ハンムラビ法典』に収録された法律を大雑把に挙げて見ますと、殺人・傷害・窃盗・誘拐・強盗に関する刑法の他、結婚と持参金・離婚と財産分与・相続・養子縁組と廃嫡・姦通などについて定めた民法に相当するもの、兵士の権利と義務についての法律、土地の譲渡・賃借についての法律、金銭の債務・債権についての法律、賃金の規定を定めた労働基準法的なもの、奴隷に関する法律など、まさに微に入り細に入り、であります。 まぁ、何はともあれ、こうして古代バビロニア王国は優秀な王に支えられて繁栄を謳歌していたわけであります。 そしてこの時代で特筆すべき物がもう1つ。ジッグラトと呼ばれる、塔のようなピラミッドのような宗教建造物であります。 ──さて、いつもながら冗長に話し過ぎたようであります。ハンムラビ王の時代に別れを告げて、時計の針を進めることにしましょう。 こうしてハンムラビ王の下で大いに栄えた古代バビロニア王国でありましたが、ハンムラビの死後間もなくして、早くも王国には衰退の兆しが見て取れるようになります。またしても外部からの異民族侵入と、内政の混乱に伴う反乱の勃発であります。 さて、次回はちょっと舞台を南の方へ移しまして、エジプト文明の成立についてお話をしてゆきたいと思います。(次回に続く) |
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9月29日(日) 映像文化論 |
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講義の実施が遅れてしまい申し訳有りません。準備していた題材を最終段階まで来てボツにしてしまったので、こういう事態になってしまいました。 ちなみにボツになった題材は、『林家いっ平真打ち昇進に伴う、海老名家の地殻変動』でありました。 ……というわけで、結局今回の講義のテーマとなりましたのが、表題の通り、アニメ『ドラえもん』のリニューアルについてのお話でありました。
一時期は平均視聴率が20%を遥かに超え、久米宏がゴネだす前の「ニュースステーション」と共にテレビ朝日の屋台骨を支えたアニメ『ドラえもん』の視聴率が低迷した……というショッキングなお話、そして懸命に巻き返しを図るテレ朝の意気込みについて採り上げたニュースでありました。 確かにテレビ朝日さんの気持ちは分かります。何しろ、ここ最近のテレ朝は視聴率低迷に喘いでいるのです。 しかし、このリニューアル作戦はどうでしょう? ハッキリ言って「いかがなものか」と、……いや、「どういうこっちゃねん!」と、……いやいや「『逮捕しちゃうぞ』ドラマ化する前にお前ら逮捕監禁されてしまえ! ファンをナメとるのか、あのドラマ!」と、全然『ドラえもん』と関係無い怒りまでぶつけてしまいそうなリニューアル策ではないでしょうか。 まず、「女性層を意識した」とされる“ミニドラ”の採用でありますが……。 ……そして、それ以上に大問題なのがテーマ曲問題であります。 と、このように、今回の『ドラえもん』リニューアル策は、BBS荒らしのように“?”マークが羅列されるくらい疑問を抱かせるものでありました。 そういうわけで、次回の講義では、当講座の考案した『ドラえもん』リニューアル案を提示してみたいと思います。どうぞご期待下さい。(次回へ続く) |
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9月28日(土) 競馬学特論 |
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珠美:「いよいよ秋のG1シリーズが始まりましたね♪」
駒木:「頭数自体は寂しいけれど、上位どころの馬は粒が揃ったね。またここに来て生粋のスプリンターの数が増えてきたし、面白いレースが期待できそうだね」
※駒木博士の“敗戦の弁” ※栗藤珠美の“喜びの声” |
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9月27日(金) 歴史学(一般教養) |
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※過去の講義のレジュメはこちら→第1回/第2回/第3回/第4回(以上第1章)/第5回/第6回(以上インターミッション1)
よって、今日からお話するのは古代オリエント史。ここから講義を始めてゆくことにしましょう。 …さて、この“オリエント”とは、古代ローマ人が使っていた言葉で“日の昇る方向”、つまり東方世界という意味であります。現代で言えばトルコを含む西アジアとエジプト、古代の四大文明でなぞらえれば、メソポタミア文明とエジプト文明の地域を合体させたものになるでしょうか。 では、その古代オリエント史の中でも最も古い歴史を持つ、メソポタミア地方からお話をしてゆくことにします。そう、歴史の授業でまず真っ先にティグリスとユーフラテスという2つの川の名前を覚えさせられる羽目になるあのメソポタミア文明があった地域です。 さて、このメソポタミアの地域的特徴としては、まず“雨が極端に少ないにも関わらず、灌漑農業に適した土地と水源に恵まれていた”ことが挙げられます。 ……さて、それでは地域の特徴について述べ終わったところで、いよいよ古代メソポタミアの歴史について述べていくことにしましょう。 このメソポタミア地帯に人がまとまって住み始めたのは紀元前10000年前後と言いますから、まだ旧石器時代です。そこで人々は、野生の麦などの植物を採集したり、動物や川魚を捕まえて食料にしていたものと思われます。 ちなみに、このメソポタミアの狩猟・採集〜原始農耕時代の遺跡が、各地で発見されています。特に有名なものとして、メソポタミア北部のジャルモと今のイスラエル・死海の北側にあるイェリコなどがあり、そのような遺跡では、鎌や石臼などの様々な石器や土器などが発見されています。 …ただ、この頃はまだ“文明以前”の状態であります。メソポタミア地方が文明化へ向かって大きく変革を始めるのは紀元前4000年以降、やはり灌漑農業がメソポタミア各地に普及し始めてからのことでありました。 このメソポタミア文明の第一の主役となるのがシュメール人と呼ばれる民族です。普通、民族は使用している言語を基準にして大まかな分類をするのですが、このシュメール人に関しては詳しい事がまだ判っていません。また、シュメール人の前にメソポタミアに住んでいた先住民がいたのではないか…とも推測されています。 この頃はまだ多くの都市国家が乱立して、思い思いの発展を遂げていた時期でありますが、都市同士の交流も頻繁にあり、次第に剣を交えることも増えてゆきました。 こうしてメソポタミアにはラガシュ統一王朝が完成した事になるのですが、この国は間もなくして滅んでしまいます。他民族の侵略に遭ったのです。 まず、このラガシュを滅ぼしたのは、サルゴン1世という名の王に率いられたアッカド人たちでした。 この後しばらくのゴタゴタを経て、かの有名なバビロニア王国が成立するのでありますが、それは次回に譲ることにしましょう。 …それでは文化についてですが、まずはシュメール人の生活を簡単にお話しておきましょう。 初めに住居から。 さて、特筆すべきなのは食生活です。高度に発達した灌漑農業に支えられて、かなり豊かな生活をしていたと推定されています。 何しろ、紀元前2300年代のラガシュ時代から遺された公式行政文書によると、大麦の収量倍率(種モミ1粒で収穫できるモミの数)が76.1倍というのだから驚きであります。ちなみに、古代ローマや中世ヨーロッパでは6倍程度がせいぜいだったとされていますから、その差たるや絶大であります。 しかし、この時代はまだ幸せな時代でした。高い収量倍率は、大量の麦の余剰を産み、この頃のメソポタミアでは世界初のビールブームが訪れます。公的文書によると、16種類の銘柄が記録されていると言いますから驚きです。当時のシュメール人の定番朝食メニューはパンとビールだったと聞いてしまうと、もはや羨ましい話とさえいえます。 しかし、良い事ばかりでもありません。 人々の生活についてはこれくらいにしておいて、次は文字についてお話しましょう。 また、文字と共に数字も発明されています。ただ、メソポタミアの数字は変形60進法というべき複雑怪奇なもので、必ず計算間違いが起こると思えるほど煩雑です。 この他には、この頃には既に太陰暦と週7日制があったとされています。ただ、天文学についてはバビロニア王国時代に発達するものですので、そちらでお話することにしましょう。 ……というわけで、最後はとりとめが無くなってしまいましたが、このような社会で人々は時には楽しみ、時には苦しみながら生活していたわけです。 |
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9月26日(木) 演習(ゼミ) |
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9月最後の「現代マンガ時評」です。 …さて、それでは先に情報系の話題を手早くやってしまいましょう。 まず、「週刊少年サンデー」系の月例新人賞・「サンデーまんがカレッジ」7月期の審査結果発表がありましたので、受賞者と受賞作を紹介しておきましょう。
今月は、“粒揃いながら大粒無し”…といった感じでしょうか。どうもこの賞は、「ジャンプ」の「天下一漫画賞」に比べると、リピーターの数が少ないのが気になるんですよね…。 続きまして、新連載の情報を。既に情報系サイトなどでは報じられている情報ばかりですが、復習の意味もこめてここで扱っておきます。 まず、これは先週のゼミでも簡単にお話しましたが、次週から「週刊少年ジャンプ」・秋の新連載シリーズが始まります。ただし、今回も2作品の“小規模改造”です。 そして「週刊少年サンデー」では、次号44号(10/2発売号)から、皆川亮二さんの『D-LIVE』がスタートします。『ARMS』を円満終了させて以来の連載復帰というわけで、また骨太の作品で「サンデー」に彩りを添えてくれそうです。 では、今週のレビューへ。今週は「週刊少年ジャンプ」から読み切りを1本、そして「ジャンプ」「サンデー」以外の他誌から1本の計2本をお送りします。勿論、“チェックポイント”もお送りします。
◎読み切り『暗闇にドッキリ』(作画:加地君也) 今週も「ジャンプ」では中編読み切りが掲載されました。連載未経験ながら、キャリアだけなら既に中堅という微妙な位置にいる(笑)、加地君也さんの作品です。 それでは作品レビューへ。 まず絵。偉そうな言い方で恐縮ですが、ギリギリのところで「プロとして人前でお見せする絵」のレヴェルには達しているのではないかと思います。キャリアの長い作家さんですし、完成度の面で言えば平均点以上でしょう。 次にストーリーですが、こちらも話の筋立て自体は及第点をあげられるレヴェルには達しています。テンポも良くて、マンガと言うよりライトノベルを読んでいるような軽い感触が楽しめます。ただ、余りにも話の展開がセオリー通りなので、ヘヴィーな読者には物足りないかも知れませんが……。 駒木は、「キャラクターさえ立てば何とかなる」という昨今の風潮には大反対です。しかし、よほど凝ったミステリでもない限り、魅力的で個性的なキャラクターのいない話が良い話になるわけが無い…とも思います。どうすれば、読者が満足する話になるのか、加地さんにはその辺りをもう一度熟慮して頂きたいところです。 評価はB寄りB−。この人が果たしてここから“化ける”ことが出来るのか、今しばらく様子を見てみたいと思います。 ◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ ◎『ヒカルの碁』(作:ほったゆみ/画:小畑健)《再開後第3回掲載時の評価:A》 ヒカル×社戦のモデルになった対局が判明しました。なんとTV東京の「新鋭早碁トーナメント」で放送された対局だったらしいです。いやー、観たかったなあ。 ◎『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)《第6回掲載時の評価:A−》 回を追うごとに話作りが手慣れていきます。今回はインターミッションをやりながら、決してわざとらしくなく基本的なルール説明をやっています。そして、この基本的なルールを説明しないままに、違和感無く1試合描ききっているという点も見逃せません。
☆「週刊少年サンデー」2002年43号☆ ◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ ◎『きみのカケラ』(作画:高橋しん)《評価は保留中》 何だか、主役よりも少佐(エリザベス)の方がキャラ立っちゃってません?(笑)。確固としたモデルが存在する分だけ、キャラが立ちやすいのかも知れませんが、これは良いんだか悪いんだか……。 ◎『365歩のユウキ!!!』(作画:西条真二)《第3回掲載時の評価:C》 見事なまでの打ち切り最終回でした(笑)。
《その他、今週の注目作》 ◎連載第18回『キメラ』(「スーパージャンプ」2002年20号掲載/作画:緒方てい)《第3回までの暫定評価:B+》 ※このレビューには、例外的に駒木の私情が入っています。客観性を欠いた部分があると思いますが、いつものレビューとは別物としてご覧頂けると幸いです。 『キメラ』のレビューは実に久しぶり、実に7ヶ月ぶりということになりました。それというのも、「次に取り上げる時は、『キメラ』が大化けした時です」…という事を皆さんにお約束したからでした。それは逆に言うなら、『キメラ』が大化けしない限り、二度とこのレビューで取り上げる事が出来ない…という事でもあったのです。長い空白の理由は、つまりそういう事です。 が、そんな7ヶ月間の駒木の苦悩を吹き飛ばしてくれたのが、この『キメラ』連載第18回でした。そこには、かつて駒木が見た“輝き”がありました。 勿論、今回1回だけで、これまでの“負債”が解消されたとは言えないでしょう。それでも、緒方さんの実力の最大値を再確認できただけでも大きな収穫と言えると思います。 作品全体の評価はB+のまま。ただし、この回だけに関して言えば、A評価としても良いと思います。 |
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9月25日(水) 社会経済学概論 |
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気が付けば、当社会学講座開講以来、屈指の長期シリーズになってしまった(しかもシリーズ開始当初とは題名すら違う)この「アルバトロス風雲録」ですが、いよいよ今回が最終回となりました。 ……しかし、「タモリ倶楽部」の大コケ映画特集に、我らがアルバトロスも『クィーンコング』で参戦していましたねぇ。まず初っ端に出て来た“主な配給作品”に、『人肉饅頭』、『ネクロマンティック』、『キラーコンドーム』とあったのがいきなり笑えました。まぁ、『アメリ』は別扱いでネタになってましたから他に書きようなかったんでしょうが(笑)。 ※前回までのレジュメはこちら↓
しかし、これがなかなか上手くいきません。『アメリ』以後に公開されたアルバトロスの映画は、まるで2001年上半期に戻ったかのように大コケを連発します。 まず3月、「プライベートレッスン・青い体験」という、ミニスカート姿のメイドを梯子に上らせて、それをエロ主人が下から覗くイタリア映画のような題名の韓国映画を公開します。が、その内容があまりにも過激すぎたため、女性向けの映画だったにも関わらず、R-18(成人映画)指定を受けてしまい、見向きもされずに終わります。 ……と、いうわけで“新生”アルバトロスは、AV女優を廃業して歌手になったは良いが、箸にも棒にもかからずにストリップ嬢へ逆戻りした桜木ルイのような逆噴射振りを披露。せっかくの“『アメリ』貯金”をどんどん吐き出してしまう結果になってしまいました。 そして、この頓挫で開き直ったのか、それともただの逆切れなのか、アルバトロスはこの2本の映画をハズしたあたりから、ハートフル路線と同時進行の形で、再びかつての“エロ・グロ・ナンセンス”路線も歩み始めます。アルバトロスの二重人格化です。 まず未公開映画のDVD販売部門では、有名アメリカンコミック作品の世界観をゴチャ混ぜにしたような映画・『ファウスト』や、観た人を必ず不快にさせると評判の『ファニーゲーム』、さらには映画の題名にちなんで天本英世氏に推薦コメントを求めるも、「出せるかこんなモンに!」と担当者が怒鳴りつけられたという作品・『死神博士』などを続々とリリースします。また、過激映画専門レーベル“アルバトロス・コア”も創設し、マニア層へのアピールも怠りません。 ……しかし、この真面目路線とバカ路線の融合、何だか当社会学講座とダブって見えてしまい、頭が痛いですね(苦笑)。 ……と、感慨にふけるのはこれくらいにして、話を元に戻しましょう。 こうしてアルバトロスは、2つの顔を使い分けて映画業界を渡り歩いていく道を選びました。 そして来年以降も、劇場用映画では真面目路線をアピールする予定のようです。 しかも喜ばしい事に、こういう真面目路線を歩んでいても、アルバトロスらしさが全く消えているわけではありません。 まず『バティニョール──』は、子役が全く可愛くない映画で、しかも叶井氏が「お薦めは動物の解剖シーン」と言ってしまったため、日本ではコケる可能性十分。 まさに戦々恐々の映画業界を体現する配給会社・アルバトロスですが、どれだけ大コケをかまそうと、彼らの姿はいつでもポジティブです。だからこそ、扱っている映画がドロドロしていても、その姿が清々しいのです。 それでは最後は「知ってるつもり
!?」風に、叶井氏が雑誌のコラムで発表したコメントを聞きながら、このシリーズを締めくくりましょう。どうもご清聴、有難うございました。
…………やっぱりダメか、この会社。 (この項終わり) |
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9月23日(月・祝) 歴史学(一般教養) |
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※過去の講義のレジュメはこちら→第1回/第2回/第3回/第4回(以上第1章)/第5回 今日も前回に引き続き、非常に貴重な考古学上の発見に携わりながらも、学会から正当な評価がされずに不遇をかこった人たちの話をお送りします。 さて、今回お話するのは、旧石器時代の洞窟壁画にまつわるエピソードです。洞窟壁画といえば、本編ではごく簡単に、「アルタミラやラスコーといった遺跡に、現代人顔負けのリアルな絵画が描かれ──」…といった感じで述べていただけだったと思います。 この洞窟壁画は、西ヨーロッパ──特に現在のフランス南部からスペイン南部──で多数発見されており、人々が文字を持たなかった時代の貴重な文化遺産として、大変高い評価を受けています。 …では知識も深まったところで、話を“洞窟壁画の発見”の方に移しましょう。 ──時は1879年、場所はスペインのアルタミラ。同国の北部に小さな領地を持つ田舎貴族・ドン=マルセリノ=デ=サウトゥオラ子爵は、5歳になる娘を伴って、領地内にある洞窟を訪れていました。 その日の探索は先に言いましたように、子供を連れての家族サービスの一貫だったわけですが、自分の興味の有る事に没頭し始めると子供の事なんてそっちのけになってしまうのが世の父親の常。気がつけば娘は、一心不乱に石器を探す父親の側から離れ、好き勝手に洞窟内を走り回るようになりました。 「パパ! パパ! こんな所にウシさんがいるよ!」 勿論、洞窟にウシなどいるはずがありません。サウトゥオラ子爵は、娘を適当にあしらいながら石器探しを続けます。 「パパ! 本当よ! ウシさんがいるんだってば!」 その娘の余りのしつこさに根負けした子爵は、やれやれと腰を上げて娘の側へ向かい、娘が「ここ! ここ!」と指さす方向へランプを掲げました。すると── そこには、確かにウシがいました。洞窟の天井いっぱいに写実的なウシの絵が描かれていたのです。しかも色鮮やかなカラー彩色で。 これこそが、史上最年少の“考古学者”によって見つけられた遺跡・アルタミラの洞窟壁画でありました。 ……ところで、洞窟壁画の発見は、この例に限らず子供によるものが多いのが特徴です。好奇心旺盛な子供たちが、大人が入ろうとしなかった洞窟に紛れ込んで大発見をしてしまう…というわけです。 さて、5歳の子供によるアルタミラ洞窟壁画の大発見です。 この遺跡に対して、学者たちが大きな疑問を抱いたのは、洞窟に描かれた壁画の完成度が余りにも高かった事でした。 アルタミラの洞窟壁画について学会の下した結論は、「旧石器時代の人間に、こんな高度な絵など描けるはずが無い」…というものでした。単刀直入に言いますと、現代人がイタズラで描いたニセモノだというわけです。 余りにも揃いすぎた不利な材料。サウトゥオラ子爵は、一転して窮地に追い込まれました──。 ここで、この哀れな地方領主の名誉の為に弁解しておきますと、件の画家は完全な“シロ”でありました。 ただし、彼はこの騒動が持ち上がってから、「自分が描いたと噂されている絵とはどんなものだろう?」…と思い、勇気を振り絞って問題の洞窟に足を運んでいます。そして壁画を見るや、その絵の素晴らしさに驚愕し、 しかしそんな事など顧みられる事も無く、結局、サウトゥオラ子爵は、学会やマスコミから猛烈なバッシングを受ける事になってしまいました。 それでは、次回からは再び本編に戻って歴史の講義を続けます。 |
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9月22日(日) 社会経済学概論 |
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※前回までのレジュメはこちら↓ 前回は、アルバトロス史のみならず、日本映画業界史上に残る大コケをぶちかました『クィーンコング』についてお話しました。それはもう、笑いどころと呆れどころ満載の超絶バカ映画でありました。 しかし、この映画で全く笑えない人もいました。そう、アルバトロスの関係者たちです。 何しろアルバトロスは、ここ数年の興行成績の不振を打破するため、この『クィーンコング』に数億もの予算を注ぎ込んでいました。 …前にも述べたと思いますが、アルバトロスは社員総数7名の零細企業。資本金は当然のように1000万円であります。そんな会社が数億の損失を出したわけですから、そのダメージの深さは甚大でした。 アルバトロスの映画買い付け担当・同社プロデューサーの叶井俊太郎氏は、来る日も来る日も新たなバカ映画・エロ映画・グロ映画・ナンセンス映画を発掘するために、エコノミー席で不味い機内食を喰らいながら、世界中の映画祭を飛び回っていました。特にその時期は、2001年下半期の興行に向けて、多額の予算を携えて大作映画を捜し求めていた頃とあって、叶井氏の意気込みはいつにも増して高かった事でしょう。その意気込みが『クィーンコング』に繋がってしまったのかと思うと頭が痛くなりますが、今はその事には触れません。 「おお、これは──」 その映画についての簡単な資料を見るなり、叶井氏の脳ミソに内蔵された、阪神タイガースのスカウト担当の感性並に歪んだアンテナがビビビと反応しました。…といいますのも、この映画の監督であるジュネ氏の過去作品が、いかにも叶井氏好みのする映画ばかりだったのです。 ジュネ氏の実質デビュー作となった作品は、1991年のフランス映画・『デリカテッセン』。近未来のパリを舞台にしたストーリーでした。
…アルバトロス配給ならば『人肉集合住宅』とかいう題名で公開されていたはずのこの映画、辛くも他の配給会社に目をつけられていたために、無事、日本でもまともな評価をしてもらう事ができました。 そして、この4年後に公開されたジュネ監督の第2作『ロスト・チルドレン』も、一風どころか四風も五風も変わった映画でした。 で、その『エイリアン4』においても、ジュネ氏の手腕が遺憾なく発揮されました。 ──そんなジュネ監督の新作映画が、自らの手で日本公開できるかも知れない。 それを知った叶井氏は、思わず生唾を飲み込んだ事でしょう。 「おお、この女が、人を食ったり化物と絡んだりするのか! …なんてウチの会社に向いた映画なんだ !!」 ──こうして、アルバトロスの社運を賭ける事になる映画フィルムは、“パッケージ買い”で叶井氏、そしてアルバトロスの手に渡ったのでした。 しかしそれにしても、とんでもない社運の賭け方も有ったもんであります。もし将来、「週刊少年マガジン」で『叶井俊太郎物語』が描かれるならば、このシーンが如何に歪曲・捏造されるのか、今から楽しみでなりません。あ、作者は『魁! クロマティ高校』の野中英次氏で是非。 …ところが、ホクホク顔で契約を済ませた叶井氏、実際に映画を試写してみると、ビックリ仰天。その映画、ジュネ氏の監督作品にも関わらず、人肉を食べる少女も、1つ目の怪物も、死骸の腹を食い破って襲いかかって来るエイリアンも出て来ないではないですか! その危惧(?)は的中します。公開直前の完成試写会では、なんとスタンディング・オベイションまで起きてしまったのです! これまで、試写会の途中で気分悪くなってゲロを吐く客はいましたが、笑顔で拍手をした客なんていませんでした。 「とんでもない映画買っちゃったよなぁ…。こんな映画、ウチのカラーと違う……」 この、邦題を『アメリ』という映画、実は世界各地の映画祭でグランプリ受賞やオープニング&クロージング作品の名誉を受けた大人気映画で、2001年アカデミー賞の外国語映画賞部門フランス代表にまで選ばれていたのでした(翌年には改めてアカデミー賞の5部門にノミネート)。 結局、この『アメリ』は、単館上映系の映画館でロードショー公開されるや、話題が話題を呼んで映画館は連日大入り超満員。しかも主な客層は、これまでアルバトロス映画とは一番縁遠かったはずのF1(19〜29歳女性)層です。 この記録的な大成功で、アルバトロスは『クィーンコング』の赤字解消どころか、自社ビルまで建てようかという大儲け。まるで『こち亀』のオチ一歩手前みたいな状態です。 …しかし、そんな飛ぶ鳥を落として焼いて食ってしまいそうな勢いのアルバトロスや叶井氏にも、新たな悩みが発生していました。 雑誌記者:「え〜と、叶井さんがこれまで買い付けた映画で、『これ!』というのはありますか?」 ……アルバトロスに課された新たなるテーマ、それは『アメリ』と同じ路線でもう1回ヒット作を出す事でありました。 アルバトロスと叶井氏の苦悩が、また始まりました。(次回へ続く) |
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9月21日(土) 競馬学概論 |
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駒木:「さて、今週は時間も詰まってるのでショートバージョン。何頭もの一流馬同士が凌ぎを削った名勝負じゃなくて、1頭の馬の強さが際立っていたレースを1つ紹介しようと思うんだ。詳しく語る馬の数が減る分だけ、時間も節約できるというわけ(笑)」
駒木:「当時のクリスタルCは、G1に直結しないG3レースということでメンバーも地味になるケースが多かったんだけど、この年は比較的メンバーが揃っていた方なんじゃないかな。酷い年になると、後から見たらとても重賞レースとは思えないような時もあるし。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||