「社会学講座」アーカイブ

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講義一覧

10/31(第81回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(10月第5週分・合同)
10/26(第80回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第3戦・菊花賞」
10/24(第79回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(10月第4週分・合同)
10/19(第78回) 
社会調査「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(8)
10/18(第77回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第2戦・秋華賞」
10/17(第76回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(10月第3週分・合同)
10/14(第75回) 
社会調査「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(7)
10/10(第74回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(10月第2週分・合同)
10/8(番外) 人文地理「続・駒木博士の東京旅行記」(2)
10/6(第73回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第5週/10月第1週分・後半)
10/4(第72回) 競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第1戦・スプリンターズS」

10/2(第71回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(9月第5週/10月第1週分・前半)

 

2003年第81回講義
10月31日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(10月第5週分・合同)

 今週は久々にレビュー対象作ゼロか…という感じでしたが、ネット界隈のネタバレ情報の通り、『スピンちゃん』が本誌再登場となりました。
 しかし謎なのが、代原でもないのに前号の「次号予告」で告知が無かった事ですよね。これまでは、取材休み分穴埋めのための“準代原”でもキチンと告知がされていたんですが……。
 ひょっとして、『風天組』の取材休みが急遽決まってしまい、次号予告の締め切り時点では掲載作品が決まってなかったとか……? 『スピンちゃん』作者の大亜門さんによる巻末コメントも大人の事情を匂わせるモノでしたし、そんなドタバタ劇が起こった可能性もゼロじゃないと思うんですが、どうなんでしょうか。

 さて、それでは情報系の話題から……なんですが、先週に引き続いて今週も確定情報は無し。ちょっと寂しいですね。
 ただ、「サンデー」次号予告にあった、『モンキーターン』の“スーパー特報”予告は、どうやらアニメ化の告知になりそうですね。ちょっと前にスポーツ新聞でフライング情報が流れていたこともありますし、多分間違いないと思います。これで「“純”、痛恨のフライングでパパに!」とかだったら、それはそれで大爆笑なんですけど。
 ……しかし、このマンガ、主人公の憲二はもう25歳なんですが、結構モテるクセに全然その手の出来事があった雰囲気を感じられないのは、直接的なエロ表現はご法度の河合克敏作品(笑)だとしても、さすがに不自然な感じがしますよね。まぁ、悪い先輩に色々な遊び場に連れ回されている情景は容易に目に浮かぶので、その道のプロのお姉(以下自粛)。


 ──などと、つまらない事を言ってないで、レビューとチェックポイントへ参りましょう。先に述べましたが、今日のレビュー対象作は「ジャンプ」からの“準代原”読み切り1本のみです。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年48号☆

 ◎読み切り『超便利ロボスピンちゃん』作画:大亜門

 「赤マル」春号の2本立てで颯爽とデビューした『スピンちゃん』も、細かくタイトルを変えつつも今回が本誌2回目・都合3回目の登場。前回の登場から2ヶ月しかたってませんし、読み切りって感じがしませんね。
 で、そういう事情もありますので、作者の大亜門さん(“大”が苗字で“亜門”が名前みたいです。『BASTARD!!』の登場人物・ダイ=アモンの当て字でしょうか)のプロフィールは、9月2日付講義での前作『超便利マシーンスピンちゃん』のレビューを参照してもらう事にして、今回は割愛させて頂きます。

 それでは本題へ。しかし、今回の作品は果たしていつ描かれたのか判らないので、前作との比較対照がし難いですね(苦笑)。下手すりゃ前作執筆前に描かれた原稿かも知れませんし、ここは「前作に比べると」云々という言い方は止めた方が良いかも知れません。

 そう言った事も踏まえながら、まずはについてから。普段は「ギャグマンガにしては許容範囲だが改善の余地アリ」という感じで素っ飛ばしていますが、今日は少し詳し目に述べる事にしましょう。
 1コマ1コマ丹念に眺めてみますと、とりあえず感じるのは作者のスピンちゃんに対する愛情ですね(笑)。まぁ笑いをとる手段として、という意味合いもあるんでしょうが、他のキャラクターと比べると表情の変化などの描き込みが全然違います。「どんな社会性のないダメ人間でも、ロボットと小さい女の子は大好きですから」というセリフは、作者が読者経由で自分自身へ向けて放った、ブーメランのようなセリフなのでしょうか。
 ただ、そうなると他のキャラクターの描き方が物足りなく感じてしまうわけで……。特に12ページ目の5コマ目のような、同じコマで表情の変化を表現する所などには、まだまだ技術が不足している所が露呈されています。
 また、画力不足によって絵が全体的に止め絵っぽく見えてしまうのも、今後の改善の余地でしょうね。部分部分では動的表現も出来ているのですが、さりげない会話シーンなどで口を止めたまま喋っているように見えてしまうのです。作者本人もそれを判っているようで、意識的に正面を向いて喋るシーンを少なくしたりしているのですが、そういう“逃げ”の姿勢は余り好ましくないですね。
 代原作家スタートでせっかくここまで頑張ったのですから、来るべき連載獲得に向けて、もうちょっと画力の向上を目指してみては如何かと思うのですが……。

 しかし一方、ギャグについては、ほとんど文句のつけようのない良いデキになっています。連載作品級です。完全に主役級の3人(スピン、じいさん、透瑠)のキャラを掴んでいるようで、今後もネタ切れの心配も無さそうですし、既に熟練の域に達しようとしています。また、ギャグの“命”である間も絶妙で、相変わらず高いセンスを窺わせてくれますね。
 それに加えて今回は、「違和感で笑わせる」という、ギャグにおける基本というべきスタンスから出て来たネタ(簡単に言えば“ベタ”なネタを中心にまとめられており、非常に好感が持てます。「ジャンプ」の旧作からのマニアックネタも良いんですが、やはり元ネタを知らないと素直に笑えないギャグというのは諸刃の剣ですからね。
 ただ、惜しむらくは今回も最後のオチが弱かった事でしょうか。ラストが決まるか決まらないかで印象度が大分違ってくるはずですので、ここはもっと力を注いで欲しいポイントです。

 評価は少し甘いかも知れませんが、今回もA−ということにしておきましょう。これだけの作品、もうボチボチ連載化も考えないと、ちょっと可哀想な気もします。もう少し画力がついたらゴーサインを出しても良いんじゃないでしょうか?

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 今週の掲載順、『BLACK CAT』の直後に『HUNTER×HUNTER』ですか。ほんの数ページ差でシビアさ違い過ぎですがな(苦笑)。
 最近は『NARUTO』『武装錬金』もシビアな命の遣り取りを展開していましたが、やはりこういうシーンって、作者の個性と言うかポリシーのようなモノが一番ハッキリと現れますよね。

 ◎『武装錬金』作画:和月伸宏【現時点での評価:A−/中間まとめ】 

 今回で第1エピソード・“蝶野編”が終了。分量的には、これでピッタリ単行本2巻分になるんでしょうか?

 それにしても、自他共に認める“ハッピーエンド至上主義者”の和月さんらしく、カタルシス十分のエンディングでしたね。“ラスボス”の蝶野攻爵にまで救いを与えて、主人公側の主要キャラには犠牲者ゼロハリウッド式エンターテインメントの王道ですね。
 あと、今回のラストシーンですが、本来なら「斗貴子さんが助かるかどうか」という部分にスポットを当てがちなんですが、どうせミエミエの展開になるなら…と、敢えて先にハッピーエンドを確定させたのが成功でしたね。これで読者が何の邪念も無くカズキに感情移入する事が出来るようになりました。さすがです。

 さて、以前お約束した通り、“蝶野編”終了時点での中間暫定評価をしておきましょう。
 世界観やキャラクターの設定は文句無しの満点レヴェル。先述したラストシーンも大変素晴らしいです。ただし、戦闘シーンが冗長であること──最後の蝶野との戦闘シーンを大幅カットするなどして改善の兆しが窺えますが──と、ギャグの挟み方がやや過剰過ぎ、肝心なシーンでの緊張感を欠いてしまった…などの問題点もあります。
 結局はそれらの長所と短所、どちらを重く見るかという話ですが、当ゼミとしては「長所の素晴らしさが短所を何とかフォローしている」という見解のもと、A−の評価を出す事にしました。ただしこれは作品の持つポテンシャルからすれば最低ランクの評価であり、今後短所が改善された場合は大幅な評価アップをする余地も残されています。なので、この作品については今後も“要観察”ということにしておきたいと思います。

 
 ◎『ごっちゃんです!!』作画:つの丸【現時点での評価:保留/現時点での評価確定】 

 さて、こちらもどういった作品かが固まって来たようですので評価を出しておきましょう。
 全体的には、派手さは無いものの、ソツの無いスポ根マンガに仕上がっていると思います。この辺は、『みどりのマキバオー』時代に鍛えられた重厚なストーリーテリング力が、今なお活きているということなのでしょう。『マキバオー』の後、短期打ち切りが続いたにも関わらず、根強いファンが多く残っていると言うのもこの辺に理由があるのかも知れませんね。
 しかし、この作品のネックは主人公の“ごっちゃん”こと後藤で、彼だけが作品の世界観から完全に浮き上がってしまってるんですよね。まぁ、ここで正統派の熱血系主人公を配置したらしたで、今度は平凡なだけのスポ根になってしまうので難しいところなんですが……。ホント、つの丸さんという作家は、自分から敢えてハンデを背負うのが好きですよね。

 ……そういうわけで、まとめです。基本的には地味ながら重厚なストーリーを評価できるものの、主人公の設定に大きな構造的欠陥を抱えている…ということで、評価B+としておきます。


 

☆「週刊少年サンデー」2003年48号☆ 

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 

 巻末コメントのテーマは、「住んでみたいと思う国」。
 圧倒的支持を受けたのは日本でした。皆さん現実的過ぎ(笑)。まぁ気持ちは判りますけどねー。日本に住んでいるけど、気の向いた時に海外へ行って長期滞在も……っていうのが一番の理想かも知れません。ただ、日本は税金高いですよね(苦笑)。登記上の本社はグランドケイマン諸島に……って、それはソフトバンクBBのダミー子会社でしたか(笑)。


 ◎『金色のガッシュ !!』作画:雷句誠【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】 

 作品最強のギャグメーカー・ナゾナゾ博士&キッドが一転して感動の嵐の中、永遠の別れ
 こういうシーンを見ていると、雷句さんは“泣かせ”のテクニックをデジタルに理解しているんだな…とつくづく思いますね。読者の喜怒哀楽を自由自在に操れるっていうのは正に天賦の才能だと思います。最近、やっとこの作品がクオリティに見合った評価をされるようになって、駒木個人としても嬉しく思いますね。


 ◎『売ったれ ダイキチ!』作:若桑一人/画:武村勇治現時点での評価:保留中/解説など】
 
 先週に引き続いて、デジタルな観点からギャンブル講座を。

 今回出て来た、「ルーレットで6回赤が出た後に、もう一度赤が出て7連続になる確率」は2分の1か2の7乗分の1か…という話について少々お話を。まずこの場合、単独の結果はその前後の出目と全く関係が無いはずですので、確率はダイキチの言う通り、2分の1が正解です。ディーラーさんは何か言ってますが、少なくともデジタルな観点からは答えは出ています(笑)。
 また、7回ルーレットを回して7回連続で赤が出る確率は1/128。確かに珍しいと言えるかも知れませんが、この程度の確率の出来事は当たり前のように起きてますので、賭けるのを躊躇するような場面ではありません。30回連続で赤、とかだったらさすがに気色ばみますが、それならそれで「このルーレットは赤に出目が偏るようになっているのではないか?」と疑わなくてはならない所です。

 まぁこの作品では、“運の流れ”のようなオカルト的視点からギャンブルを描いていますので、あんまり口を挟むと逆に興醒めですかね。でも、このマンガって、商売のノウハウをデジタル的な観点からレクチャーするマンガだったような気がするんですが(笑)。


 ……それでは今日はここまで。今週は明日に「ジャンプ」が発売になりますので、皆さん買い逃しの無いよう。「あれ? もう『ジャンプ』出てたの?」とか思ってる内に、ネタバレ話に巻き込まれたら不幸ですもんね(笑)。

 


 

2003年第80回講義
10月25日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第3戦・菊花賞」

 秋のG1予想第3弾をお送りします。
 この講義の趣旨を計りかねている方もいらっしゃると思うのですが、要は内輪での学習活動を兼ねた、様々な予想スタイルの比較実験だと解釈してもらえば良いと思います。まぁ、「結局ビギナーズラックが一番強い」なんてことになったら、それはそれで困ってしまうんですがね(笑)。

第3戦・菊花賞(京都3000芝外)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

     ×   ニシノシンフォニー 江田照
セントライト記念は格上挑戦で良績。しかし更なる相手強化とスピード面での課題は余りにも大きくて。
  ×   リンカーン 横山典
前走で3強に肉薄して一気に台頭。休み明け2走目の上積み次第では一角崩しまであるか?

 

      サウスポール 武英

捨て身の逃げ宣言。スタミナ、スピード共に足りないが、自分のレースでベストを尽くす。

ゼンノロブロイ ペリエ

オーナーを説得してまで出走に漕ぎ付けた藤沢和師の勝算は如何ほど? デザーモ→ペリエの豪華リレーで三冠阻止狙う。

        トリリオンカット 佐藤哲

秋2走の不振は深刻。ここに来て体調良化の兆しはあれど、果たして逆転までは……?

        マーブルチーフ 池添
差しタイプも瞬発力に難。有力馬と真っ向勝負を強いられる今回は苦戦必至。
        ペルフェット 吉田稔

オープン特別4着の経歴はあれど、本質的にはダート馬。目先の結果より将来を見据えてのチャレンジ?

  ザッツザプレンティ 安藤勝

レースごとの善戦光るが、重賞での好走は重・不良馬場に限定。あと一歩の差を埋めるには、晴れの天気予報が恨めしい。

        コスモインペリアル 武幸

弥生賞でのハナ差3着が思い出されるが、G1成績は全て9着以下。格の差は火を見るよりも明らかで……。

× 10 サクラプレジデント 武豊

大敗のダービーは不利によるもので度外視可能。万全と言えぬまま夏〜秋を好成績で戦い抜いたのは立派の一言。距離さえ克服すれば、念願の一冠奪取も。

        11 マイネルダオス 武士沢

一叩きで体調良化も、芝のG1では入着争いが精一杯。

        12 シルクチャンピオン

オープン実績がいかにも不足。まだ絞り切れぬ馬体も持て余し気味で、勝負気配には程遠く。

        13 チャクラ 後藤

勝ち味遅いが堅実な差し脚は重賞クラスでも通用。しかし一線級との力比べでは格の差見せつけられそうで。

        14 テイエムテンライ 小池

長距離戦のキャリアは随一も、条件戦すら粘り切れぬ現状では……。

        15 アスクジュビリー 四位

変則的なローテーは「なんとか間に合った」という感じ。地力は勿論、マイル戦からの転戦にも不安視避けられず。

      × 16 ヴィータローザ 蛯名
“夏の昇り馬”の王道ルート歩んで来たが、ここに来て追い切りの動きに不満。本番直前に失速気配?

17 ネオユニヴァース デムーロ

三冠達成を期してベストパートナーが勇躍来日。2連敗のダメージは完全に抜け、万全の体調で堂々と大偉業に挑む。

 

    × 18 マッキーマックス 藤田

ネオユニヴァースを苦しめた春シーズンの力強さが蘇った。キャリア不足は隠し切れぬが、ノーマークの強みで一発狙う。

 

●展開予想(担当:駒木ハヤト)

 逃げ馬候補は何頭かいるが、スムーズなら、逃げ宣言をしているサウスポールがハナに立つだろう。普通のレースをしてもどうにかなるような話でも無いので、ひょっとするとナリタブライアンの時のスティールキャストを思わせるような大逃げになるかも知れない。
 先行馬には人気薄・実力下位と見られる馬が固まっているが、ペース次第では、ザッツザプレンティやリンカーンあたりも前々でのケイバをするかも知れない。
 ネオユニヴァースら“3強”は、中団以降、思い思いの位置に控えて仕掛けどころを窺う。先に動いた方が不利になるため、2周目第3コーナー付近までは競輪の周回中のような静かなせめぎ合いが続きそう。
 坂の下りあたりから一気にレースが動き出す。世界に名だたる名手たちのことだ。よもや牽制し過ぎて前の馬に残られるなどという事はあるまい。直線半ばで3頭の争いになって、後は気の遠くなるような追い比べ。波乱があるとすれば、漁夫の利狙いでジッと脚を貯めているような馬。

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:ゼンノロブロイ》

 なんて贅沢なレースなのだろう。
 三冠の懸かったレースであり、春シーズンの主役級がほとんど欠ける事もなく揃い踏みしたレースであり、しかもその主役級の馬に跨っている騎手は日仏伊のトップジョッキーたちなのだ。こんなレース、そうそうあるものではない。リアルタイムで観られる我々は幸せモンである。
 で、予想だが、ご覧の通り人気上位3頭の組み合わせに絞らせてもらった。誰にでも打てるような印に甘んじてしまうのは不本意ではあるが、実力馬3頭の三つ巴に逆らうわけには行かない。この際、馬券は観戦チケットと思って開き直る。
 先週のパターンから考えると、今週も三冠か…という流れではあるのだが、本命は敢えてゼンノロブロイに打った。あの藤沢和雄調教師が、ここまでして菊花賞にこだわる以上は何か確信めいたものがあるのだろう。勝負気配は三冠を狙うネオユニヴァースと比較しても、なお互角以上と見ている。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 2.7
馬連 4-17 200円 2.9
  4-10 200円 9.4
  10-17 200円 8.2
  ── ──
  ── ──
  ── ──
馬単 4→17 100円 5.6
  4→10 100円 14.9
三連複 4-10-17 100円 5.0


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:サクラプレジデント》

 去年の菊花賞のことは、1年経った今でも明確に覚えています。いえ、これからも一生忘れないでしょう。あの、武豊騎手のノーリーズンに手持ちのお金を全額注ぎ込んだ菊花賞のことは……。
 そして今日、ようやくリベンジを果たす日が来ました。馬券の中心は、もちろん武豊騎手のサクラプレジデント。ネオユニヴァースとゼンノロブロイに隠れる形で少し影が薄くなっていますが、これはレースをする上では逆にプラスなんじゃないでしょうか。2頭のマッチレースになるかと思われた時に、後から一気に突き抜けるような展開が理想ですね。
 

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 10 100円 6.1
馬連 10-17 200円 8.2
  4-10 100円 9.4
  4-17 100円 2.9
  8-10 100円 40.2
  2-10 100円 28.8
  ── ──
馬単 10→17 100円 18.2
  10→4 100円 21.6
三連複 4-10-17 100円 5.0


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:ザッツザプレンティ》

 今週は本当に頭痛かったですよ〜。なかなか穴予想が考えつかなくて、困っちゃいました。「ゴメンナサイ。今回だけはガチガチの馬券買わせてください」ってお願いしようか、なんて思ったりもしましたよ(笑)。
 でも、結局は穴予想。人気の3頭がけん制しすぎて仕掛けが遅れて、前でレースをしていた馬が流れ込むんじゃないかっていう考えです。無茶だって分かってるんですけどね(苦笑)。でも、これでいきます。馬券が当たっちゃったら、だいたい三冠はダメになっちゃったってことになるんですけど、だからと言ってわたしを恨まないで下さいね(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 17.0
馬連 2-8 100円 49.5
  8-17 100円 21.5
  2-17 100円 15.7
  4-8 100円 21.3
  8-10 100円 40.2
  1-8 100円 153
馬単 8→2 100円 143
  8→17 100円 68.0
三連複 2-8-17 100円 48.8

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:ネオユニヴァース》

 先週のスティルインラブのトリプルクラウンは、すごくエキサイティングでした。来日1年目にいきなりあんな大記録が観られて、本当にハッピーです!
 なので、今週もまたトリプルクラウンが観たくなっちゃいました。だから予想もネオユニヴァースからです。あと、駒木博士から「長距離レースは騎手の腕がモノを言うんだよ」って聞いたので、あとは騎手で印つけちゃいました。また当たったら嬉しいんですけど……。

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 17 100円 2.4
馬連 4-17 100円 2.9
  10-17 100円 8.2
  4-10 100円 9.4
  8-17 100円 21.5
  17-18 100円 58.8
  16-17 100円 34.0
馬単 17→4 100円 5.3
  17→10 100円 12.4
三連複 4-10-17 100円 5.0

 以上が予想です。今年の菊花賞は、本当に見応えのある良いレースになると思いますので、くれぐれもお見逃しなく。では、またレース回顧でお会いしましょう。


菊花賞 成績

  1着 ザッツザプレンティ
  ×   2着 リンカーン
3着 17 ネオユニヴァース
4着 ゼンノロブロイ
      × 5着 18 マッキーマックス

単勝8 2020円/馬連2-8 5540円/馬単8-2 17080円/三連複2-8-17 4900円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 いやー、やっぱり「競馬に絶対は無い」って本当だ(苦笑)。サクラプレジデントは気性難で競馬以前。ゼンノロブロイは4コーナーで大きく後手を踏まされてアウト。で、ネオユニヴァースは、そんな消えた敵を意識し過ぎてロングスパートに出て沈没。何て言うか、別の意味でお見事(笑)。
 でもまぁ、何がどうあれ、直線で二冠馬を競り落として後続も完封したんだから、この条件でのザッツザプレンティは強かったって事だろうね。純粋なスピード勝負にならなきゃ世代トップクラスと互角以上に戦える実力はあるわけだ。でも、こういう曲者が1頭いると馬券作戦が格段に難しくなるんだよなぁ。嫌な馬を出世させてしまったよ(苦笑)。

 ──しかし、馬券の方は順子ちゃん恐るべしだなぁ。馬単万馬券を2点で、50倍の三連複を1点で当てるなんて、こんなのきっと一生に何度もないよ(笑)。それがこういう時に炸裂するんだから参った。で、もし来年だったら三連単も当たってたのか。何倍つくんだよ、この三連単は(苦笑)。
 それにしても、あと7戦でどうやって追いつこう(苦笑)。こんな形で企画倒れになりかけるとは想像してなかったぞ……。 

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 ああ、今年も無残な結果に……(絶句)。
 第3コーナーまで引っ張られるくらいなら、今年もゲートで競走中止してくれた方が気が楽でした(苦笑)。ホント、このレースは私にとって鬼門ですね……。
 こっちの馬券レースの方は順子ちゃんの大活躍で大変なことになっているみたいですけど、とりあえず来週は自分のペースを取り戻すことに専念したいと思います。今年の安田記念(馬連万馬券的中)のこともありますし、とにかく最後までベストを尽くすつもりです!

 ※一色順子の“的中失礼しました〜!”(単勝、馬連、馬単、三連複と完全的中!)
 ……御無礼!(ニヤリ)
 …あ、すいません、万馬券的中した時、これをやってみたかったんです(笑)。
 自分でもイマイチ信じられないんですが、お財布の中がギッシリ詰まってるので本当なんでしょう(笑)。なんだか結果オーライな勝ち方でしたけど、元々穴馬券なんて結果オーライなんで、どうでもいいです……ってこれはさすがに怒られちゃいますね(笑)。
 さーて、優勝の特典何にしてもらおうかな〜。今から暮れまでかけてジックリ考えとこっと。

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラック・デイ”(不的中)
 最後のコーナーでワタシが印つけた馬を探してたら、何が何だか判らないうちにレースが終わっちゃってました(苦笑)。ネオユニヴァース、せっかくここまで頑張ってきたのに少しかわいそうですね……。
 駒木博士に聞いてみたら「三冠馬なんて、阪神タイガースが優勝するようなペースでしか出て来ないんだから、こういうこともあるさ」ですって(笑)。ということは、19年ぶりになるまで、あと10年くらい三冠馬は出ないってコトですか?(苦笑)。それまで待てるかな〜?(苦笑)

第3戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(1位)
0 2640
(2位)
栗藤珠美 1840
(2位)
0 1840
(3位)
一色順子
(4位)
29540 29540
(1位)
リサ=バンベリー 1390
(3位)
0 1390
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 波乱の菊花賞を上位4頭まで印通りに的中させた一色順子が3万ポイント近い大量得点で一気に暫定首位浮上! 2位の駒木ハヤトに27000ポイント近い大差をつけ、早くも独走態勢へ。30000ポイントとは、シリーズ全戦残り全て不的中でも回収率が300%になるということなのだから、逆転は容易ではない。他の3人の動向に注目だが、早くも興味は最下位争いに絞られたか……?

 


 

2003年第79回講義
10月24日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(10月第4週分・合同)

 今週もゼミは前・後半合同版でお送りします。また、今後も他の講義との兼ね合いで、こういうケースが増えそうな感じですね。以前からの受講生さんは、今年の春までのパターンに戻ったものだと考えて下さっても結構です。

 さて、そういうわけで、今日も今週発売の「ジャンプ」と「サンデー」両誌の内容について、ゼミを実施します。
 で、まずは情報系の話題……といきたいところなんですが、今週は両誌とも読み切り、新連載ともに公式の告知がありませんでした。一応、2ch経由の情報として、次号の「ジャンプ」に大亜門さん『スピンちゃん』が再登板…という話を聞いているのですが、駒木が実際に確かめたわけではありませんので断言は避けておきますね。(まぁほぼ確実な感じですけど)

 ──では、無駄に引っ張ってもアレなんで、早速レビューとチェックポイントに行きましょう。今週のレビュー対象作は「ジャンプ」から読み切り1本、「サンデー」から新連載1本の計2本です。チェックポイントも一緒にどうぞ。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年47号☆

 ◎読み切り『NOW AND ZEN』作画:加治佐修

 今週の「ジャンプ」読み切り枠は、初の週刊連載が1クール打ち切りに終わってしまった加治佐修さんの復帰作です。
 加治佐さんは「赤マルジャンプ」99年夏号でデビュー。その後「赤マル」00年冬(新年)号、本誌00年45号に読み切りを発表しますが、その後は岸本斉史さんのスタジオでアシスタントを務め、キャリアが一時中断されます。
 しかし、加治佐さんは昨02年の年末新連載シリーズで突如抜擢され、03年2号から『TATTOO HEARTS』の連載を開始します。2年も前に発表した読み切りの連載化ということで注目を集めましたが、残念ながら14回で打ち切りに。“粋”をテーマにした作品でありながら、粋じゃない結末を強いられる屈辱に甘んじてしまいました。
 そして、先ほど述べましたが、今回のこの作品がそれ以来の復帰作。リスタートはどのような塩梅になったのでしょうか?

 まずについては、全く問題ないですね。先の連載の時から画力は「ジャンプ」連載作家の水準に達していましたので、当たり前と言えば当たり前ですが。また、今回は“岸本斉史色”が若干薄れたような感じで、加治佐さんオリジナルの味が出て来て良いんじゃないでしょうか。
 敢えて注文をつけるなら、全体的に言って絵柄がやや華やかさに欠けるところでしょうか。特に今回はキャラクターの大半が男(しかも非美男子系)だった事もあって、それがより一層際立ってしまった気がします。次回作では、読者の目を惹き付けるようなヒロインが見てみたいですね。

 ストーリー&設定についても、大きな減点材料は有りませんね。プロット自体は「ジャンプ」の読み切り王道パターンなんですが、そこに色々な設定や伏線を散りばめて、“ありきたり感”を和らげる事に成功しています。特に、この手のプロットで最も描き方の難しい“擬似超サイヤ人化”の部分を、ただ主人公が激昂するだけではなく、工夫を凝らしてまとめたのは高ポイントです。
 欠点を挙げるとすれば、タイムスリップの描写に既存の作品の影響が色濃く現れている点や、集中力という地味な能力を強さの指標にしてしまったために、今一つインパクトを欠けさせてしまった点が挙げられるでしょう。
 ただ、これらが作品の完成度を大きく損ねているかと言えば、それは違うと思います。いくら既存作品の影響が濃いって言っても、タイムスリップを絡めた話はどうしても藤子F作品っぽくなってしまいますし、「ジャンプ」で秒単位のタイムワープの描写をすると、絶対に「キング・クリムゾン」って言われてしまいますしね(笑)。

 ……そういうわけで、評価は少し高めにB+寄りA−ということにしておきます。ぶっちゃけた話、駒木の個人的な「面白い、面白くない」で言ったら後者の方になってしまうんですが、それで評価を落とさないのが当ゼミのスタンスですので、この評価を献上いたします。

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 ◎『アイシールド21』作:稲垣理一郎/画:村田雄介【現時点での評価:A/雑感】 
 
 今週号、本当はこの作品のネタで平和に盛り上がって終わって欲しかったんですけどねぇ(苦笑)。

 しかしまぁ、今回も恐ろしいくらい芸が細かくて中身の濃い19ページでした。以下、見所を箇条書きで。

●最近またグングン絵が上手くなってますね、村田さん。
●テレビ中継がBSデジタル放送だったり、(観客が)すごい入ったね」と栗田に言わせる割に、客席後方が空席だらけだったりするあたりが、悲しいくらいアメフト界の現状を表現しててリアリティ満点(苦笑)。
●まもり姉ちゃん、さりげなく各所で萌え担当。
●グルービーだぞ、『取り返しのつかない入れ墨』
ヒル魔とアポロ監督の悪口合戦を、映画の字幕風に意訳するとこうなる↓
 「まー、お前の小っちぇえナニじゃあ、ションベン垂れ流すくらいしか使い途無ェか!」
 「何だと? 我が“アポロ号”は、日本の発射も出来ない貧相なロケットと違ってモノが違うんだよ!」
 「ほー、じゃあよ〜く見せてもらおうじゃねぇか!? そのペンシルロケット“アポロ号”とかをよォ!」
 「ふざけるな! クソしてる時に勢い余ってナニが便器に“着水”する悩みも分からんくせに偉そうな口叩くな!」
 「何言ってんだ、そこのメス蟻さんも『アンタみたいな短小なんて願い下げよ』っておっしゃってるぞ、オイ!」
 ……ちょっと長すぎますが、こんな感じでしょうか。しかしヒル魔、結構英語出来るんですな。ただし、実用性は高いようで低そうですが。

 
 ◎『いちご100%』作画:河下水希現時点での評価:/雑感】

 少年誌ラブコメの定番、寸止めキター!(笑) いやー、やっぱりコレがあってこその少年誌ですよ。ええ。

 昔、コージィ城倉さんが「近代麻雀」で描いたマンガで、ラブコメを描いている作家とアシスタントが、麻雀で次回分のシナリオ制作権を争う……という話がありました。
 主人公とヒロインを早いところHさせたいアシスタントが暴走させたシナリオを、作家がギリギリのところで寸止めに持っていく…という筋で話が展開していくんですが、最後の最後、もうどうにも“イン”を阻止出来ないような所でバトンを受け取った作家がとった寸止め作戦は、「2人がHしようとしている所にセスナを墜落させる」でした。ラストシーンは、呆然と自分の家の消火活動をを眺める全裸に毛布だけの主人公とヒロイン…というシュールな絵。

 ……で、何が言いたいのかと言うと、河下さんも、どうせやるならそこまでやってくれと(笑)。東城とのH阻止するためなら空襲警報鳴らすくらいの覚悟でお願いしたいと思います(笑)。


 ◎『HUNTER×HUNTER』作画:冨樫義博【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】
 
 まぁ、アレですよ。ポンズが死んだか死なないかで騒いでた我々は甘かったと。自分の好きなアイドルがまだ処女だと言い張るくらい甘かったと。トルコ風アイスクリーム・メイプルシロップ&練乳かけくらい大甘だったと。そういうわけですよ、ええ。

 とにかくこの作品が異様なのは、“キャラクター生死のボーダーライン”が極めて低い事ですね。普通のお話なら間違いなく死なない、もし死なせるならストーリーのヤマ場で感動的に死なせるキャラを、いとも簡単に舞台から消してしまうんですよ。なので、危機一髪の場面で助っ人が現れて命が助かる…という、“ご都合主義だけど、カタルシスの大きさ故に許されるお約束”も一切ありません。「普通に考えたら、死ぬよな」という場面で本当にキャラクターを殺してしまうんですね。
 以前の“ポンズ生死不明事件”や今回のポックル虐殺が話題になっているのは、知らず知らずの内に我々読者が抱いている、「ポックルくらいの“ランク”のキャラクターなら、命だけは助かるだろう」という固定観念みたいなものを、冨樫さんが本気で揺るがしにかかっているからなんでしょうね。言ってみれば、普通のエンターテインメント系のお話に、スプラッタやホラー専用の特殊な“ボーダーライン”──主人公を含めて全員死亡も厭わない──を持ち込もうとしているわけです。
 でも多分冨樫さんは、「何を今更。このマンガがそんなマンガだって事は前々から作品の中で言ってきたでしょ」とか思ってるはずですよ、きっと(笑)。何のために、これまであれだけ人をバタバタ殺したと思ってるんだ…とかボヤいているかも知れません。

 でも普通、こんな危ない事を考える作家さんはいないんですけどね(笑)。作家にとって頭痛めて考えたキャラっていうのは、言ってみれば女の人がお腹痛めて生んだ赤ちゃんみたいに可愛いものですし。もし“割り切り上手”な人がそんな危ない考えをしたとしても、そんなシナリオ作りのための“切り札”を1つドブに捨てるような芸当、なかなか出来るものではないんですよ。
 そういう意味では、冨樫さんは本当の天才なのか頭脳回路の配置がおかしい人なのか、どちらかだと思います(笑)。まぁ、包丁で一刀両断される瞬間のポックルの手の描き方なんかを見ると、恐らく両方なんじゃないかとか思ってしまいますが。

 で、以上の点から推測すると、今後はゴンとキルア以外のキャラクターは、いつ誰が死んでもおかしくないと思います。
 キルアはゴンというキャラを引き立たせるために便利過ぎる存在ですので簡単には殺せないでしょうが、現在大ピンチのカイトは勿論、「グリードアイランド編」に登場しなかったクラピカレオリオ、さらにはヒソカ旅団メンバー、ハンター協会のお歴々なんかも“危ない”ですね。
 この作品の世界観が“そういうモノ”だと分かった以上はもう、何があっても驚けません。そもそも「ジャンプ」という雑誌の初代看板作品の一角が、主人公含む小学生を大量虐殺して救いようの無いエンディングを迎えた『ハレンチ学園』だったわけなんですから、何でもアリと言えばアリなんですよね。 


「週刊少年サンデー」2003年47号☆

 ◎新連載『結界師』作画:田辺イエロウ

 さて今週の「サンデー」は、これがこの雑誌、今年の新連載第4弾になる『結界師』の登場です。
 田辺さんは昨年の「ルーキー増刊」でデビューした後、増刊と本誌で今回の連載のプロトタイプとなる同タイトルの読み切り作品を発表し、その実績が認められての連載獲得となりました。サンデー作家の連載獲得までの道のりとしては、トントン拍子と言って良いでしょうね。
 あ、詳しいプロフィールは、もうすぐ田辺さんのページが出来るであろう、「サンデー」公式ウェブサイト内の「まんが家バックステージ」で公開されると思います。

 では、内容へ。
 については、読み切り版の時にも言いましたが、田辺さん、本当に達者です。無駄な線が全く無く、新人ながら絵の法は既に完成の域ですね。とりあえずは減点材料全くナシです。
 しかもこの作品、キャラクターの表情が穏やかなせいでしょうか、いかにも「サンデー」っぽい絵柄に感じるんですよねぇ。何だか、初日からクラスに溶け込んでる転校生を見てるみたいで、妙な感覚に陥ります。

 設定は、過去2回の読み切り版をほぼ踏襲して来ましたね。特に問題のあるモノではなかったので、変にイジるよりは逆に良かったんではないかと思います。というか、主人公がまたショタ笑顔だったらどうしようかと思いましたが、杞憂に終わって幸いです(笑)。
 ストーリーの方は、読み切り版では回想シーンとしてしか描かれていなかった“過去編”からスタートさせて来ましたね。登場人物のキャラ立ちには過去を語らせるのが一番手っ取り早いんですが、それをプロローグを兼ねて、ストーリーに絡ませるアイディアは秀逸だと思います。
 シナリオそのものも、既に形としてあったものに肉付けしたわけですから、高い完成度に仕上がっています。「敵を倒す」という目的のその先にヤマ場を持って来たのは、盛り上げ方としても良いやり方だと思いますし、また、登場人物の行動や動機付けに全く無理な点が見られなかったのも素晴らしいんじゃないでしょうか。

 とりあえず今回は、読み切り版で作った“貯金”を非常に上手く活用して最高のスタートダッシュが切れたのではないでしょうか。勿論、マンガ家としての基礎能力の高さも特筆すべき物だと思います。
 ただし気になるのは、この作品の世界観のスケールが非常に小さいで、これからどうやって話を長編向けのシナリオへ広げて行く事が出来るのか、現状ではそれが心配です。
 よって、今回限りという区切りでは十分A評価に値するだけのデキではあるものの、第3回以降まで慎重に様子を見るという意味も込めて、ここでは評価保留としておきます
 

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆ 

 巻末コメントのテーマは、「むちゃくちゃ眠くなったらどうしますか?」。
 ほとんど皆さんが「寝ます」という回答。まぁごもっともですね。
 これは駒木も毎日朝5〜6時まで研究室で講義の準備やってるから分かるんですが、そういう状態になったら寝るしかないんですよね(苦笑)。「ここで寝たら人生終わり」という時以外は、眠気と戦うよりも少し寝た方が結局は効率的だったりします。
 では「人生終わり」の場合はどうするか。これは安西さんの「モカ(=眠気覚まし薬「エスタロンモカ」飲んだ後に熱い緑茶」でしょうね。薬の効き目が切れた後には倍増した眠気地獄が待ってますので多用は禁物ですが……。
 しかしこれが昭和20年代前半とかだったら、やっぱり回答の大半は、「ヒロポン。よい子はマネしちゃだめだぞー」…とかになるんでしょうか。

 ◎『売ったれ ダイキチ!』作:若桑一人/画:武村勇治現時点での評価:保留中/解説など】

 今週から『100万$キッド』というサブタイトルがつきましたこの作品ですが(嘘)、ここでカジノ……じゃなかったカシノ・ミニ講座と参りましょうか。

 今回のクリア条件はチップを5倍に増やすこと。具体的に言えば銅チップ1000枚を5000枚にするというわけですね。当講座の昨年12月18日付講義でも採り上げた通り、元来カシノのギャンブルは“一攫千金”性が低くて短期決戦に向いていませんから、これはなかなか厳しい条件と言えます。
 この場合、やはり一番大事なのは種目選択ですね。賭け金の回収期待値は勿論のこと、「賭け金を一晩で5倍にする」という条件に適したギャンブルを選ばなくてはいけません。例えばスロットマシーン。まず他の種目に比べて回収率が低いですし、“数万倍の大当たりか、あっという間の大ハズレ”という性質のギャンブルは条件に全くマッチしておらず、この場合では最も選んではいけない種目の1つ、という事になります。

 では、今回の条件に向いている種目は何が挙げられるでしょうか? まず、一番確実にチップが増やせる種目ならばブラックジャックでしょう。やはりカードカウンティングという必勝法(=期待値が100%を超えるプレイ方法)が存在するというのは非常に大きいです。この必勝法を実践できるだけの技術と知識があることが前提ですが、まずはこれを選択してチップを増やしておきたいところです。幸いにもバカヅキが来れば一気にクリアまで狙えます。逆にツキが無くても取り返しのつかない大負けは考え難く、最初のステップとしては最適の種目と言えそうですね。
 一気に5倍程度までチップを増やすというのなら、最も向いている種目は、恐らく瞳子がチョイスしたクラップスでしょう。実質的な回収期待値99%以上という数字も魅力ですし、カシノ系ギャンブルの中では比較的チップの変動が激しい(=大勝ちしやすい)のも魅力です。瞳子のようにある程度出目がコントロール出来るのならば(とは言っても、そんなもんマンガの中だけですが。)今回のチャレンジに最も向いた種目と言えるかも知れません。
 で、大吉が選んだルーレットはどうでしょう? ネコ先生が「これだけはダメ」と言うように、回収期待値はカシノ系種目で最低ランク(95〜97%)な上に戦術性に乏しく、ギャンブルとしてはかなり分の悪いモノと言えそうです。しかし、ルーレットは最高で36倍の配当が望める、つまり賭け金次第では課題の一発クリアが狙える“ハイリスク・ハイリターン”な種目でもあります。大吉のように知識も技術も無いプレイヤーにとっては、下手に無い知恵を絞るよりはルーレットでイチかバチかの勝負に出た方が良いかも知れません
 そういうわけで、一見無謀にも思える“ルーレット36倍一点勝負”というのは、実は意外に有効な作戦だったりします。ただし、この作戦は1回の大当たりでクリア出来なければ意味がありません。期待値の低いギャンブルで勝つには超短期決戦しか道は無いのです。(そういう意味では、チマチマと賭ける大吉のやり方は最悪です)
 36倍狙いを実行するとして、配当チップ5000枚を受けるのに必要な賭けチップは139枚。1000枚の“軍資金”では、チャンスは7回しかありません。理論上の勝率は18.42%(17.03
%の間違いでした)さぁ、皆さんならどうしますか? 

 ……え、駒木ならどうするか、ですか? そうですねー。自分はギャンブルをプレイする事以外でチップを増やす事を考えますね。ルールはあくまでも「チップを増やす」ことであって、「チップをギャンブルで増やす」ことではないのですから、いくらでも方法はあるはずですよ(ニヤリ)

 
 ◎『モンキーターン』作画:河合克敏【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 トビラの女子王座ベスト6揃い踏み、現実の競艇でもこんな美人揃いなら、もっとお客さん増えると思うんですけどねぇ(禁句)。

 
 ◎『かってに改蔵』作画:久米田康治【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】

 「ちなみにサンデー編集部でも編集長派と副編集長派ってのがいてね、骨肉の権力争いをしてるのよ」
 ……って、本当に生々しい!(笑) いや、これはマジでシャレにならんような気がするんですが、大丈夫なんですか久米田センセイ(と、その担当さん)!


 ──ふう。今日は疲れました(苦笑)。カリキュラムが遅れに遅れてご迷惑おかけしていますが、出来れば懲りずに明日も来校して頂ければ幸いです。

 


 

2003年第78回講義
10月22日(水)
 社会調査
「ヤフーBBモデム配りアルバイト現場報告」(8)

◎前シリーズ(「潜入レポ」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回第4回第5回第6回
◎今シリーズ(「現場報告」)のレジュメはこちらから→第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回 

 以前告知しました通り、このシリーズは今回で一旦休止ということにさせて頂きます。まぁ単純に題材が切れただけですんで、香ばしい新事実が発覚し次第、随時講義を実施してゆく…ということになると思いますが。

 しかし、当講座ではソフトバンク〜ヤフーBBのラインを叩く…というか茶化し続けて早7ヶ月なわけですが、最近はソフトバンクよりも派遣先の家電量販店の実態に憤りを感じさせられる事が多いですね(苦笑)。実際、既に「モデム配り現場報告・外伝」が出来そうなほど題材は溜まっていたりしますし。特に店長と呼ばれる人たちの大半が性格的にアレなのが問題で、大体の量販店のバックヤードでは、人間関係が絶えずギスギスしていたりしますからねぇ。
 まぁとりあえず、これから就職活動を予定している新卒の皆さんにアドバイスどれだけ切羽詰っても、家電量販店に就職するのはよくよく考えた方が良いと忠告させて頂きます。件のクソゲーム屋にアルバイトとして入社するようなモンだと考えて下さい。余程神経が図太くて、体が丈夫で、営業・販売の才能に長けている人でもない限り、全ての面において路上でモデム配ってる方がまだマシです。また、そういう天賦の才を持っている人は、もっと別の分野で才能を発揮した方が何かと幸せのような気がします(笑)。


 ──と、この話題はこれで「さておき」という事にしまして、モデム配り話に移りましょう。今回は、数ヶ月前に我々スタッフを震撼させたある騒動について、そして、かの悪名高き派遣会社・ネクサスの路上キャンペーンの裏側についての2件についてお話したいと思います。

 では、まずは数ヶ月前に起こったお話から。実はこの話、今でこそ中島みゆきの「時代」をBGMにして淡々と語る事が出来るのですが、その当時は全くもってシャレにならないモノでありました。
 この講義シリーズを受講してらっしゃる方なら既にお判りの通り、駒木がスタッフとして参加しているパラソルキャンペーンは、今年の2月を境にして、新規契約獲得の手段としては非常に効率の悪いものになってしまいました。大の大人が2人(場所によっては数人かそれ以上)タチの悪い会社の新人研修のように作り笑顔で大声を張り上げまくって、それで1日の申し込み受付数は1件か2件。時には全くのゼロという場合すらあると言う次第。
 しかも、そんな効率の悪いキャンペーンにかかる費用は半端ではなく、例えば駒木のいる神戸地区だけで1週間に数億円もの経費がソフトバンクの金庫から消え失せていたとかいないとか。正直なところ、ソフトバンクは道行く人にモデム配っていると言うよりも、むしろ関係者各位にカネを配って回っているだけ…と言った方がシックリと来るような状況になっていたのです。
 勿論、こんな状況が正常であるはずはありませんし、誰しもが「これはアカン」と認識してはいました。しかし、需要そのものが頭打ちになっているというのに、低迷を打破する“特効薬”などあるはずがありません。そんなものがあったら、とっくの昔に日本は不景気から脱し、雇用事情も好転し、駒木もモデムなんぞ配らずに学校現場に復帰しているわけです。消費者も「無料で試せるブロードバンド」なんてケチくさい事言わず、「景気がエエんやから、光ファイバーや!」という話になってヤフーBBは窮地に立たされているはずなのです……って、あれ? 結果は同じですか。

 ……それに加え、そもそも末端スタッフの9割以上がソフトバンクとヤフーBBを嫌いで、「一刻も早く仕事を辞めたいが、とりあえず給料だけは良いので続けてる」人であるため、現場の士気は総じて高くありません。外見上は元気で頑張っているように見えるブースでも、彼らの心的世界を覗けば、そこには『高校アフロ田中』に出て来る部室のような、それはもう澱みきった気だるい空気が沈殿していたりするのです。
 たとえ、たまにイキの良い新入りが来たとしても、屈辱的なモデム配りの仕事を続けるうち、間もなくして古株たちに同化されてしまいます。現場の雰囲気を表現するのに適切な喩えを探せば、上からの締め付けがキツくて、形だけ接客が良くなっている中国の国営食堂みたいなもの…と言えば良いでしょうか。実績に関わらず、原則的に給料が変わらないというところまで共産主義みたいです。

 しかし、そういう状況が許されるのも、当然の事ながら永遠ではありません。全国的に低調な成績が数ヶ月続くに及んで、ソフトバンクは金食い虫と化してしまった我々スタッフに大鉈を振りかざします
 まず、問題の共産主義的な給与体系を撤廃し、基本給賃下げ+歩合給」からなる能力給制度を導入しようとしました。また更に、士気と能力の低い不良スタッフを淘汰するために、勤務日数と獲得契約件数に応じた“首切りライン”の設定が告知されました。それまでも一部の派遣会社で「0件が○日でクビ」などというローカルルールがありましたが、それを全国的に採用するというわけです。
 ……まぁ客観的に見て、発想そのものは真っ当なものでありましょう。日本は資本主義国家です。市場経済の社会です。働かざる者食うべからず、やる気の無い者は去れ。人気の無い新連載マンガは3ヶ月で突き抜ける社会、それが日本でなのであります。それはこのモデム配りでも例外ではありません。
 が、この改革案がソフトバンクから提示された時は、その告知が出た瞬間から轟々たる非難の声が巻き起こり、派遣会社各社も猛烈な抗議をするに至って、この改革案は全面撤廃の憂き目に遭いました。実害を被るスタッフだけでなく、本来なら「依頼先の意向だから」と尻尾を振ってしまう派遣会社までが強硬な態度に出るのは結構珍しい話と思われます。 

 何故、そういう話になってしまったのか。答えは簡単です。物事には適したやり方というモノがあり、ソフトバンクはそれを間違えたのです
 例えば、いくら経済的とは言え、痔持ちに向かって安物のトイレットペーパーを使えと言い放ったらどうなると思いますか? ダブルの意味で血の海ですよ! 
 ……ああ失敬、テンションを上げるところを間違えました。いや、駒木もこの講座を始めた頃、長時間の着席生活のため、危うく痔を罹患するところだったんで結構切実なのですよ(苦笑)。今でも予防の為にホットカーペット座布団が手放せません。尻を暖めると良いそうです。
 あ、今、開講以来一番タメになる話をした気がしますね世のため、人のため、尻のため。そんな貴方の社会学講座です。

 閑話休題。
 そもそもの問題は、ソフトバンク側が「新規契約獲得数はスタッフの士気と能力に比例する」という誤った認識を抱いていたところにありました。
 実は違うのです。スタッフの士気と能力が高くて増えるのは、強引な勧誘で申込まされてキャンセルする人と苦情件数だけ。現状において、契約獲得数は場所と日時に比例します。言い換えれば、「ブースの前を通行する人の数×インターネットに興味のある人のいる確率」に比例するのです。
 熱意があり、ある程度の営業スキルを持った人でも平日の閑散とした街角ではどうにもなりませんし、駒木のように先天的に営業に向かず士気の低いスタッフでも、休日の繁盛している量販店に立っていれば数は取れます。これは、祭りの屋台などに喩えれば非常に判り易い話ではあるのですが、当時のソフトバンクの皆さんはそれすらお分かりでなかったようです。

 また、このモデム配りの仕事は“個人戦”というよりも“チーム戦”であり、同じブースに配置された2〜数人のスタッフが協力して契約獲得のため動きます。一応個人別の成績管理はありますが、ほとんどの場合において、1日の獲得件数はスタッフの数で頭割りして“結束の証”とします。
 こんな所まで共産主義っぽくてアレですが、こういう一見どうでもいい所こそ、人間関係にとっては大事なものだったりするのです。ですから、そこの件数を分けていないスタッフの貴方、大丈夫ですか? 自分の知らないところで呑み会とか企画されてたりしませんでしたか?

 まぁそういうわけで、初手からこのモデム配りは個人単位の歩合給にあまり向かない仕事なんですね。ですから、このソフトバンクから提示された“新・給与体系”は、「給料はシフトに入った日と勤務場所に左右され、些細な歩合給を巡って人間関係は急速に冷戦模様へ」…という事態を引き起こす、何とも強烈な改悪案だったわけです。
 事実、この案が提示された時、駒木が“主戦場”にしているブースのスタッフたちと深刻な議論になりました。結果、「月に1〜2度、全員が近くのファミレスに歩合給を持ち寄って、人数と勤務日数に応じて比例配分する」というサザンオールスターズ方式を採用する事に内定したのですが、ファミリーレストランやのに、ちっともファミリーやない話をせなアカンのやな」と、スタッフ一同非常に陰鬱な気持ちになったのを記憶しております。

 ただ、この給与案だけなら派遣会社的には“セーフ”だったかも知れません。が、2つ目の案・“首切りライン”が完全に“アウト”でした。有栖川宮記念奉祝晩餐会くらいの大アウトだと申し上げておきましょう。もっと言うなら、その晩餐会で祝儀まで包んだ上にスピーチまでやらされてしまった石田純一くらいの特大アウトと言っても過言ではありません。
 この“この首切りライン”、実際の数値を挙げるのは差し控えますが、喩えて言うなら「横綱昇進ラインは3場所で50勝」くらい無茶なもので、実際にこれを強行実施した場合、2ヶ月も経たない内に全てのスタッフが解雇されるという、スターリンや毛沢東も真っ青の恐るべきものでした。適当な言葉を探せば「粛清」というフレーズが一番ピッタリ来ます。
 これが本当の共産主義国での出来事なら、派遣会社がいくら抵抗しようとしても運動はことごとく粉砕され、やってくるのは人民公社と大躍進だったりするわけですが、さすがに資本主義下の一企業ではそこまでの力は無く、その案は全面撤回されて現在に至る……というわけです。
 しかしこの一連の騒動、もうちょっとやり方を間違えさえしなければ、スタッフ基本給の1〜2割引き下げくらいは実現したはずなんですよね。ですので、ソフトバンク的には、せっかくの経費削減の機会を強引にやりすぎて逃してしまったかな…という感がありますね。初デートで女の子に「なぁ、ええやろ、ええやろ」とやらかしてしまった男のようなトホホ感が否めません。
 ですから、最近になってソフトバンク株がストップ高を連発していると聞いても、駒木にはピンと来ないんですよね。何だか、学生時代に学園祭の模擬店で大赤字を計上したようなヤツが、ビジネス誌でカリスマ社長と持て囃されているような違和感を感じてしまうのです。

 
 ──まぁそういうわけで、皆さんの見えない所では、このような事になっていたのですよ。ホント、裏では何が起こってるか判りませんね。
 で、裏では何が……という話をした勢いで、もう1つばかり裏話を。お約束の「ネクサス路上キャンペーンの秘密」についてお話しましょう。こっちの話は守秘義務が全く無い(=駒木はネクサス所属じゃない)ので、思う存分お話が出来ます。元ネクサスのスタッフから聞いた話をそのまんま紹介しましょう。

 当講座談話室(BBS)でも、受講生の皆さんから苦情が寄せられているように、夏から規模縮小になった今でも、件数の稼げる休日や繁華街を中心に、首から名札を下げたネクサスのスタッフによる路上キャンペーンが継続されています。中にはほんの数十m間隔で数件のブースが乱立する迷惑極まりない地域もあり、これには道を歩く時は一般人の駒木も辟易します。麻雀や競馬でヤラれて機嫌の悪い時などは、ハンドインされたモデム入り袋を奪い取って車道に放り投げてやろうか…という良からぬ衝動すら脳裏をよぎります。
 さて、この路上キャンペーン、皆さんの中には、
 「何故、道端でキャンペーンが出来るのか? 近くの店は迷惑じゃないのか?」
 「何故、あんな至近距離にいくつもブースが設置されているのか?」
 ……というような疑問を抱かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 

 この疑問を解くカギ、なんと意外と簡単なところにありました。実はこの路上キャンペーンの場所は、ネクサスが雇ったそれ専門の営業スタッフが開拓しているものなのです。
 営業スタッフは、目ぼしい場所を見つけると、その前にある店のオーナーに「店の前にブースを置かせてもらうだけで1日○○円お支払いしますので是非」と交渉。そこでO.Kを貰った場所にブースが設置されるわけです。この謝礼金は、店の規模や諸条件によって1日あたり数千円〜数十万円の差があるそうです。
 まぁこれで一応は「何故、道端で?」という疑問は解けるかと思います。ただし、中には「ゲリラ」と呼ばれる無許可での小規模キャンペーンも行われていたりするようなので、タチが悪いんですよね。どうしても迷惑なら、最寄の交番に通報するという手もあるでしょう。露天のアクセサリー売りみたいに素早く撤収してくれます。

 しかしこれだけでは、2つ目の「何故、至近距離で?」という疑問は残ったままですね。ですが、これもネクサスの営業たちの仕業なのです。
 モデム配りの末端スタッフのほとんどが“アンチ・ソフトバンク”であるように、ネクサスの営業スタッフも“アンチ・ネクサス”です。愛社精神ゼロの彼らの思考から導き出される答えはただ1つ、「適当に最低限のノルマだけ達成して、給料だけ貰おう」というものだったりします。
 そういう事情ですから、営業スタッフはそこが果たしてモデム配りに適した現場であるかどうかなどお構いなし。ブース設置を許可してくれる店を本当に適当に探してノルマ(週に1〜2件)を達成したら最後、あとは屁をこいて寝るなりパチンコや麻雀に興じるなどして時間を潰し、時給8時間分×週5日をネクサスからもぎ取ります。
 そんな大雑把な新規開拓の結果が、至近距離でのブースのバッティング…というわけです。営業スタッフにしてみれば、実際にそこで1日何件の新規契約がゲットできるかなんて他人事。不運なスタッフが4日連続0件でクビになろうが、知ったこっちゃないわけです。ましてや、通行人がどれだけ迷惑を被っているかなんて、認識外もいいところだったりするわけですね。

 ──以上、今日は一般の方には知る由も無い、モデム配り現場のバックヤード話をお送りしました。
 講義をするたびに、各所で反響の声を頂くこのシリーズですが、冒頭でも申し上げた通り、しばらくお休みを頂きます。どうかご了承ください。
 あ、今回は情報不足で採り上げませんでしたが、最近になってヤフーBBのエリアが拡大された影響で、電話による強引な勧誘、押し売りにも似た個別訪問営業が増えているようです。こういう輩に対処する方法はただ一つ。交渉の余地を与えず、「ウチには必要ありません。いりません」と繰り返して撃退して下さい。最大限の失礼をされているのですから、断るのに礼儀もクソもありません。何なら「ウチにはモデム配りのスタッフをやってる者がいますので、入る時はそっちに頼みます」と言ってやるのも良いでしょう。

 では、長くなりましたが今日の講義を終わります。明日には「現代マンガ時評」を実施する予定です。(次回へ続く)

 


 

2003年第77回講義
10月18日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第2戦・秋華賞」

 早くも今年の秋のG1シリーズは1つの山場へ。2週続けて三冠達成を賭けた重要なレースが続きます。今週は牝馬路線の秋華賞。さぁ、早速予想へ移りましょう。

第2戦・秋華賞(京都2000芝内)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        トーセンリリー 藤田
逃げ馬にとって最高の枠をゲット。しかし末の脆さは如何ともし難く。
    ピースオブワールド 福永
いよいよ正念場。復調なるか、もしくは早熟ゆえの惨敗か……?

 

  ×   オースミハルカ 川島

恵まれたとはいえ、古牝馬トップ2を完封した前走は立派。今回はゴチャつく流れの中で控えて力を出し切れるかがカギ。

 

  ×   メイショウバトラー 武幸

純国産&純“メイショウ”血統に感慨あるも、急激な相手強化に対応どこまで?

        マイネサマンサ 大西

春はオークス直前で無念のリタイヤ。何とか間に合ったが、幾分仕上がり途上の感あって。

        レマーズガール 佐藤哲
G3クラスのダートなら大威張りも、芝のG1では場違いか。
×       ヤマニンスフィアー 二本柳

勝ち味の遅さが大成妨げたが、多頭数のレースに適応出来るのは、今回の強調材料。

    レンドフェリーチェ 中館

健闘のマーメイドSが奥の深さを物語る。決め脚あるだけに、馬群が捌き切れれば怖さはある。

×     チューニー 後藤

オークス2着馬も秋緒戦で評価急降下。実績は凡百の穴馬のそれではないだけに、叩いての上積みあれば侮れないが…