「社会学講座」アーカイブ

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講義一覧

11/29(第91回) 競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第7戦・ジャパンカップ」
11/28(第90回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第5週分・合同)
11/26(第89回) 
教科教育法(高校地歴)「某私立学校・教員採用試験自戦記(2)」
11/22(第88回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第6戦・マイルチャンピオンシップ」
11/21(第87回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第4週分・合同)
11/20(第86回) 
教科教育法(高校地歴)「某私立学校・教員採用試験自戦記(1)」
11/15(第85回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第5戦・エリザベス女王杯」
11/13(第84回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第3週分・合同)
11/6(第83回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(11月第1〜2週分・合同)
11/1(第82回) 
競馬学特論「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第4戦・天皇賞(秋)」

 

2003年第91回講義
11月29日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第7戦・ジャパンカップ」

 今年のジャパンカップは、好メンバー揃いの上に11年ぶりの道悪馬場での開催という事で、前日から何やらキナ臭い空気が漂っていますね。中山競馬場近辺のピンポイント天気予報によると、30日も朝から雨模様という事で、恐らくは不良馬場のままでしょう。果たしてこの条件がレースにどのような影響を与えるか、この辺りが予想のカギになって来そうですね。
 ちなみに、我々の予想も不良馬場対応で行っています。もっとも、そんなの関係ないってメンバーも1人か2人いるみたいですが(笑)。

第7戦・ジャパンカップ(東京2400芝)
馬  名
(外国調教馬は赤字)
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

      タップダンスシチー 佐藤哲
あっと言わせた有馬記念から早くも1年弱。既にG1主役級の風格を身に付け、今回も単騎逃げで真っ向勝負を挑む。ただし、本質的に道悪は苦手なタイプで不良馬場は大誤算。
      デノン ナカタニ
米G1を4勝も、近況はやや失速気味。3ヶ月の調整休養で再起を期すも、果たして首尾は? 地力そのものは通用して良い器だが……。

 

×     サクラプレジデント 武豊

春クラシックの主役の一角も、すっかりミソをつけた感。ただし前走は実力負けでないし、度外視できるのも確か。今回は2400の距離と道悪馬場が課題。

 

    フィールズオブオマー キング

久々のオセアニア勢参戦。意気込みは認めるものの、輸送条件の悪さを乗り越えるだけの地力があるかどうかは疑問で。

シンボリクリスエス ペリエ

日本調教馬の大将格が昨年の雪辱誓い、堂々参戦。実力最右翼は誰もが認めるところで、仕上がりも絶好。残る懸念は実質初めての道悪競馬のみ。

        アナマリー ルメール
エリザベス女王杯では日本競馬に全く対応できず。道悪で多少スピードは緩むだろうが、相手も格段に強くなり苦戦は確実。
      × ツルマルボーイ 横山典

追込一辺倒とは思えぬ安定した戦績で、ターフを沸かす有力馬。だが、不良馬場は切れ味勝負の馬にとっては致命傷。

    ネオユニヴァース デム

クラシック二冠馬の隠れた一面は稀代の道悪巧者。条件的には前走よりも格段に上で、実力的にはギリギリ互角ながら、宝塚記念のリベンジまであり得る。

×     アンジュガブリエル ジャルネ

下馬評では「道悪苦手な欧米勢のナンバー3」だが、戦績を見れば日本の芝馬場なら不良でもこなせそう。先行粘り込みで他の上位馬との差をどれだけ詰められるかがカギ。

  10 ザッツザプレンティ 安藤勝

底力勝負でもぎとった菊花賞。得意の道悪馬場は更なる飛躍のチャンスに。将来の力関係を占う意味でも一応の試金石になりそうな一戦だ。

        11 アクティブバイオ 武幸

アルゼンチン共和国杯からの定番“格下馬挑戦コース”。道悪は得意だが、メンバー的にそれ以前の問題になりそう。

        12 ダービーレグノ

夏のローカル重賞を道悪で1着、2着と健闘。ただ、今回は相手が違いすぎる。

× 13 ジョハー ソリス

コタシャーン以来のブリーダーズCターフ馬参戦。地力は外国勢随一の評判も、調整過程の大誤算と未知数の道悪適性で評価微妙に。

×   ×   14 イズリントン ファロン

牝馬にして欧州勢のトップを張る男勝りの女傑。ジャパンカップに合わせたローテーションも好感だが、超一流牡馬との兼ね合いや多頭数競馬にやや懸念材料を残す。

        15 スルーヴァレイ シャヴェス

他の外国調教馬に比べ、全てのファクターでやや劣る感。余程のアクシデントが無い限りは出番は来なさそう。

    × × 16 サラファン エスピノーザ
昨年のこのレースで波乱の立役者に。ハナ差惜敗のリベンジ目指して2年連続参戦も、昨年と条件違い、実績を過信は出来ず。

 

      17 タイガーテイル ジレ

エリザベス女王杯3着は率直に言って実力以上の大健闘。デキ落ちは無さそうだが、相手関係は非常に厳しい。

 

      18 サンライズペガサス 柴田善

1年の休養明けで0.7秒差の前走は健闘の部類。調教をキッチリ積めているのも好材料だが、再度の本格化はまだ先になりそう。道悪も大きなマイナス。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 天皇賞の展開をブチ壊した2頭の姿は無く、替わって参戦のタップダンスシチーが単騎で逃げそう。道悪馬場にノメるなどのアクシデントがあればアンジュガブリエルが代役か。ペースは速くはならないだろうが、後続に脚を使わせるためにもスローまでには落としたくないところ。
 有力馬は比較的後ろでレースを進める馬が多いものの、各自手の内が分からない不確定要素の多いレースだけに、展開はかなり流動的になるかも。特に道悪を意識せざるを得ないシチュエーションである以上、いつもより早め早めのケイバをしたい馬も出て来るだろう。
 ただ、結局は不良馬場に負けなかった馬同士が直線で叩き合う底力勝負になりそうな予感。ジョハーら追込馬は、競り合いで疲れた馬をターゲットにゴール前急襲を狙う格好。
 レース全体の傾向からすれば、道中で好位〜中位あたりをキープしていた馬の勝率が高い。追い込みも届くには届くが、余程の実力馬でない限りは直線入口時点でのビハインドが堪えるようだ。また、2番手からの押し切りは比較的多いが、純然たる逃げとなると活躍例は極端に減る。最後の逃げ馬による連対は、なんと1984年。そう、かのカツラギエースが炸裂させた乾坤一擲の大逃げまで遡らなくてはならない。ジャパンカップはアクシデンタルな展開でペースが上がりやすい上、終始目標にされる不利が大きいのだろう。

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:シンボリクリスエス》
 

 このレース史上最悪の馬場状態の中で行われる今年のジャパンカップ。当然、道悪適性が有力馬の取捨選択における最重要ファクターになってくるだろう。ここまで条件が変わってしまえば、これまでの実績はまるで役に立たないと言っても言い過ぎでは無いほど(まぁ明らかに地力不足の馬は地力不足のままだろうが)。
 日本の有力馬で不良馬場が得意なのは、ネオユニヴァースとザッツザプレンティ。逆に苦手なのはツルマルボーイ、タップダンスシチー、サクラプレジデント。タップダンスは少しの渋化なら我慢できるだろうが、ここまで悪化したらさすがにノメってしまうだろう。シンボリクリスエスは本格化前に府中の不良馬場を体験していてクビ差2着。前後の戦績から考えると「得意ではないがこなす」程度だろうが、かつてのタイキシャトルがそうであったように、実力の図抜けた馬ならばその程度で十分だろう。
 一方、難しいのが外国馬。これまでの常識なら「外国馬=力馬=道悪得意」と考えるのが普通だったが、今回のメンツを見ると、どうも出走馬選択に際し、良馬場・高速馬場の適性を意識しすぎているような気がしてならない。なので、少なくとも今年に限ってはマイナス要因にはなっても逆は無いような気がするがどうか。特にアメリカ勢には直線の坂も加わって、かなりヘヴィーな負担がかかりそうだ。

 馬券的には地力抜群で不良馬場にも対応できるシンボリクリスエスを全面的に信用し、道悪得意の日本勢から3歳2頭を当面の相手に指名する。宝塚記念の結果からすると抜擢し過ぎの感もあるが、そこは外国の有力馬をヒモとして押さえて憂いを断つ。これで外れたら仕方ないよ、うん。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 2.1
馬連 5-8 100円 6.9
  5-10 100円 15.2
  8-10 100円 35.2
  5-9 100円 12.4
  5-13 100円 15.1
  5-14 100円 21.1
馬単 5→8 100円 9.3
  5→10 100円 19.8
三連複 5-8-10 100円 20.0


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:シンボリクリスエス》

 先ほど、駒木博士の本命馬と対抗馬を聞かされて、ちょっと眩暈がしている栗藤珠美です(苦笑)。
 でも、外国馬トップのジョハーが調整過程で頓挫してしまった以上、本命は日本のトップ・シンボリクリスエス以外に考えられませんものね。展開も融通の利く馬ですし、逆らえません。これでこの馬が原因不明の凡走をしたら、それは駒木博士のせいということで(笑)。
 2番手候補なんですが、不良馬場と私なりの展開予想から先行馬有利と見て、比較的前の方でレースを進める実績馬を優先して指名してみました。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 2.1
馬連 5-8 100円 6.9
  5-13 100円 15.1
  8-13 100円 55.8
  1-5 100円 9.7
  5-9 100円 12.4
  3-5 100円 29.0
馬単 5→8 100円 9.3
  5→13 100円 20.9
三連複 5-8-13 100円 27.4


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:デノン》

 外国馬が大量に混じってて何が何だか分からないメンバー構成ですけど、わたしはいつも通り穴狙いで行きます。
 本命は、外国馬で人気の盲点になっている感のあるデノンから。デキ落ちで休養に入ってたらしいですけど、逆に言えば全然疲れの無いリフレッシュした状態から出走するわけで、仕上がってさえいれば休養はプラス材料だと思ってます。
 で、○印以下はちょっとだけ日和らせてもらいました(苦笑)。そろそろ的中させておかないとマグレで優勝したみたいに思われちゃいますからねー。わたしなりに手堅くってところです……って、あれ? 万馬券ばっかりですね(苦笑)。私の感覚ってヘンなのかな?

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 19.9
馬連 2-10 100円 140
  2-13 100円 108
  10-13 100円 125
  2-5 100円 24.1
  2-14 100円 156
  2-16 100円 273
馬単 2→10 100円 307
  2→13 100円 267
三連複 2-10-13 100円 821

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:フィールズオブオマー》

 もう、ジャパンカップの本命馬は先週から決めてました! ここは当然、「オージー! オージー!」です(笑)。競馬についてあんまりよく知らないワタシでもコックスプレートってレースの名前は聞いたコトありますし、そのレースを勝ったんですから、きっと強いんでしょう。よく知りませんけど(苦笑)。でも、オーストラリア代表に恥じないレースをしてくれると思います! 頑張れ、フィールズオブオマー! 

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 6.4
馬連 4-5 100円 56.1
  4-13 100円 276
  5-13 100円 15.1
  4-10 100円 393
  4-16 100円 630
  4-7 100円 193
馬単 4→5 100円 155
  4→13 100円 814
三連複 4-5-13 100円 232

 今回も印が散らばり気味になりました。駒木の予想を乗るも良し、逆張りするも良し、それはお任せする事にします(笑)。とにかく、良いレースを期待しましょう。


ジャパンカップ 成績

      1着 タップダンスシチー
  2着 10 ザッツザプレンティ
3着 シンボリクリスエス
    4着 ネオユニヴァース
        5着 11 アクティブバイオ

単勝1 1380円/馬連1-10 7020円/馬単1-10 15660円/三連複1-5-10 4210円

 ※駒木ハヤトの“敗戦の弁”(不的中)
 勝ち馬の遥か後方で、馬連、三連複をバッチリ決めていた駒木です(苦笑)。これで後検量違反で1着失格とかだったら、当たったはいいけど大顰蹙だったろうなぁ。
 まぁ今回の大逃げ劇については色々言われてるけれども、19年前のカツラギエースをリスペクトして絶妙の大逃げを打った佐藤哲三騎手の度胸に脱帽するしかないだろうね。前半の1000mで巧みにペースを揺さぶって他馬を翻弄したかと思えば、ラスト1000〜800mでペースを落として息を整えて磐石の構え。素晴らしい。多分、佐藤哲三騎手にとって生涯最高の騎乗だったんじゃないだろうか。日頃から競輪で1点ン十万ぶち込むのも、こういう時のための度胸育成だったのかも(笑)。
 ただ、いくら馬場の良い所を通ったからと言って、道悪こなせるシンボリクリスエスですら凡走するような状態で、道悪下手なはずのこの馬がスイスイと走れるのはどういう事なんだろう(苦笑)。ひょっとしたら、以前の道悪下手はメンタル的な問題だったのかもなぁ。でも、お願いだから、今後は「良馬場だったら買ってたのに」ってタイミングで激走するのはご遠慮願います(笑)。まぁ今後は道悪でも関係なく買うけどさ。
 後続の敗因については、やっぱり展開と道悪に集約されちゃうんだろうね。タップダンスシチーが道悪下手(なはず)なのはファン以上に熟知していただろうし、「とりあえず放置」って考えるのは自然と言えば自然。で、佐藤哲三騎手はそれを逆手にとって大逃げ打ったわけだから、やっぱり勝った方を褒めるべき。
 2番手のザッツザプレンティにしても、残り1000mから逃げを捕まえるためだけにスパートかけて自滅するのは勘弁ってところだろうし、それならタップダンスシチーが大バテしてくれる事に望みを繋ぐしかないわな。大体、ああいう展開で逃げ馬を捕まえに行くのは1番人気の仕事なんだけど、さすがにペリエ騎手もその辺の暗黙の了解までは知らなかったんだろう(笑)。

 しっかし、競馬って難しいなぁ(苦笑)。少なくともモデム配りと他の講義の片手間で当てられるモンじゃないね。

 ※栗藤珠美の“反省文”(不的中)
 シンボリクリスエスが2着を確保出来たなら的中だったんですが……。あの3/4馬身差は多分、駒木博士が◎印を打ってしまったせいだと思うんですが、皆さんはどうお考えでしょうか?(笑)
 先行有利という予想は当たっていただけに、ちょっと悔しいですね。ザッツザプレンティの評価をもっと高くしておくべきだったと反省しています。あ、文字通りの反省文になってしまいましたね(苦笑)。

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 デノンは8着。何だかわたしの本命馬って、最近よく8着前後に入ってばかりいるような気がするんですけど、思い過ごしですかね?
 8着でも賞金1500万円ですか……。こっちは全額スってるのに、ちょっと不公平だと思いません?(苦笑)
 何だかムシャクシャするので、今晩はバイト先の雀荘で客打ち(店員がお客として麻雀を打つこと)徹夜麻雀でもやりたいと思います。 
 

 ※リサ=バンベリーの“イッツ・ア・ハードラック・デイ”(不的中)
 フィールドオブオマーは9秒5差のシンガリ負け……。
 レース中継では直線に入ってから全然姿も形も見えなくて、どうしちゃったのかなって思っていたらコレですか……。何だかとても悲しいです。
 ところで、昔、オセアニアからとっても強い馬が来た時代があったらしいって駒木博士から聞いたんですけど、その頃ワタシがまだ2〜3歳だったって言ったら、メチャクチャ驚かれました(笑)。ジェネレーション・ギャップですね(笑)。
 

第7戦終了時点での成績

  前回までの獲得ポイント
(暫定順位)
今回獲得したポイント 今回までの獲得ポイント
(暫定順位)
駒木ハヤト 2640
(3位)
0 2640
(3位)
栗藤珠美 7040
(2位)
0 7040
(2位)
一色順子 29540
(1位)
0 29540
(1位)
リサ=バンベリー 2190
(4位)
0 2190
(4位)

 (ポイント・順位の変動について)
 4番人気のタップダンスシチーが逃げ切った上に、大本命シンボリクリスエスが3着に敗れた事が響き、今回は的中者ゼロ。それにしても駒木ハヤトの不振は深刻で、回収率は遂に40%を切ってしまった。果たして今後の大逆転はあり得るのか?

 


 

2003年第90回講義
11月28日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(11月第5週分・合同)

 またしても遅くなりましたが、今週のゼミを始めます。「ジャンプ」の発売日からほぼ1週間経って「今週のレビュー」なんて言ってるのもアレなんですが……。

 さて、そういうわけで時間がありません。まずは先週から溜め込んだ分もある情報系の話題から。

 まずは受講生の皆さんも注目しているであろう、「ジャンプ」年末(雑誌的には04年新年)新連載シリーズのラインナップが発表されましたので、こちらでも改めて紹介しておきます。

新連載シリーズ・今回のラインナップ

 ◎第1弾・新年1号(次週発売)より新連載
 …『DEATH NOTE』(作:大場つぐみ/画:小畑健)
 ◎第2弾・新年2号より新連載
 …『銀魂』(作画:空知英秋)
 ◎第3弾・新年3号より新連載
 …『LIVE』(作画:梅沢春人)

 ネット界隈の噂では、今年2回目の新連載4本か…という説もありましたが、とりあえずオフィシャルでは“標準モード”の新連載3本ということに。
 ただ、だからと言って打ち切りも3本で断定できるかと言うと微妙な所なんですよね。前回の改変では新連載3本で打ち切り2本でしたので、今回はその逆で打ち切りが1本多くなるかも知れませんし。掲載順などを見ても、今期の新連載の生き残り2本(『サラブレッドと呼ばないで』&『神撫手』)が“瀕死状態”なのは明白ですし、場合によると4本打ち切りもあり得ます。まぁ3本入れ替えで片方が生き残るにしても、ぶっちゃけ『闇神コウ─暗闇にドッキリ─』と同じパターンになるのは目に見えてますが……。

 で、新連載のラインナップですが、有り体に言えば、「『ジャンプ』の僅かな“残弾”を惜しげも無く投入して来たなぁ…」という感じですね。小畑健さん、梅澤春人さんといった固定ファンの多いベテラン作家さんに加えて、ネット界隈でも評判の高い若手・空知英秋さんをぶつけて来るとは思い切ったモンです。
 しかし、現在のラインナップの中に初連載の若手作家さんが飛び込んでいくのは大変ですよねぇ。ライバルが小畑&梅澤両氏に加え、『ごっちゃん』、『ミスフル』あたりになりますから……。生き残るにはハンパじゃないパワーが必要になると思いますが、新人・若手が育たないと「ジャンプ」はどうにもなりませんので、そういう意味でも空知さんには頑張ってもらいたいものです。

 なお、次週発売の「ジャンプ」新年1号には、読み切り『ダー!!! 〜便所の壁をブチ破れ〜』作画:吉田慎矢)が掲載されます。
 吉田さんは03年6月期『十二傑新人漫画賞』で最終候補まで残ったのが“最高位”の新人さんで、勿論これがデビュー作。6月時点で17歳ということですので、現在は現役高校生でしょうか。題名や次週予告のカットでは一体どんな作品か全く判らないのですが、ページ数から言ってストーリー系作品のようですね。

 ……さて、先週のゼミで扱う予定だった「ジャンプ」系の新人賞・「ストーリーキング」03年下期の審査結果が発表になってしますので、こちらの受賞者・受賞作を紹介しておきましょう。

第10回ストーリーキング(03年下期)

 ◎マンガ部門
 キング=該当作無し
 準キング=1編
 ・『みえるひと
』=「赤マル」掲載決定
  岩代俊明(25歳・東京)
 《講評:とにかく見やすいのが印象的。コマ割りもキッチリされていて絵柄にも好感が持てる。前半のストーリー展開が淡々とし過ぎているのでリズムに気をつけて欲しい。迫力ももっと欲しいところ》
 奨励賞=該当作なし
 最終候補(選外佳作)=7編
  ・『FANNY STORY』
   森田将文(23歳・東京)
  ・『蹉跌』
   雪田鉄蔵(26歳・京都)
  ・『HIGH SPEED GIRL』
   福代ゆりか(18歳・島根)
  ・『僕とお面』
   佐倉茶太郎(19歳・千葉) 
  ・『料理や』
   西誠(17歳・千葉)
  ・『one armed abyss』
   西島麗(17歳・宮城)
  ・『ぶ霊んますたあ』
   岸のりこ(19歳・栃木)   

 ◎ネーム部門
 キング=該当作無し
 準キング=1編
 ・『いのちやどりしは

  高野勇馬(25歳・兵庫)
 《講評:文楽という馴染みの薄いジャンルに挑戦し、その面白さを演出出来ていた点を大きく評価した。あとは主人公が文楽に興味を持つ理由の弱さ等、キャラクターをじっくり描く意識を高めて欲しい》
 ・『桐野佐亜子と仲間たち

  二戸原太輔(21歳・福岡)
 《講評:「能力バトル」という設定自体はそれほど新鮮ではなかったが、戦闘場面におけるレベルの高いアイディア力と、キャラの“強さ”を確実に演出する力を感じさせた。ただし「能力とは何か」という部分の説明が不足していたのが残念》
 奨励賞=該当作なし
 最終候補(選外佳作)=6編
  ・『羽ばたく音楽』
   大館貴子(33歳・埼玉)
  ・『ROGUE』
   陽祐(20歳・兵庫)
  ・『一つ結び』
   山本春助(18歳・長崎)
  ・『霊飼いの宿』
   赤羽潔(27歳・東京)
  ・『鬼丸王』
   黒犬のしっぽ(36歳・東京)
  ・『長靴を履いた猫』
   宮田英俊(23歳・兵庫)

 受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。

 ◎マンガ部門最終候補の森田将文さん01年11月期、02年1月期、02年7月期、03年1月期の「天下一漫画賞(現:十二傑新人漫画賞)」で計4回最終候補。
 ◎ネーム部門最終候補の黒犬のしっぽさん02年度、及び03年上期「ストーリーキング」でも最終候補。

 なお、マンガ部門準キングの岩代俊明さんは、活発に同人活動もしていたようで、Googleで名前を検索すると所属サークルのウェブサイトに飛べたりします。
 そこでは18禁マンガも描いた事があったような記述が載っていましたが、まぁ「ジャンプ」では成人誌出身の真倉翔さんが活躍していたりしてますので、これは問題にならないでしょう。大事なのは、これから商業媒体で優れた少年マンガが残せるかどうかです。講評を見る限りでは、まだまだ課題が残っているような感じですが、恐らく来春の「赤マル」に掲載されるデビュー作の出来映えに注目してみたいところですね。

☆「週刊少年ジャンプ」2003年52号☆

 ◎読み切り『ぷーやん』作画:霧木凡ケン

 今週の読み切りは、知る人ぞ知るベテラン下積み作家・霧木凡ケンさんが登場です。
 間もなくデビュー12周年となる霧木さんのデビューは1991年、霧木さんが弱冠15歳の時。これまでのキャリアは『シェルター』さんの『霧木凡ケン作品リスト』に詳しいので、そちらを参照して頂ければ…と思いますが、これまでに「ホップ☆ステップ賞(現:「十二傑新人漫画賞」)」入選「赤塚賞」準入選増刊号に作品掲載6回週刊本誌に作品掲載2回…というキャリア相応の実績を残しています。
 そして今回は3年ぶり3度目の本誌掲載。悲願の連載獲得へ向けて、文字通り三度目の正直なるか…といったところでしょうか。

 まずについてですが、どうも全体的にシックリ来ません。致命的なミスは無いのですが、所々でデッサンが崩れている所があったり、表現が上手くいっていない所があったりします。「赤マル」春号で初めて霧木作品をレビューした際には、「これも霧木さんの“味”なのかな……」とも思いましたが、今作の絵柄を見てみると、それだけで片付けてはいけないような気がしてきました。
 デビュー12年にして、まだ絵の技術的な面で課題が残っているというのは、やはり頂けませんね。正直な所、「同期・後輩がどんどん追い抜いて行ってる中で、一体これまで何やってきたんだ」という話になるわけですから。

 スト−リーにも問題がありますね
 話の展開は最初から最後まで不条理そのものなんですが、作中の登場人物全員が(そして恐らくは霧木さんも)、全くこの筋書きを不条理だと実感していないんですね。本来ならツッコミ役を配置してギャグマンガにならなきゃおかしいくらいの不条理な筋書きなんですが、スタイルそのものは純然たるストーリー作品なんですよ。だから読み手にとっては得も言われぬ違和感を感じてしまうわけです。作品世界に没入していけないんですね。
 ストーリーテリング力が云々…ということよりも、むしろ作者視点が読者視点と大きく乖離している事の方が問題ですね。これは作者の霧木さんが気付かない限りは、そして気付いたとしても12年分のノウハウを放棄してゼロからリスタートしない限りは修正出来ないものだけに、非常に辛いところでしょう。
 あ、あと作風が「週刊ビックコミックスピリッツ」の『π』に似てしまってるのもヤバいですね。「スピリッツ」も読んでいるような高年齢層読者──おそらくこの作品で最も支持を集める可能性の高い読者層──は、「あ、似てる」と感じた時点で、この作品を二番煎じ扱いしてしまうでしょうから。

 評価はギリギリでB−というところでしょうか。正直言って、連載に耐えられるクオリティとは思えません。

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントについて箇条書き形式で雑感。

 ・稲垣理一郎さんジャンプフェスタとクリスマスボウルが日程と時間帯まで一致した事に大ショック。そりゃショックでしょうなぁ(苦笑)。ていうか、誰かスケジュール調整してやれよって話なんですが。
 まぁアレですよ、鶴の一声でジャンプフェスタの日程がズラせるくらい偉くなって下さい、稲垣さん。
 ・つの丸さん…分裂前の全日って、何度目の分裂なんだろう…とかマニアな疑問を抱いたんですが、まぁ先週に三沢モドキのキャラを出してる所から考えると2度目の分裂(現ノア勢離脱)なんでしょうね。でも、良い環境で仕事してるなあ(笑)。 
 ・高橋和希さん…で、ここにもプロレス・格闘技ファンが1人(笑)。今年は駒木の地元神戸で猪木祭があるんですが、こっちも他のイベントが気になって生観戦なんて行ってられませんからね(笑)。
 ・うすた京介さん「うまい棒の人」とか言われてますね、多分(笑)。コンビニの店員さんって、それほどお客さんの顔を覚えてないって話を聞いた事ありますけど、大の大人が頻繁にうまい棒を買いまくってたら、さすがに覚えられてるでしょう。

 あと、今週は『BLACK CAT』の人気投票結果発表があったんですが、発表された票数が全て4の倍数だったという事が2ch掲示板で話題になりました(笑)。確かに偶然にしては出来過ぎですなぁ、これは。
 まぁ、この手の人気投票が実勢を現していないというのは以前から指摘されている所ではあるんですが、編集部ももうちょっと気遣えよと(苦笑)。

 ◎『戦国乱波伝 サソリ』作画:内水融【現時点での評価:B/連載総括】 

 残念ながら1クール打ち切り。いわゆる“突き抜け”となりました。
 数話完結のエピソードがそれぞれ盛り上がりきる前に終わってしまったり、キャラクターが立つ前に一旦退場してしまったりと、全般的に非常に勿体無い展開に終始しましたね。もし早い段階で打ち切りが確定していたのなら、それも仕方ないと思うのですが……。
 ただ今回の作品は、元々からして内水さんの持ち味が出せるような題材では無かったですからね。ミステリ要素を交えた“知能派”のストーリーで実績を得て連載を獲得したのに、連載でいきなり“肉体派”ストーリーに転向ですからね。上手くいく方がおかしいです。
 とりあえず次回作は自分の持ち味を遺憾なく発揮できるような題材で勝負してもらいたいものです。
 最終評価はBということでいいでしょう。読み流すだけなら不満は無い作品でしたので、これくらいが妥当でしょう。

☆「週刊少年サンデー」2003年52号☆

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントのテーマは、「今までで一番怖かった体験は?」。
 やはり答えがバラけましたね。ただ、出題者が一番期待していたであろう、オカルト的な恐怖体験はほとんどゼロで、多くは物理的な命の危機と締め切りの危機についてのエピソードになったようです。
 個人的に「うわ、怖ぇ!」と思ったのは、「締め切り1日前にネーム未完成」のモリさんと、「インコがササミ状になって生きてる夢を見た」田辺さんの各エピソード。あ、でもモリさんの場合は、締め切りって言っても「モリさんが聞かされてる締め切り」ですからね(笑)。ひょっとしたら本当にギリギリの締め切りから考えると数日余裕があったかも知れません。
 「ジャンプ」とかどうしてるんでしょうかね。いくら編集が「先生、明日の朝イチで印刷所に突っ込まないと落ちます!」って言っても、冨樫義博さんに電話で問い合わせられたらオシマイのような気がするんですが(笑)。「え? もう来週号の原稿やってるの?」とか言われたりして。

 
 ◎『いでじゅう!』作画:モリタイシ【現時点での評価:A−/雑感】

 この作品の面白い所は、体育会系の部活を舞台にしていながら、キャラクターの人間関係は限りなく文化系に近いという事ですね。体育会系がベースなので印象は明るくて健康的になりますし、それでいて人間関係が文化系で等身大スケールなので幅広い支持が期待出来ると。
 ラブコメに偏り過ぎ…という意見も確かにあるんですが、ここまでそういうキャラ構成になったら、そっちに流れないとむしろおかしいような気がします。あと、恋愛というのは物語を構成する要素としては基本中の基本ですしね。

 ◎『美鳥の日々』作画:井上和郎【現時点での評価:B+/雑感】

 で、この作品も巧い。今回は物凄くコアな題材なんですが、ギリギリの所で一般人の感覚から外れていないので(つまり、一般人から見たらおかしい事は、キチンとおかしい事として描けている)いわゆる“オタク臭”が漂って来ないんですね。しかも、ディティールもほぼ正確に押さえているので、“そっち系”の人が見ても「知ったかぶりしやがって」という批判はほとんど出て来ないと思います。
 しかし、この作品で一番の善人は間違いなく高見沢くんですね(笑)。暴走&事後承諾癖があるのは問題ではありますが。

 
 ◎『からくりサーカス』作画:藤田和日郎【開講前に連載開始のため評価未了/雑感】
 
 「彼の人生は死んだのだ。ナルミにとって彼の人生は、もう彼のものではないのだ」
 ……こういう重いフレーズがスッと出て来るところが凄いんですね、藤田さんは。ここまで人の命の価値ってのを実感させられる筆力というのはやはり稀有だと思います。
 少年マンガの古典的な設定として、主役に「不殺」を守らせるってのがあるんですが、これは命の価値を重んじているようで、実はそうでもないんですよね。どちらかと言うと、命の価値について考える事から逃避しているわけで、その辺を作者自身が理解していないと薄っぺらい作品になってしまうんです。
 

 ……さぁそして、次週は『ふぁいとの暁』が最終回。ここに来て激しい“大量粛清”の予感がしますが、その次に打ち切られる作品、そして入れ替わる新連載は一体誰なんでしょうか。注目ですね。

 さて、今週で11月分のゼミは終了。これで今年の「仁川経済大学コミックアワード」の審査対象期間(02年12月〜03年11月)が終了した事になります。
 そこで、次週のゼミでは評価保留中の作品に暫定または最終評価を下し、ノミネート予定でまだレビューが済んでいない作品についての「読書メモ」を実施します。そして最後に、各部門のノミネート資格保持作品を発表する予定です。
 なお、今年の「コミックアワード」は12月中旬(場合によっては下旬)に開講2周年式典として実施予定です。そこで改めて最終ノミネート作品(=各部門の優秀作品賞)を発表した後、各部門の最優秀賞&グランプリを選出したいと考えています。部門によっては、駒木の頭の中では既に内定が出ている作品もありますが、イベント当日までのお楽しみ…ということで何卒。

 


 

2003年第89回講義
11月26日(水) 教科教育法(高校地歴)
「某私立学校・教員採用試験自戦記(2)」

 ※前回までのレジュメはこちら→第1回

 試験直後のタイミングでスタートし、そして当講座のパターン通り、本題に入る前に“次回へ続く”となったこのシリーズですが、この6日のタイムラグの間に採否の結果が早くも郵送されました
 さすがは某有名企業が経営母体の私立学校、文面は非常に丁寧でありましたが、これを公立学校採用試験の通知風に翻訳すれば、

 あなたは不合格と判定されました。

 ……という結果に相成りました。やはりあのメンバー構成で15人中1位の成績を獲るのはかなり無茶だったようです。
 よく考えたら公立の2次試験でもそこまで難しい条件ではないわけで、まぁ納得の結果かな…などと、こちらも当然の如く五輪出場権獲得を逃したバレーボール男子日本代表の見事なヤラレっぷりを観ながら思ったりしました。

 ……ところで全くの余談ですが、今回のW杯バレーでは、中継を担当したフジテレビが日本代表選手たちにそれぞれキャッチフレーズみたいなモノをつけましたが、あれ苦しかったですね。しかも長くて覚え辛い(苦笑)。
 今や昔のTBS系「フードバトルクラブ」でフードファイト選手たちにつけられたキャッチフレーズも大概苦しかったですが(赤阪尊子=「飢えるジャンヌダルク」とか)、今回はそれ以上。大食い選手より選手のキャラが立ってないっていうのが、今のバレー界の沈没振りを象徴してると言うのは言い過ぎでしょうかって、言うまでも無く言い過ぎですね、ハイ。
 でも、元々ああいうのって、選手のキャラクターが立ってから名付けるもので、無理矢理に選手をプロデュースするために付けちゃいけないんですよね。だから似たようなニュアンスで、苦し紛れで、どこかで見たようなフレーズで、しかも長ったらしくなっちゃう。
 キャッチフレーズ界(?)の古株・プロレス業界でも、実は変なの多いですからね。駒木が知ってる中で一番笑えたのは、故・ロッキー羽田選手の「和製アメリカンドリーム」でしょうか。徹頭徹尾意味不明なのが素晴らしい。
 まぁ今後、スポーツ中継で選手にキャッチフレーズをつける時は、まずキャラを立ててからという事で何卒。例えば、こんな6人+1(リベロ)が先発メンバーのバレー日本代表なら、テレビの音声を消してでも(消すのかよ)駒木も応援したくなると思いますが

 「孤立無援のスーパーエース」
 「帰って来た爆笑王」
 「10男6女・肝っ玉父ちゃん」
 「戦え! 下町の名コック」
 「西日暮里の殺人兵器」
 「バレーボール界のヤマタク(=山崎拓)」
 「哀愁のパンチドランカー」

 ……心底使えない他の6人をフォローするために滅私奉公するスーパーエースの奮闘する姿が一番の見所ですね。何しろ守備の要・リベロがパンチドランカーで足下フラついてますから。ちなみに「肝っ玉父ちゃん」は現在離婚調停中。ヤマタクは直前の健康診断で糖尿病と診断されたそうです。

 ──って、横道に逸れすぎましたね、失礼。いや、さすがに負け戦をレポートするには、ある程度の勢いが無いとやってられんのです(笑)。
 では、以下よりレポート本文です。文体は例によって常体とさせて頂きます。


 視聴覚教室は、大学の講義室を“お子様サイズ”にしたような雛壇型の部屋だった。こういう教室で試験を受けると、忌まわしき浪人受験生時代が蘇って来て、ちょっとしたデジャヴを味わう。しかし、普通の部屋にビデオ・テレビと映写機を置けば視聴覚教室になってしまう公立とは、やはり一味違う。
 担当の女子職員から試験内容の説明の後で、なんと今日の分の交通費を支給すると言われる。一律1000円で、駒木では少々足が出るが、それでも正直これは有り難い。これも、身内にならないと(あるいはなっても)ビタ一文払わない親方日の丸では考えられない事だ。この辺り、“お客さん”に気を遣う一般企業(私立)と、身内に優しい役所(公立)の感覚差がよく出ている。うーむ、何だか本当に社会学の講座みたいだな。

 で、職員が交通費の入った封筒を1人ずつに渡して、領収書と交換していくのだが、その中で数人の受験生が封筒を渡されていないのに気が付いた。不思議に思って注視していると、何やら「支払いは今月の給料として」云々…といか言われている。
 どうやら彼ら、この学校の現役非常勤講師らしい。常勤講師への昇格を賭けて、外部の人間に混じって試験を受けているというわけだ。実力十分の猛者揃いの上にアウェイ。有り体に言って最悪のシチュエーション。東南アジアで東洋太平洋タイトルに挑戦する日本人ボクサーでも、もう少し勝ち目はありそうだ。
 久々に強烈な「何してるんだろう、俺」感を味わいつつも、専門教養試験の問題用紙が配られて来た。まぁ今更悩んでも仕方ない。落ちても損なし、受かれば儲けモノなのだから、今日は実戦勘を取り戻すための訓練だと思って開き直るしかないか。

 専門教養の試験は、全て論述式の問題で制限時間60分。問題用紙が試験後に回収されてしまった上、一部選択式だったので、問題文を完全に採録する事は出来ないが、駒木が選択・回答した問題は以下の通りである。

 ◎十字軍運動の開始までの経緯と、その後の運動の展開について述べよ(500字程度)
 ◎アヘン戦争以後の中国の改革運動について述べよ(500字程度)
 ◎古代ローマで平民が貴族との政治的平等を勝ち取った経緯を述べよ(300字程度)
 ◎中国・宋王朝時代の社会と文化について簡潔に述べよ(300字程度)

 ……世界史に詳しい方ならお分かりになると思うが、問題の難度そのものはそんなに高くない。いや、教員採用のための試験としては平易な方だろう。「世界史B用語集」に赤字で載っているような重要語句を関連付けるように文章を作れば勝手に答になってしまうようなレヴェルである。
 ただ、「制限時間60分で合計1600字」という条件では、60分ずっと鉛筆を動かしておかないと間に合わないし、制限字数もやや厳しい。これらの問題で、詳細な回答をしようと思えば少なくとも1.5〜2倍くらいの字数が要る。
 しかも、こちらは出題側がどのようなまとめ方を望んでいるのかを知らないので、最終的にはほとんど運任せの世界である。例えば最初の十字軍問題なんて、“(十字軍)開始以前”と“開始以後”どちらをメインに据えるかで回答内容が全く違って来る。で、そのどちらが模範解答に近いのかは知る由も無い。この辺が論述式テストの怖さである。客観的な採点基準が存在しないのだ。
 そういうわけで、自分としてはほぼノーミスでクリアした感覚はあるのだが、それが果たして本当にノーミスだったのかは全く判らない。いや、さすがに満点取ってたら受かってると思うので、どこかで細々と減点されていたのだろう。

 専門教養の試験終了後、まだ正午前にも関わらず昼食休憩。朝に説明された通り、学校側から弁当とお茶が支給された。
 弁当は和洋折衷のいわゆる仕出し弁当。それほど値が張る物ではなかろうが、最近の駒木の“主昼食”であるホカ弁に比べると中身のグレードはまるで違う。大体定価800〜900円と見たがどうか。
 ただ、こういう時にボリュームのある弁当食わされても、気持ちが張り詰めてるのでゆっくり味わえず、正直言って有り難迷惑なのだ。実際、半分以上残していた受験者もいた。まぁ学校側にしてみれば、「お客様に変な物をお出ししては……」というところだったのだろうけれども。

 それでも一応、どんな状況でも食欲だけは衰えない駒木は弁当を速攻で完食。あとはもう直前対策などしようもないので、小説本など読んで過ごす。それでも気が付いたら面接のイメージトレーニングをしている辺り、駒木らしいのだけれども……。 (次回へ続く

 


 

2003年第88回講義
11月22日(土) 競馬学特論
「第1回・駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜03年秋・第6戦・マイルチャンピオンシップ」

 秋のG1レースも佳境へ。今週は今シーズン最も混戦模様が伝えられるマイルチャンピオンシップです。外国馬を交えたフルゲート18頭と難解なレースとなりましたが、果たして駒木研究室スタッフ4名の予想は以下のようになりました。どうぞご覧下さい。

第6戦・マイルチャンピオンS(京都1600芝外)
馬  名
(外国調教馬は赤字)
騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        オースミコスモ 常石
1600〜1800mが得意。G3級でも活躍できるようにはなったが、さすがにG1では荷が重そうだ。
サイドワインダー 福永
9ヶ月半ぶりの復帰戦で豪快な末脚を披露。叩いての上積みは絶大で、G1初挑戦も気配は互角以上だ。

 

      ギャラントアロー

どんな相手や舞台でも真っ向勝負の逃げ一本。スワンSでテンシノキセキ以下を完封したパフォーマンスはマイルの厳しい流れでも通用するか?

 

      テイエムサンデー 秋山

春のスプリント戦線での健闘光るも、マイル戦では末脚分のスタミナを道中で浪費させられそう。

      × スペシャルカルドゥーン ブフ

G1未勝利と、遠征馬にしては実績が物足りず。4走前の勝ち時計と3走前にテレグノシスと接戦した材料をどう評価するか。

        ウインクリューガー 武幸
NHKマイルC勝ちも、様々な面で恵まれた感有り。このレースが今後を占う試金石になるだろうが、果たして……?
×     マグナーテン ペリエ

ジャパンC小差4着など、実績はメンバー中ピカイチ。休み明け2走目で、どこまで復調しているかに尽きる。

    ×   イーグルカフェ 藤田

春までの充実がウソのようなスランプ突入。ロスの無い乗り方をしてどこまでか……?

        ロサード 角田

幾度となく果敢な挑戦をする姿は立派の一言。しかし、能力的には入着争いがやっとの情勢か。

  ×   10 バランスオブゲーム 田中勝

永遠のG2大将返上へ、余裕を持ったローテーションで三度西下。課題の長距離輸送と決め手不足は克服なるか?

    11 デュランダル 池添

短距離の女王・ビリーヴを退けたスプリント新王者。距離は大丈夫なはずで、あとはレースの流れにどこまで乗っかれるか。

      × 12 トゥスール ファロン

2歳時は英G1制覇、3歳春も2000ギニーで入着などの実績あるが、ここに来て勢いは尻すぼみ気味。日本の馬場の適性と鞍上の手綱捌きに期待してどこまでか。

× 13 ミレニアムバイオ 四位

これ以上なく展開のハマった前走は鮮やか過ぎる勝ちっぷり。このメンバーなら優勝争いまであるが、安定感が無いのが泣き所。

      14 エイシンチャンプ 安藤勝

サクラプレジデント、ネオユニヴァースらと好勝負演じた実績は認めるものの、まだ復帰後完調とまではいかず。

        15 イルバチオ 川島信

鋭い決め脚が魅力の追い込み馬。1000m戦にも対応できるスピードは評価できるが、果たしてこの距離がどうか。

        16 マイソールサウンド 本田
1800m〜2200mで活躍する中距離馬。マイル戦の適性もありそうだが、一線級とはスピードの絶対値で差がありそう。

×

    17 テレグノシス 勝浦

充実のフランス遠征から帰国・検疫後初めての出走。この後、香港遠征を控えて、どこまで態勢が整っているかが焦点に。

×

18 ファインモーション 武豊

現役最強牝馬も、夏の復帰以後は信じ難い急失速。決して得意とは言えなさそうなマイル戦、タチが悪くなる一方の気性難、今一つの調整過程と悪材料は山積み。実績・地力は誰もが認めるところだが、無条件の信頼は捧げ難いのが現状だ。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 逃げ馬はギャラントアロー1頭。行き渋るタイプでもないし、十中八九以上はこの馬が平均以上のペースで飛ばす。ただし、大外枠のファインモーションが行きたがるとレース展開は一気に崩壊するだろう。
 先行馬よりも追込馬の方が多いという、最近の競馬では珍しいメンバー構成で、道中の隊列は3〜4コーナーまで縦長に広がる形。おのおのが最も得意とする位置から虎視眈々と勝負所を窺う。
 後方待機の馬ほど瞬発力に勝るタイプが揃い、最後の直線では内外に広がったダイナミックな追い比べが見られそう。脚質別に展開の有利不利は特に無いが、スパートのタイミングを自分で選べる先行〜好位の馬が若干有利か。追込馬は仕掛け遅れだけは避けて欲しいところだが……

●駒木ハヤトの「逆張り推奨フォーカス」●
《本命:サイドワインダー》
 

 カテゴリ全体を牽引するエースが不在で、混迷が深まる一方の芝マイル戦線。今夏のローエングリン&テレグノシスのフランス遠征の戦績から見て、それほどレヴェルが低いわけでは無いのだろうが、確固たる軸の不在は、予想する上で非常に悩ましくさせる障害と言わざるを得ない。
 そんな中、ようやくニューヒーローの誕生を思わせる逸材がG1の舞台に辿り着いて来た。サイドワインダーである。前走9ヶ月半ぶりの復帰戦となった富士Sでのパフォーマンスは鮮烈で、実績不足を補って余りある能力を窺わせるものだった。前の止まり難い平坦コースが一抹の不安材料も、絶好調のコンディションとスピードの絶対値でカバーしてくれるだろう。
 相手候補としては、昨秋から今春にかけて大活躍のマグナーテンが面白い。どこまで体調が戻っているかに尽きるが、決して格負けはしていない。鞍上の騎乗にも注目。

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 100円 5.5
馬連 2-7 100円 39.8
  2-13 100円 8.0
  7-13 100円 47.7
  2-11 100円 14.0
  2-17 100円 37.1
  2-18 100円 18.2
馬単 2→7 100円 71.5
  2→13 100円 15.5
三連複 2-7-13 100円 48.4


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:ファインモーション》

 先週の的中の勢いを借りて、今週も頑張りたいと思います。
 私の本命は、やっぱり実績重視ということでファインモーションです。前走の大敗も、能力というより気性の問題だったみたいなので、改めて期待してみようと思います。ちゃんと折り合いがつけば、上がり3ハロン33秒台前半の脚が使える馬ですし、瞬発力の勝負になっても負けないと信じています!
 相手はスプリンターズSでビリーヴを破ったデュランダルに。私はこの馬が、サイドワインダーよりも強いって信じているんですけど、どうなんでしょうか。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 前売り
オッズ
単勝 18 100円 4.6
馬連 11-18 100円 34.4
  13-18 100円 19.5
  11-13 100円 14.5