「社会学講座」アーカイブ

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講義一覧

6/30(第27回) 文化人類学「頂上決戦再び! 04年ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権・直前展望(1)」
6/26(第26回) 競馬学特論「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・最終戦・宝塚記念」
6/25(第25回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(6月第4週分・合同)
6/18(第24回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(6月第3週分・合同)
6/11(第23回) 演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(6月第2週分・合同)
6/5(第22回) 競馬学特論「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・第9戦・安田記念」

6/4(第21回) 
演習(ゼミ)「現代マンガ時評・分割版」(5月第6週〜6月第1週分・合同)

 

2004年第27回講義
6月30日(水) 
文化人類学
「頂上決戦再び! 04年ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権・直前展望(1)」

 ここしばらくは週1ペースの講義で、受講生の皆さんに物足りない思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。しかし高校講師の仕事も一段落つき、漸くこちらの方に時間とエネルギーを注げる態勢が整いました。今日からしばしの間平常モードに“復活”です。
 夏場は教員採用試験のシーズンですし、社会学講座以外の文筆活動も色々考えていますので、そうは言ってもなかなか時間の割けない事も出て来るでしょうが、その辺りも含めてどうか何卒宜しくお願いします。

 さて、“復活”第1回目の今回は、実に約1年ぶりに文化人類学──フードファイト競技関連の講義をお届けする事にしました。
 02年頃からの受講生さんはご存知と思いますが、この文化人類学講義は当講座開講当初の看板講義でした。世間一般ではキワモノ視されていたフードファイト競技を一種のスポーツとしてアプローチする…という趣旨のもと、競技会のTV観戦レポートや、フードファイト選手の能力数値化の試みである「フードファイター・フリーハンデ」などの企画を実施して来ました。実に手前味噌ではありますが、受講生さんたちからも一定の評価を頂いていたように思います。
 ただしそれも02年春にフードファイト番組を真似した中学生がパンを喉に詰めて窒息、後に死亡するという痛ましい事故が起きてからはフードファイト競技会の数も激減し、それに伴ってこちらの講義の方も途絶えがちに。その結果、先述の通り1年近くにも及ぶ休講を経て現在に至る…というわけです。

 ここ1年の日本フードファイト界の衰微は激しく、正直申し上げて当講座でフードファイト関連講義をする事はもう無いだろうと思っていました。しかしこの度、今年のネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権において、この大会3連覇中の王者・小林尊選手と、かつて国内メジャータイトルを総ナメし、最強のフードファイターの呼び声も高かった白田信幸選手が対戦する事が決定的となり、「うひゃあ、こりゃあ放っとけんぞ」…という事になった次第であります。
 この辺りはフードファイト・ファンの方でないとピンと来ない面もあると思いますが、ボクシングで喩えれば坂本一生と工藤兄弟……もとい、全盛期チョイ後あたりの辰吉と薬師寺が再戦するようなものだと申し上げれば、どれだけ「放っとけん」のかが少しは分かっていただけると思います。
 ……それにしても今頃どこで何やってるんでしょうか坂本一生。プロレスの練習生になった直後に速攻逃亡という、余りにも分かり易いヘタレっぷりを見せてくれたのは良いものの、その後は全くの行方不明になってしまいました。プロレス入門直前、中古車センターで洗車のアルバイトをして食い繋いでいた勇姿が忘れられません。まぁ本人からしたら「早いところ忘れてくれ」といったところでしょうが。

 ──と、閑話休題。前置きと余談がやたら長い本来の講義スタイルが戻って来て我ながら感慨深かったりするのですが、とりあえず本題へ。まずはこの小林・白田の両雄が相見える事になる競技会・ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権についてのお話を、少々時間を取ってしておきたいと思います。以前からの受講生さんにとっては過去の講義の内容と重複する部分も多いと思いますが、今回の講義はこれまでフードファイトに興味があまり無かった方のためのものだという事で、どうか何卒。

 ……さて、このネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権(以下、ネイサンズ国際)は、第一次世界大戦が激化しつつあった1916年の7月4日──つまりアメリカ合衆国独立記念日──に、4人のヨーロッパ移民たちが「我こそが愛国者だ」という気持ちをアピールするため、ニューヨークにあるホットドッグ店・ネイサンズで、アメリカ人の国民食であるホットドッグの食べ比べをしたのが起源とされています。そして、それ以来1941年と1971年にそれぞれ戦争激化と政情不安に抗議する意味で中止されたのを除いては、世界恐慌で失業者が溢れていようと、ソ連と核戦争の危機に瀕していようと、毎年必ず7月4日の独立記念日に大会が実施されています。さすがはブッシュを大統領に選んでしまうアメリカ人、シャレが利くんだか馬鹿なんだか判りません。
 そんなわけで、このネイサンズ国際は今年で実に87回目。長い歴史の中で細かいレギュレーションがいつどのように整備されていったのかは不明ですが、現在はアメリカ全土及びカナダやヨーロッパ、そしてアジア各地で予選会を行い、その優勝者が7月4日の決勝大会でホットドッグ早食い世界一を競う…というシステムが確立されています。
 一部を除く予選会及び決勝大会の競技ルール12分のタイムレースで、時間内にとにかく一番多くのホットドッグを完食(=口の中に放り込む)した選手が優勝という単純なもの。それでも大会記録が51本と1/2と聞けば、このネイサンズ国際がただの大食い自慢コンテストではない事がお判り頂けるでしょう。大会の模様は何とCNNを通じて全世界に発信され、下手なプロスポーツ競技よりも大きく採り上げられてしまいます。サッカーW杯のあった02年など、アメリカ代表が決勝トーナメントで8強に進出したニュースよりもネイサンズ国際の方に時間が割かれた…なんていう笑えない話もあったりしました。

 そんなネイサンズ国際が日本のフードファイト界と深い関わりを持ち始めたのは90年代後半のこと。この大会を事実上運営しているIFOCE(国際大食い競技連盟)に「大食い選手権」のテレビ東京が加盟し、ネイサンズ国際の日本予選開催権を取得した事から、番組の企画を兼ねて日本人選手が派遣されるようになったのでした。
 そして、当時から世界一の“フードファイト大国”であった日本勢の活躍は目覚しく、97〜98年優勝の中嶋広文選手(引退)00年優勝の新井和響選手、そして01年から昨年まで3連覇中の小林尊選手と、続々と日本人王者が誕生。いつの間にかネイサンズ国際は日本人選手のパフォーマンス大会の様相を呈するようになったのです。しかし、先述の中学生の死亡事故の影響でテレビ東京が日本予選会の開催権を放棄してしまった02年からは、小林尊選手がディフェンディング・チャンピオンの権利で出場するのみという、往時を知る者にとってはやや寂しい状況が続いていました。
 ……が、今年になって状況が漸く好転します。昨年開店したネイサンズ日本支店において、今年からネイサンズ国際の日本予選が開催される事になったのです。
 しかも、今年の再開第1回目となる日本予選にはフードファイト・ファン垂涎の豪華メンバーが集結しました。その模様については、また次回の講義で改めて詳しくお送りしますが、この予選を白田信幸選手が制し、遂に小林尊選手とのドリームマッチが実現する事になった…という次第です。

 ──というわけで、今日はネイサンズ国際と、この大会における日本人選手の活躍についてお話したわけですが、これだけではまだ今回の小林VS白田がどれだけ魅力的なカードなのかを伝えるには不十分。やはり両選手がこれまでどのような道を歩んで来たかを紹介してこそ、今回の対戦の重要さが分かるというものでしょう。
 そこで次回は、小林・白田両選手のこれまでの競技生活と直接対決の歴史を振り返り、更には今回のネイサンズ国際の展望などをお送りできれば…と思っております。とりあえず、木・金曜はゼミの準備がありますので、こちらの次回講義は大会(日本時間7月5日未明開始)直前の7月3日から4日午後あたりにお届けする予定です。
 それでは次回をお楽しみに。(次回へ続く

 


 

2004年第26回講義
6月26日(土) 
競馬学特論
「駒木研究室競馬予想No.1決定戦〜04年春シリーズ・最終戦・宝塚記念」

 いやはや、何とか辿り着きました。今期最終戦の宝塚記念です。
 今期は朦朧とした意識の中で編集作業をしていた記憶ばかりが残っているのですが(苦笑)、漸く最終戦にしてマトモな精神状態で講義に臨めそうです。……まぁだからといって、予想が当たるのかと言えば、やはり“負け犬”だけあって、むしろ逆になりそうな予感がします(笑)。杉本清の夢か駒木の予想かといったところでありましょうか。

 ところで今回は最終戦という事で、前期同様ポイントを倍付けで計算します。ただし、今回は最下位の罰ゲームはありません。赤星先生は再登場にやぶさかでないそうですが(笑)、珠美ちゃん以外の3人が「もう勘弁」と言っておりますので……。
 まぁ、赤星先生には年末のコミックアワードあたりで出演してもらいましょう。


最終戦・宝塚記念(阪神・2200・芝)
馬  名 騎 手

 下段には駒木ハヤトの短評が入ります。

        シルクフェイマス 四位
重賞2つを含む5連勝+天皇賞3着で、いつの間にやら勝ち馬候補の一角に。今回は、そんな名目上の実績に中身が伴っているかどうかの試金石。
        トレジャー オリヴァー

前走の16番人気2着は確かに鮮烈だったが、ハンディキャップホースの印象が未だに拭えず。3kg増でG1級相手にどこまでやれるかは、やはり疑問。

  ゼンノロブロイ 田中勝

ビッグタイトルこそ無冠だが、G2・G1が主戦場でデビュー以来全て4着以内の堅実さは出走馬中で群を抜く。瞬発力不足を咎められない展開なら勝機も十分。鞍上の乗替は微妙(笑)。

× ×     ローエングリン 横山典

永遠の善戦マンが2年ぶりの宝塚記念参戦。強力な同型を背後にどこまでマイペースを貫けるか。それでも勝ち切るまでには有形無形の恵まれが必要そう。

× ザッツザプレンティ デムーロ
ムラ駆けの傾向が強まる近況だが、ツボにハマった時の“破壊力”はやはり脅威。瞬発力勝負を避け、叩きあいに持ち込みたいが……。新パートナー・デムーロの奮起に期待。
    ×   サイレントディール 池添

昨年のこのレース以来の芝戦線参戦。適性云々に不安は無いが、ドバイ遠征明けで強力メンツが相手で果たしてどこまで?

    ×   ダイタクバートラム 小牧太
復帰3戦目。生粋のステイヤーのようで、中距離にも実績あり。復調の気配が顕著だし、問題は初顔合わせの強豪との実力比べ。
× × リンカーン 武豊
天皇賞の大敗は能力が原因ではなく、度外視したいところ。特異の阪神コースに戻って巻き返しを狙う。カギは一線級相手で実績に乏しい中距離がどうかだが。
        チャクラ 柴田善

春一連の成績は立派だが、着順を鵜呑みに出来ないレースばかりというのが悩ましいところ。これまで入着圏ギリギリだったG1の舞台で、今回どこまで上積みあるかは未知数だが……

        10 メイショウドメニカ 松永

一応は重賞ウイナーとは言え、このタイミングでG1初挑戦とは唐突な感が否めず。調教の動きも緩慢で、ここは1周回って来るだけで終わりそう。

        11 スティルインラブ
前年度三冠牝馬だが、同期のライバルの近況を見る限り、牡馬の一線級とは実力に差がありそう。デキもまだ復調途上で苦戦必至の情勢。
        12 ホットシークレット 福永
かのテイエムオペラオーと壮絶な2着争いを演じた3年前の宝塚記念は語り草。本来ならばマイペース条件に伏兵の評価もアリだが、年齢や臨戦過程から見てここは苦戦。
× 13 ツルマルボーイ 安藤勝
安田記念で念願のG1初制覇。最後方からのレースは不利ではあるが、周囲のマークが弱まるのは好都合。マイペースな展開からの追い込みで、2年連続2着の雪辱を狙う。
        14 ダービーレグノ 秋山
中〜長距離G2専門のブロンズコレクターというレアな役割を追求しつつある(?)昨今だが、G1では入着すらままならぬのが現状。この相手ではキツい。
15 タップダンスシチー 佐藤哲
金鯱賞は着差以上の完勝劇。有馬記念大敗の影を完全に断ち切った。今はもうマイペースの逃げ・先行は許されまいが、「4角回って先頭なら影を踏ませぬ」の構え。怖いのは差し馬の出し抜けを喰らう事。


●展開予想
(担当:駒木ハヤト)

 まずは天候と馬場状態。天気予報によると、阪神競馬場周辺は終日曇るものの雨はほとんど降らないだろうとのこと。土曜夕方時点では芝コース稍重の発表だったが、どうやら極端な道悪馬場は回避出来そうだ。
 そしてレース展開の方だが、逃げ馬2頭のうちハナを叩きそうなのはローエングリンの方か。タップダンスシチーが逃げるならば大逃げ狙いだろうが、今回の情勢ではさすがにマイペースの競馬は許されまい。普通に考えて2〜3番手待機だろう。
 後続では好位集団にゼンノロブロイとシルクフェイマス、そのすぐ後ろあたりにザッツザプレンティにリンカーンと、馬群の前半に有力馬が固まって牽制しながら仕掛け所を窺う構え。後方のツルマルボーイはマイペースで己の末脚に賭ける。
 ペースは澱みの無い流れで平均ペース。馬混みは混雑しない程度の縦長で、典型的な力勝負で決着する流れになりそう。

●駒木ハヤトの「負け犬エレジー」●
《本命:ツルマルボーイ》
 

 金鯱賞のタップダンスシチーは強かった。着差こそ頭差だったものの、ハナにこだわらず、先行抜け出しで堂々と押し切った横綱相撲だった。これなら今回ダントツの1番人気に支持されても……って、ゼンノロブロイと競ってるがな(笑)。
 良いんですか、競馬ファンの皆さん? 勝春が乗った杉本清の夢ですよ?(笑) そんな馬の3倍台の単勝買って……まぁいいや。とにかくタップダンスシチーは強くて、これなら本命に推すのも当たり前の話。しかしながら、よく考えたらこの馬と互角以上に戦っている馬がいる。
 それがツルマルボーイ。ハナで笑うなかれ、これでも立派な宝塚記念2年連続2着馬だ。
 この馬、2年前が4番人気、去年は8番人気ながら後方待機からの追い込みで穴馬券の立役者になっている。そして今回も4番人気で、展開も多分同じ。メンバー構成も一昨年と同じくらいで、去年よりは明らかに軽い。そうだ、我々はいつまで経っても学習していないというわけだ(笑)。まぁ学習しないから毎週毎週、控除率25%強のバクチなんぞやってるわけなのだが、とりあえず今回は少しばかり学習しておこうではないか。

 ただ、懸念はやはり馬場状態。これでもう一雨降った場合、プライベートの馬券は○印以下の馬を1ランクずつ繰り上げるつもり。不良馬場になったらタップダンスシチーも外す。 

駒木ハヤトの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 13 200円 8.8
馬連 13-15 200円 13.7
  3-13 200円 15.4
  3-15 200円 7.9
  5-13 200円 36.0
  8-13 200円 24.7
  4-13 200円 55.5
馬単 13→15 200円 33.6
  13→3 200円 40.7
三連複 3-13-15 200円 16.7


●栗藤珠美の「レディース・パーセプション」●
《本命:タップダンスシチー》

 安田記念で良い結果を出せたお蔭で、大変気分良く最終戦を迎えることが出来ました。勿論、ここも皆さんのお役に立てれば…と思います。
 本命は1番人気でしょうけど、タップダンスシチーで。金鯱賞のレースを見る限りでは、やっぱりこの馬が実力で頭一つ抜けている気がします。ここを勝って、堂々と凱旋門賞にチャレンジしてもらいたいとも思いますし。
 これに続くのが、やはり4歳世代トップクラスの3頭。天皇賞のレース振りが気になりますけど、実績を比較すると他の有力馬とは差がありますし、これ以上評価を下げられないといったところでしょうか。安田記念でお世話になったツルマルボーイにも頑張ってもらいたいのですが(笑)、やっぱりこのメンバーでは押さえまでかな、という気がします。

栗藤珠美の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 15 200円 3.7
馬連 8-15 200円 14.4
  5-15 200円 17.8
  5-8 200円 23.8
  3-15 200円 7.9
  13-15 200円 13.7
  4-15 200円 21.8
馬単 15→8 200円 26.2
  15→5 200円 27.0
三連複 5-8-15 200円 38.8


●一色順子の「ド高め狙います!」●
《本命:ザッツザプレンティ》

 結局このシリーズは最初の方で本命馬券を当てただけ。こんなはずじゃなかったんですけど……。
 それでも穴党の良い所はここからでも逆転優勝が狙えるところ。今回は7番人気までソコソコ人気しちゃってるので大きな穴は狙えないんですけど、ポイント2倍と馬単・3連複のボーナスで頑張ってみたいと思います!
 ……で、今回の本命は、去年の菊花賞からお世話になってるザッツザプレンティ。もっとお世話になってるリンカーンと迷ったんですけど、リンカーンは変に人気しちゃってるので○印にしておきました。ザッツザプレンティのデムーロ騎手に乗り替わりも面白い材料ですしねー。
 敢えて大きな穴を探すならサイレントディールかな。ダービーの成績とかから考えると、単勝60倍ってちょっとおかしいと思うんですよね。プライベートで少しだけ買っておきたい馬券です(笑)。

一色順子の購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 200円 10.8
馬連 5-8 200円 23.8
  5-15 200円 17.8
  8-15 200円 14.4
  5-13 200円 36.0
  5-6 200円 312.7
  5-7 200円 98.2
馬単 5→8 200円 55.3
  5→15 200円 42.7
三連複 5-8-15 200円 38.8

 
●リサ=バンベリーの「ビギナーズ・ミラクル!」●
《本命:タップダンスシチー》

 やっとイイ感じになって来たところで最終回なんて、「サンデー」のマンガみたいで悲しいんですけど(笑)、ガンバって優勝を狙いたいと思います!
 今日は、去年の秋からこれまで見てきたG1レースで印象に残っている強い馬から順番に印をつけていきました。ジャパンCでスゴい差をつけて勝ったタップダンスシチー、トリプルクラウン(ティアラ?)のスティルインラブ、そして3週間前のツルマルボーイ……といった感じです。
 あ、企画が変わる秋からも競馬の講義には参加させてもらえるそうなので、またヨロシクお願いしますね〜♪ それでは皆さん、See you!

リサ=バンベリーの購入馬券
種別 フォーカス 購入金額 オッズ
(27日未明時点)
単勝 15 200円 3.7
馬連 11-15 200円 130.9
  13-15 200円 13.7
  11-13 200円 207.5
  3-15 200円 7.9
  5-15 200円 17.8
  8-15 200円 14.4
馬単 15→11 200円 199.2
  15→13 200円 21.7
三連複 11-13-15 200円 240.5

 ……というわけで最終戦の予想をお送りしました。秋からはまた別の企画で競馬学特論を実施する予定でいます。また9月の再開をお楽しみに。ではでは。


宝塚記念 成績

1着 15 タップダンスシチー
        2着 1 シルクフェイマス
× × 3着 リンカーン
  4着 ゼンノロブロイ
× 5着 ザッツザプレンティ

単勝15 350円/馬連1-15 1930円/馬単15-1 3190円/三連複1-8-15 4140円

 ※駒木ハヤトの“負け犬の遠吠え”(不的中)
 どうして駒木が買った時だけ来ないんだツルマルボーイ(涙)。このペースならせめて2着には来いよぉ……。
 それにしても“4歳4強”軍団の決め手の弱さと言ったらないねえ。揃いも揃って瞬発力が無いんだもの。エアシャカールかホッカイルソーのクローンが走ってるような錯覚を覚えるよ。でも、同じようなタイプでもキッチリ結果を出してたのがヒシミラクルだったんだよな。
 とにかくこの春はキツかった。予想する時間以外の時間がキツかった(苦笑)。秋にはもうちょっと何とかなってたらいいなぁ……。

 ※栗藤珠美の“喜びの声?”(単勝のみ的中)
 一応、単勝は当たっているんですけど、正直言ってガッカリです(苦笑)。3〜5着に重たい印を打った馬が来ただけに、脱力感が物凄いですね……。
 でも、総合優勝ということで、それは素直に喜びたいと思います。2期連続で駒木博士にも勝ちましたしね(笑)。2年半、一生懸命勉強して来た甲斐がありました。勿論、これからも頑張りますのでどうか宜しくお願いしますね♪

 ※一色順子の“終了しました……”(不的中)
 惜しいことは惜しいんでしょうけど、○▲で14倍ソコソコの馬券当てても仕方ないんで、もう仕方ないですね(苦笑)。
 結局この春は、去年の秋で作った貯金を食い潰しちゃっただけで終わっちゃいました。最下位の罰ゲームが無くて良かったです(笑)。でも、回収率5%って、逆に凄いですよね。自分で笑っちゃいますよ(笑)。

 ※リサ=バンベリーの“ハッピー・ハッピー・グッドラック?”(単勝のみ的中)
 今週も「やった!」…と思ったんですけど、リンカーンが伸びなくて……(苦笑)。
 でも、とりあえず当たって良かったです。本当は駒木博士にも勝ってみたかったんですけどね(笑)。

全10戦終了後の最終成績

  前回までの獲得ポイント 今回獲得したポイント 最終獲得ポイント
(確定順位)
駒木ハヤト 7000
(2位)
0 7000
(2位)
栗藤珠美 13760
(1位)
700 14460
(優勝)
一色順子 570
(4位)
0 570
(4位)
リサ=バンベリー 4560
(3位)
700 5260
(3位)

 (ポイント・順位の変動について)
 1番人気のタップダンスシチーが圧勝するも、2着に4人ともノーマークのシルクフェイマスが入線し、いかにも駒木研究室らしい盛り下がる結果で終了した。
 優勝は栗藤珠美。前半戦は苦戦したが、第9戦の安田記念での大量加点が決め手になった。2位は駒木だが、回収率70%弱の成績では不本意だったろう。

 


 

2004年度第25回講義
6月25日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(6月第4週・合同)


 コノヤロ波多野! 羨ましいぞ畜生!

 ……冒頭からとりあえず叫んでみました(笑)。ご機嫌如何でしょうか、駒木ハヤト(これでも教員)です。
 さて、カレンダーの日付を1日ごとに×で潰していくという、サマワに派遣された自衛隊員みたいな日々が続いた地獄の6月もいよいよ終盤。何とかここまで辿り着きました。
 今頃になって、自分が高校で担当しているクラスの1つが過去数年で“最凶”のクラスだと判明し、4月にノイローゼ寸前へ陥った自分は決して間違ってなかった…などと、すっかり間違った方向性への自信を深めたりもしておりますが(苦笑)、レビューの方向性だけは間違えないように今週も頑張ります。


 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報
 

 ★新連載&読み切りに関する情報
 ◎「週刊少年サンデー」次号(31号)には、読み切り『ミッションX』作画:我妻利光)が掲載されます。
 我妻さんはこれまで増刊を中心に活動して来た若手作家さん。確認した限りでは、月刊増刊の02年1月号、03年6月号、そして昨年秋のルーキー増刊に読み切りを発表しています。
 この中でも昨秋の読み切りは駒木も拝読したのですが、絵・話とも正直「……(汗)」というレヴェルでして、今回週刊本誌に抜擢されたのは素直にビックリさせられました。果たして今回の本誌登場は、短期間で実力を一気に向上させての快挙なのか、はたまた大人の事情による“怪挙”なのか、その辺りも含めて慎重に吟味したいと思っています。

 ★新人賞の結果に関する情報

 ※「ジャンプ」25号で発表済みながら採り上げるのを忘れていた、第11回「ストーリーキング」の審査結果を紹介しておきます。

第11回ストーリーキング(04年上期)

 ◎マンガ部門
 キング=該当作無し
 準キング=該当作無し
 奨励賞=該当作なし
 最終候補(選外佳作)=3編
  ・『社員食堂』
   畑部千晶(21歳・奈良)
  ・『フウライボウ』
   松本圭二(20歳・東京)
  ・『0の戦士』
   久保咲(18歳・宮崎)

 ◎ネーム部門
 キング=該当作無し
 準キング=該当作無し
 奨励賞=2編
  ・『実況!!』
   中館真人(22歳・北海道)
  ・『ラッキーナナ』
   佐野隆次(27歳・静岡)
 最終候補(選外佳作)=6編
  ・『少年弁護士 正義!』
   沼田明美(22歳・東京)
  ・『スペース・ウォリアーズ』
   柴方剛堅(24歳・山形)
  ・『100』
   浅田衛(14歳・静岡)
  ・『THE BLACK SMITH』
   谷原潤子(28歳・大阪)
  ・『札の声を聞け!!』
   前田希(30歳・高知)

 受賞者の皆さんのキャリアは以下の通りです。

 ◎マンガ部門最終候補の久保咲さん02年「ストーリーキング」ネーム部門で奨励賞

 ……最近では「手塚賞」に代わって、ストーリー系新人の登竜門的存在になっている「ストキン」ですが、今回は残念ながら不作に終わった模様ですね。まぁ去年から年2回開催になってますし、たまにはこういう事もある…ということで。

 ※今週のレビュー&チェックポイント
 ●今週のレビュー対象作…2本
 「ジャンプ」:新連載第3回後追い1本
 「サンデー」:読み切り1本

 ※7段階評価の一覧表はこちらから。

「週刊少年ジャンプ」2004年30号☆

 ◎新連載第3回『地上最速青春卓球少年 ぷーやん』作画:霧木凡ケン【第1回時点での評価:C寄りB−

 についての所見(第1回からの推移)
 簡潔に言って、「短所を中心に現状維持」…といったところでしょうか。
 やはり気になるのは第1回の時にも指摘した動的表現と表情の硬さ。前者は「この場面はこういう動きをしている最中だからこういうポーズを取るはずだ」という検証が出来ていない、そして後者は輪郭と顔のパーツとのバランスが全く取れていない…という、それぞれ技術的なモノが原因だと思われます。霧木さんのキャリアの長さを考えると、これは相当に根深い欠点と言っていいでしょう。
 正直、この絵でアクションやお色気をやられても、ただ閉口するしかありません。


 ストーリー&設定についての所見(第1回からの推移)
 こちらも絵と同様、欠点──作品のコンセプトが見えて来ない、登場人物のキャラクターが弱い──を中心に悪い意味でほぼ現状維持といったところでしょうか。
 この作品、いかにも「少年ジャンプ」的な要素(=主人公に敗れた敵役は“悪の組織”内で失脚してピンチに陥るが、そこを主人公に助けられて“正義と友情パワー”に目覚め味方になるその元・敵役が次章でさっそくヤムチャ化する真のライバルは善悪を超越したスーパーマンスポーツ対決では、そのスポーツ本来のテクニックではなく超能力的な必殺技を争うetc…が多数取り入れられ、雰囲気だけなら悪くないんです。ただしキャラクター設定が弱く、作品の方向性も漠然としているために、一連の出来事に必然性が感じられずに“ただ段取り踏んでます感”みたいなモノを強く感じてしまうんですよね。何と言うか、中身の無いハリボテの“「少年ジャンプ」っぽい作品”で終わってしまっているというか……。
 ──ひょっとしたら、こういう作品を「遺伝子組み替えマンガ」(by『吼えろペン』)と言うのかも知れないな…と思ってしまいましたが、如何でしょうか。
 

 現時点での評価
 本来なら第1回の評価(C寄りB−)据え置きが妥当なのかも知れませんが、不完全ながら「少年ジャンプ」っぽい要素を取り込めた点を一応評価してB−にしておきます。

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 

 今週号から『HUNTER×HUNTER』が連載復帰。しかし「さすが冨樫義博」というか、いきなりネーム状態ですなぁ。1ヶ月以上も時間貰ってコレなんですから、相当にアイディアが煮詰まってるんでしょうねぇ……。まぁそれでもネームを人前に出す以上は、キチンと内容のあるネームになっているあたりも「さすが冨樫義博」ですが。
 あ、ちなみに来週号は「作者都合のため休載」だそうです(苦笑)。

 ところで、最近また気になっているのが『武装錬金』のバトルシーンにおける中身の薄さ。ぶっちゃけ、他の誰もが「この作品ダメだ」という事になっても「いやいや、まだまだ」と言うであろう駒木が物足りなさを感じているという事は、他の読み手の方はもっと物足りなさを感じているはずですので、これは本当に心配です。

 で、レビュアーの習性で、今の『武装錬金』に何が物足りないかと色々考えてみたのですが、

 ●作者サイドに「少年マンガなんだから、大掛かりなバトルシーンを入れなければならない」という思いが強過ぎて、シナリオを引き立てるためのバトルではなく、バトルとバトルを繋ぐためだけのシナリオになってしまっている──即ち、シナリオとバトルシーンの主客転倒

 ●バトルが単なる必殺技の応酬がメインになっていて、戦っている登場人物の内面描写が(一応なされてはいるが)甘くなっている。間延びを避けたいのは分かるが、過去編を積極的に入れないと、戦っている登場人物に感情移入出来ず、当然バトルにも感情移入出来ない。

 ●主人公・カズキの戦う理由付けが曖昧かつ受動的で、「戦わされている」感が否めない。具体的かつ確固たる信念や己の存在意義ごと敵にぶつけてこそ内容に“厚み”が出る。

 ●メインヒロイン・斗貴子さんがストーリーに全然絡めていない。それどころか、カズキとのパワーバランスまで崩れ気味で存在感が無くなる一方。作品中で最大のキーパーソンを冷遇しては成功するはずの作品も成功しない。

 ……などといったシャレにならない“緊急”クラスのセキュリティホールを次々と見つけてしまいました(汗)。作品の方向性を完全に見失ってる感じすらして、ハッキリ言ってヤバいですね。パピヨン編後半の“貯金”を勘案してもA−評価維持が精一杯といったところでしょうか。
 とにかく急務なのは、カズキと斗貴子さんのキャラクター強化。いっそのこと、しばらく2人きりで山篭り修行でもさせた方が良いんじゃないかと(笑)。 
 

「週刊少年サンデー」2004年30号☆

 ◎読み切り『ベースボールエンジェル』作画:清水洋三

 ●作者略歴(資料不足のため不完全な内容になってしまっています。ご了承下さい)
 
1970年生まれの今年34歳
 判明した最も古い活動歴は、93年から「ビッグコミック」系一般誌に連載された『ABフリャー』作:家田荘子の作画担当。「週刊少年サンデー」では94年に連載された(ただし15週&未単行本化)原作付作品『SHOUT』の作画担当が確認出来る限りの“初仕事”。
 96年からは月刊増刊で『WONDER SCHOOL BOY』を連載開始。この作品は00年までのロングランとなる。
 01年4・5合併号からは週刊本誌で『ナイトラヴァーズ』作:文月剣太郎)が連載となるが、同年33号までで打ち切りとなり、活躍の場は再び増刊へ。02年から03年にかけて『蒼空のグリフォン』を連載した。
 今回は『ナイトラヴァーズ』以来、約3年ぶりの週刊本誌登場となる。

 についての所見
 独特な画風がどうしても気になってしまう嫌いもありますが、全体的には「さすが10年選手」という水準に達していると思います。好感度の高い美少年・美少女キャラだけでなく、悪役顔やコミカルなディフォルメ表現にも長けており、さすがは若手時代から原作付作品を任されて来ただけの事はありますよね。
 敢えて問題点を挙げるとすれば、やや動的表現が
ぎこちないところでしょうか。それでも構図の取り方を大胆にする事によって上手くフォロー出来ているようですし、この辺りにもキャリアを感じさせてくれます。

 
 ストーリー&設定についての所見
 シナリオ自体は、よく新人・若手作家さんが使うような手垢の付いた一本調子のもので物足りなさも残りますが、設定や演出に工夫を凝らしているので凡百の作品とは一味違った仕上がりになっていますね。
 冒頭の少ないページ数でキッチリと登場人物のキャラ描写が出来ていますし、設定の提示も上手くストーリーの中に溶け込ませて、“説明っぽくない説明”になっていて良い感じです。わざとキャラに勘違いさせて本来なら無理のあるストーリーの無理を無くすという技巧も見逃せない点ですね。
 また、運動音痴の少年に運動神経抜群の天使を単純に乗り移らせるだけでなく、ちゃんと気持ちの入った努力をさせているのも、読み手の好感度を高める働きをしていると思います。ただ、非常に惜しいのは天使・ラシャに体を乗っ取られた少年・獅子雄の心的描写が物足りなかった事でしょうか。必死に喰らいつくラシャ(に乗っ取られた自分)の姿を見て、ただアドバイスを送るだけではなく、「自分が打ちたい!」と思わせるような心の葛藤を描いておけば、もっと良くなったのではないかと思うのですが……。
 それでも、全体的な完成度はかなりのものです。これでもう少しオリジナリティのある骨太なシナリオであれば、なお良かったのですが……。
 
 
 今回の評価
 非常に悩ましいんですが、A−寄りB+にしておきます。これでどこかワンポイントでもあと一押しあれば、自信を持ってA級評価が出来たのですが、手垢のついたシナリオで基礎点が低いところに若干の減点材料があるため、こういう結果になりました。

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントのテーマは、「幼かった頃の自分に言ってやりたいセリフは?」。
 ……何だかコメントし辛い回答ばかりですねぇ(苦笑)。しかし橋口たかしさん「漫画家になるんだったら、海賊モノのファンタジーを描け」というのは、いかにもこの人らしいと言うか(笑)。でも、「そもそもお前にあの『ONE PIECE』が描けるのかよ?」…という全国からのツッコミが聞こえて来そうで……いや、駒木は言ってませんよ?
 ちなみに、駒木が子供時代の自分にかけてやりたい言葉は「泣くな!」でしょうか(笑)。7〜8歳までは少しイジめられてはすぐに泣く弱虫なガキでしたので、性根を叩き直してやりたい所存です。

 連載作品で気になった作品と言えば、やはり『モンキーターン』でしょう。“正々堂々と二股をかける主人公”という新機軸、果たしてどういう結末が待っているのか目が離せませんなぁ(笑)。
 まぁ波多野については以前から「好きな女の子が2人いるんですけど」…なんて能天気な発言をしてましたから、今回の行動も決して唐突な印象は無いわけですが、このシチュエーションは色々な意味で危険すぎるだろうと(笑)。
 まぁ、2人が逃した新幹線は博多・東京行きの最終ってわけじゃないので、次回冒頭シーンは手堅く新幹線の中で葛藤する波多野だったりするんでしょうけどね。でもその新幹線、翌朝の新幹線だったりして(笑)。

 ……というわけで、今週はここまで。漸く精神的負担も軽くなりそうなので、来週からは積極的な講義実施が出来そうですのでお楽しみに。
 あ、明日は競馬学特論がありますので、そちらもどうか何卒。

 


 

2004年度第23回講義
6月18日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(6月第2週・合同)

 今週は、この期に及んで『MAJOR』アニメ化…という微妙な情報がネット界隈を駆け抜けたかと思えば、椎名高志さん『絶対可憐チルドレン』短期集中連載が決定…というこれまた微妙な情報が作者ご本人からリークされたりと、何かと微妙な1週間となっていますね。
 それにしても『絶対可憐チルドレン』、あの読み切り版の高いクオリティをもってしても昨年末からの連載枠獲得争いでは不遇も不遇、更には再三のダメ出しの末に(ページ数だけは破格なものの)短期集中連載止まり…という、全くもって不憫この上ない扱われように、駒木は胸の詰まる思いであります。
 この際、椎名さんには是非とも全身全霊を捧げて傑作を描いて頂いて、現在の怪奇千万な「サンデー」の編集体制に一撃喰らわせてやってもらいたいもの
です。

 それともう1件、当講座とも縁の深い(?)夏目義徳さんが、6/28発売の「増刊モーニング」に原作付の作品を発表するそうです。昨秋「サンデー」に発表した『オロチ』以来の復帰作という事になりますね。
 「モーニング」は講談社の一般向雑誌ですが、これは移籍云々という事ではなく、専属契約の無いフリーな立場を活用した活動の一環だと思われます。作家を新人の内から囲い込んでしまう「週刊少年ジャンプ」とは違って、大抵の雑誌や出版社は掛け持ち可能なんですよね。まぁ逆に言えば、先週の鈴木央さんみたいな「ジャンプ」から「サンデー」への進出は正真正銘の“移籍”で、これはかなり珍しいパターンになるわけですが。

 ……と、期せずして前フリのはずが情報系の話題コーナー出張版になってしまいました(笑)。まぁ雑誌の公式アナウンスじゃない情報ですし、たまにはこんなのも良いんじゃないか、という事で何卒。


 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報
 

 ★新連載&読み切りに関する情報
 ◎「週刊少年サンデー」次号(30号)には、読み切り『ベースボールエンジェル』作画:清水洋三)が掲載されます。
 清水さんは、96年頃から増刊や週刊本誌で『ワンダー・スクール・ボーイ』、『ナイトラヴァーズ』(作:文月剣太郎)、『蒼空のグリフォン』…といった作品を連載している中堅作家さん。今回は『ナイトラヴァーズ』以来、約3年ぶりの週刊本誌登場となります。今回は清水さんにとって新境地となる野球マンガにチャレンジするようですね。

 ★新人賞の結果に関する情報

第13回ジャンプ十二傑新人漫画賞(04年4月期)

 入選=該当作無し
 準入選=該当作無し
 佳作=該当作無し
 十二傑賞=1編
(本誌か増刊に掲載決定)
  ・『師匠とぼく』
   川口幸範(25歳・長崎)
 《小畑健氏講評:独特な設定のディティール、妙な味のあるキャラクターと、面白い世界が構築出来ている》
 《編集部講評:画力、デザイン力には目を見張るものがある。独特の世界観があるのも良い。が、物語の展開がまるで分からない。もっと読者の側に立ったストーリー作りを)
 最終候補(選外佳作)=7編

  ・『暴走英雄伝セツナ』
   瀬島基弘(23歳・東京)
  ・『ONIKAGRA』
   白壱エルビ(19歳・神奈川)
  ・『インスタントスレンダー亮平』
   KAITO(19歳・神奈川)
  ・『ラッシュ』
   山根章裕(24歳・東京)
  ・『DEVIL BLADE』
   野田宏(22歳・福岡)
  ・『SHADOW』
   広瀬かつき(26歳・埼玉)
  ・『市立明南高校ラグビー部キャプテン遠山桜太の夏の終わり』
   傘野大介(22歳・福岡)

 受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい)
 ◎十二傑賞の川口幸範さん…01年11月期「天下一」で編集部特別賞、02年3月期「天下一」で審査員(武井宏之)特別賞、02年12月期「天下一」で審査員(秋元治)特別賞をそれぞれ受賞。また、03年11月期「十二傑」にも投稿歴あり
 ◎最終候補の白壱エルビさん…02年5月期「天下一」で審査員
(樋口大輔)特別賞を受賞
 ◎最終候補の山根章裕さん…02年4月期「天下一」でも最終候補

 ……今月の十二傑賞は、“新人予備軍”暮らし苦節2年半、特別賞3回受賞の苦労人・川口幸範さんに。講評を見る限りではストーリー面を中心に課題も残されていそうですが、頑張って来た甲斐があったというものですよね。
 その他にも今月は「天下一漫画賞」時代からの投稿歴を持つ人が複数見受けられました。「ジャンプ」“新人予備軍”の層って本当に分厚いですねぇ……。

 ──あ、そうそう、実は『ストーリーキング』04年上期の審査結果が既に25号で発表されていたのですが、紹介するのをウッカリ忘れておりました。準キング以上の受賞作が無かった事もあって注目度も低かったのですが、怠慢と言われても仕方ないですね。申し訳ありません。
 ちょっと今週は時間の都合で無理なのですが、次週のゼミで紹介したいと思います。

 ※今週のレビュー&チェックポイント
 ●今週のレビュー対象作…3本
 「ジャンプ」:新連載第3回後追い1本/代原読み切り1本
 「サンデー」:読み切り1本

 ※7段階評価の一覧表はこちらから。

「週刊少年ジャンプ」2004年29号☆

 ◎新連載第3回『D.Gray-man』作画:星野桂【第1回時点での評価:B+寄りB

 ●についての所見(第1回からの推移)
 基本的には現連載陣に混じっても標準レヴェル以上…という事を前提にしておいての話ですが、どうも第2回あたりから微妙に作画のクオリティが落ちて来ている…いや、一部未熟な面が表面化しているような気がします。
 特に違和感を感じたのは遠見のアングルから描かれた人物と、千年伯爵やAKUMAなどの“異形のモノ”系の作画。特に主人公の対AKUMA兵器などは質感が全く感じられず、まるで別の素人さんが描いてしまったかのようです。
 この辺の苦手分野の克服が、これから星野さんがホンモノの一流作家になれるかどうかの分水嶺と言っても過言では無いと思います。いつになるか判りませんが、この連載を全うするまでには、今回指摘させて頂いた苦手分野が解消されている事を望みます。 

 ストーリー&設定についての所見(第1回からの推移)
 第1回時点では設定過多と、それに伴うストーリーの消化不良を指摘しましたが、残念ながら第3回時点ではその問題点が更に顕在化してしまっているようです。

 まずは設定。主人公をはじめとするキャラクターや、AKUMAと千年伯爵などのメインアイディアについて、読み手の興味を引く努力が完全に不足しているのではないでしょうか。ただ小難しい設定を羅列しただけ…といった感じで、肝心の“人間”が描かれていないように思えます。語弊覚悟で喩えるなら、キャラに魅力の無い『ツバサ』と言いますか……。

 そのため、ストーリーにも魅力が出て来ないんですね。今週号では主人公の過去編が出て来たわけですが、主人公がどういう人物かが描かれていないのに、過去を描かれても共感のしようがありません。先にキャラを立て、感情移入させてからなら高い演出効果が得られたと思われるだけに残念です。
 しかもこの過去編、肝心の「どうして主人公は生まれながらに対AKUMA兵器を持っているのか?」…という謎は放ったらかしで、「AKUMAの魂が見える」という、実はそれほど重要でない設定の理由を描いたもので、演出上、非常にバランスが悪くなってしまっています。
 また、「ジャンプ」では連載継続の分岐点となる第3話のシナリオが、結局は第1話のほぼ焼き直しといった内容というのも如何なものかと。主人公のキャラが固まってない状況で新展開されても…というのも確かなのですが、せめてもう少し工夫が欲しかったところですね。

 ……と、かなりメチャクチャに言ってしまいましたが、それでも作品を盛り上げようという作者サイドからの意図は感じられますし、その意図を実現させようと色々な演出も為されてはいます。ですから、この作品も一度ツボにハマれば大化けする余地もあると思うのですが、現状ではその“ツボ”を作れていないようにも思えるのです。

 現時点での評価
 ここまで設定・ストーリーが空回りしてしまっては、残念ながら大幅な評価ダウンは避けられないところでしょう。
 第3回時点の評価はB−。絵の見栄えの良さがアンケートに繋がれば話は別ですが、今のところでは、他の新連載作品もろとも1クール突き抜けの公算がかなり大きそうな気がします。
 

 ◎代原読み切り『オレがゴリラでゴリラがオレで』作画:ゴーギャン

 ●作者略歴
 「ゴーギャン」は本名不詳のコンビによる合作ペンネームで、00年上期「赤塚賞」で佳作を受賞した時の年齢は23歳と27歳。単純に4年を足すと、現在は27歳と31歳ということになる。
 「ジャンプ」での活動は全て代原読み切りで、これまで00年28号(「赤塚賞」の受賞作掲載)、00年44号、03年18号の3回、作品を発表している。
 今回は約1年ぶりの“復帰”となるが、作品そのものは以前に描かれて編集部預かりになっていたモノとのこと(巻末の作者コメントより)

 についての所見
 パッと見には小奇麗な人物作画が出来ているのですが、マンガを成立させるための表現技法が稚拙で、ゴチャついた一枚絵の羅列にしかなっていないのが残念です。せめて動的表現やディフォルメなど、ドタバタ系のギャグマンガの生命線となるテクニックを最低水準に持って来ないと辛いでしょう。
 ただ、絵柄そのものは「ジャンプ」では他に見ないタイプですし、可愛い女の子キャラが描けるというのは大きな武器だと思います。現状では“宝の持ち腐れ”な状態ですが、この辺の長所を活かす事の出来るところまで技術の方がレヴェルアップ出来れば面白いですね。


 ギャグについての所見
 ハッキリ言って厳しいです。
 ボケもツッコミも上滑りに次ぐ上滑り。「どうすれば人間は笑うのか」というメカニズムを全く習得出来ていないのでしょう、全編通じてキャラクターたちがアテも無くただドタバタしているだけで終わってしまっています。
 一応はメリハリを付けようとして、“前フリ→大ゴマでオチ”という展開に持っていってはいるのですが、全く意外性が無くオチていない“ギャグとは言えない何か”を「これがギャグです! オチです!」とアピールしているだけに終わっていて、正直見てて辛いですね。

 とにかく、今作のギャグにおける問題点を挙げてくれと言われたら、「全部」としか答えようが無いです。この作品がいつ脱稿したものか分かりませんが、現時点ではこの問題点がいくらかでも解消している事を祈るばかりです。

 今回の評価
 何とかギャグマンガとしての体裁だけは整っていますので、C寄りB−としておきます。とにかく自分の“笑わせパターン”を確立しないと、正式デビューも覚束ないでしょう。

 

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 

 今週は掲載順半ば、『アイシールド21』、1つ飛ばして、『BLEACH』『武装錬金』と、期せずして実力派作家さんによる涙腺刺激テクニック競演となりました。しかもそれぞれがプロの仕事がキチンと出来ていて「さすが」の一言なのですが、やはりこういうのって作風というか性格が出ていて面白いですよね(笑)。
 正攻法も正攻法、良い意味でも悪い意味でもあざとく読み手の涙腺を刺激させに行ったのが『BLEACH』で、正攻法を敢えて避けて婉曲的に攻めたのが『武装錬金』、そして表現が難しいのですが“裏口”から地味〜に迫ったのが『アイシールド21』といったところでしょうか。
 で、この場合、商業的成功に繋がるのはやっぱり『BLEACH』で、この作風の差は3作品の単行本売上げにも如実に反映されているかと思われます。レビュアー視点からすれば一筆啓上差し上げたい所もあるのですが、一読者の立場からすれば、ストレートに感情を揺さぶってくれる方が読んでて心地良いですよね、確かに。
 
 で、今週は先程1つ飛ばした『BLACK CAT』がついに最終回。センターカラーということで、これは円満完結という解釈で良いんでしょうね。
 さて、この作品を端的に総括するとすれば、「カーボンコピーを繋ぎ合わせたオブジェのような“オリジナル”作品」といった所でしょうか。
 もう言い尽くされているように、この作品は多くの既存作品からアイディアを違法スレスレで拝借しています。それも、そのアイディアの本質を見極める事が出来ずに見様見真似止まりに終わっていたと言って良いでしょう。ただ、その見真似が異様に上手かったのは認めなければなりません。それが他はともかく見栄えだけは秀逸な作品となり、ソコソコの商業的成功を収めた要因になったのだと思われます。
 しかし、やはりと言うか既存作品からのカーボンコピーに頼り過ぎた弊害もあちこちに見受けられました。他作品からのアイディア拝借だけでは乗り切れない場面では途端にストーリーテリング能力の不足を露呈し、更には連載当初の設定──しかも作品の根幹を成す重要な──が、いつの間にか破棄&変更されるボーンヘッドも。全体的に見れば、とても4年間もの長期連載を全う出来た作品とは思えないクオリティだったと言わざるを得ないでしょう。
 この作品の最終評価はB−寄りB。ファンの方には申し訳ありませんが、有り体に言って、名作崩れの人気作ならぬ駄作崩れの人気作といったところでしょうか。

「週刊少年サンデー」2004年29号☆

 ◎読み切り『タマ!!!! 〜真夏のグランドスラム〜』作画:小山愛子

 ●作者略歴
 資料不足のため、生年月日・年齢は不明。
 西条真二さんのスタジオでアシスタント修行の後、01年に「サンデー超増刊」でデビュー。その後も意欲的に新作を執筆し続け、増刊を主戦場にして断続的に読み切りを発表する一方で、02年33号で週刊本誌進出03年夏からは増刊での短期連載も果たす。
 今回は丸2年ぶりの本誌での作品発表となる。

 についての所見
 デビュー以来、密度の濃い活動をしている若手作家さんだけあって、マンガの記号としての絵を描く技術は一応及第点に達していると思います。動きの激しいテニスシーンもソツなく描けていましたね。
 ただ、人物作画の造型には粗さが感じられる他、表情がセリフや動きと合っていない場面も見受けられるなど、未だ垢抜けない要素も見受けられます本誌で連載を勝ち取るにはもう一押し欲しいかな…といったところですね。
 
 ストーリー&設定についての所見
 荒唐無稽な設定・ストーリーを、ハッタリと付け焼刃の専門知識、そして説明的なセリフでもって押し切ろうとする…という、いかにも西条真二門下っぽい作品ですね。
 ただ、このパターンで当の西条さんが短期打ち切りの山を築いているように、正直言って、これはあまり賢いやり方ではありません。設定にリアリティや説得力を持たせる努力をせず、ハッタリやセリフだけで既成事実にしたところで読み手を納得させる事なんて出来るはずがないわけですからね。
 まぁごく稀に荒唐無稽さとハッタリのキレの良さが化学反応を起こして、いわゆる“バカ映画”的なカルト人気を得る事もあるでしょうが(例えば『鉄鍋のジャン!』)、それもあくまで“人気作”であって、作品そのもののクオリティが高いという事にはならないでしょう。

 ……しかし04年15号に載った『HOOK!』(作画:鹿養信太郎)もそうでしたが、最近の「サンデー」の編集サイドは、1つのスポーツと、そのスポーツとは全く関係ない別の事柄を強引に結び付ける作品を好む傾向があるようですね。
 まぁ確かに奇抜でオリジナリティのある設定になるかも知れませんが、それにしても“詐欺師の能力=魚釣りの能力”や、“虫取りの能力=テニスの能力”などといった設定でヒット作が出せると本気で思っているのかどうか、この作品の本誌掲載にゴーサインを出した三上編集長並びに担当編集者氏にお訊きしたい気持ちで胸が一杯であります(笑)。
 
 今回の評価
 ストーリーと設定が崩壊している以上、評価も落第点を付けざるを得ません。B−が妥当ですかね。

◆「サンデー」今週のチェックポイント◆

 巻末コメントのテーマは、「ビックリした時、つい出てしまう言葉」。
 誰だ、このテーマを採用したのは(笑)。こんなもん、「うわぁ」とか「わっ」としか答えようがないでしょうが。ボケるにしても苦しいし……。で、実際、そんな感じになったみたいですね(苦笑)。

 連載作品については、どの作品もいつも通り良かったり悪かったり薄っぺらかったり最終回へ向かって突き進んだり…という感じで特にコメントしたい作品は少ないんですが、そんな中でも「やっぱり凄ぇなぁ」と思えてしまうのは『からくりサーカス』
 エンターテインメントのテクニックとして、平穏な日常を殊更強調しておいて、そこから一気にドン底へ叩き落す……といったモノがあるのですが、今回の展開はまさにそれ。しかも、さんざん感情移入させておいたキャラたちをゾナハ病に罹患させるという鬼の所業。いや〜、素晴らしいんだか恐ろしいんだか。ヌルい作品も多い中で、こういう作品も当たり前の顔して長期連載出来てる「サンデー」という雑誌は、何と言いますか妙な懐の深さがありますよね。

 ……といったところで今週はこれまで。とりあえずあと1週間は現状のペースで我慢して下さい。ではでは。

 


 

2004年度第23回講義
6月11日(金) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評・分割版」(6月第2週・合同)

 どうも皆様、他人の名前を使って「週刊少年ジャンプ」の「もくじ川柳」に載るという地味で陰湿な嫌がらせを思いついてしまった、最近精神が荒む一方の駒木ハヤトです(笑)。
 今週も遅くなりましたが、何とかゼミを実施出来ました。何だかスランプ気味なんで、いつにも増して行き届かない内容になるかも知れませんが、どうかお察し下さい。


 「週刊少年ジャンプ」、「週刊少年サンデー」関連の公式アナウンス情報
 

 ★新連載&読み切りに関する情報
 ◎「週刊少年ジャンプ」次号(29号)より、『スティール・ボール・ラン』作画:荒木飛呂彦)が連載再開となります。今回もいきなり37ページ巻頭カラーという物凄いボリュームで、相変わらずのモチベーションの高さを感じさせてくれます。
 どうでもいい話ですが、最近の『HUNTER×HUNTER』なら何か月分に相当するんでしょうか、このページ数(笑)。

 ◎「週刊少年サンデー」次号(29号)には、読み切り『タマ!!!! 〜真夏のグランドスラム〜』作画:小山愛子)が掲載されます。
 小山さんは西条真二さんのアシスタント出身。西条さんが「サンデー」作家だった01年秋に増刊で「サンデー」デビューを果たし、それ以来、増刊での短期連載などを経験、週刊本誌でも02年33号に『ニポリの空』を発表しています。
 今回は随分と久々の本誌掲載という事になりますが、キャリアからすればそろそろ週刊連載が欲しいところ。このチャンスを活かせれば良いのですが……。

 ★新人賞の結果に関する情報

第67回手塚賞&第60回赤塚賞(04年上期)

 ☆手塚賞☆
 入選=該当作なし
 準入選=2編
  ・『華火輪凛』
   高原佑典(21歳・東京)
  ・『未来は俺等の手の中』
   服部昇大(21歳・大阪)
 佳作=2編
 
 ・『マタゴ』
   山田大樹(20歳・埼玉)
  ・『XXX WITH NO NAME』
   田畠裕基(19歳・福岡)
 最終候補=5編
  ・『究極変化ドッジボーイズ』
   高山憲弼(23歳・大阪)
  ・『豚勇記』
   前田竜幸(23歳・福岡)
  ・『ラフ・メイカー』
   一ノ瀬十良(23歳・新潟)
  ・『ザンシン ─残心─』
   オゼキダイスケ(24歳・東京)
  ・『みんなのヒーロー カラフルメン』
   高橋翁(24歳・埼玉)

 ☆赤塚賞☆
 入選=該当作なし
 準入選=1編
  ・『KESHIPIN弾』
   吉原薫比古(19歳・神奈川)
 佳作=1編

  ・『バッタがくたばった』
   小川友里(18歳・神奈川)
 最終候補=5編
  ・『KON☆SOME!』
   野中陽介(22歳・東京)
  ・『告白日和』
   てらだゆうじ(18歳・埼玉)
  ・『クレイジー忍者 ニャン丸〜ONLINE〜』
   ピン坊(23歳・北海道)
  ・『エレクトニックゴチカ』
   カノ(26歳・埼玉)
  ・『こんばんわ赤ちゃん』
   大石花丈(23歳・広島)

少年サンデーまんがカレッジ
(04年3・4月期)

 入選=1編
  ・『しざんさす』
(=増刊秋号に掲載決定)
   関戸雄太(22歳・東京)
 《講評:熱いパワーがビンビン伝わって来る作品。絵の力強さ、テーマの明確さ、魅力的なキャラと素晴らしい点が多く、編集部でも絶賛の嵐だった》  
 佳作=3編
  ・『大江戸快足飛脚便』
   あづち涼(26歳・東京) 
  ・『コカトリス』
   池田由里(19歳・東京)
  ・『サムライウィンド』
   村上恵一(20歳・長野)
 努力賞=3編
  ・『かっきーん! ほうそうぶ』
   柴田朋見(21歳・福岡) 
  ・『だちんなれ』
   ぼたん(22歳・三重)
  ・『シングルアクション』
   弓場一帆(21歳・奈良)
 あと一歩で賞(選外)=該当作なし

  受賞者の過去のキャリアについては以下の通りになります(もしチェック漏れがありましたら、BBSでご指摘下さい)

 ※手塚賞
 ◎佳作の山田大樹さん…01年下期「手塚賞」で最終候補。
 ◎佳作の田畠裕基さん…01年8月期「天下一漫画賞」で編集部特別賞、03年6月期「十二傑新人漫画賞」で最終候補
 ◎最終候補の高山憲弼さん…03年2月期「天下一」で編集部特別賞、03年8月期「十二傑」で最終候補
 ※赤塚賞
 ◎最終候補の大石花丈さん…00年8月期「天下一」で最終候補
 ※サンデーまんがカレッジ
 ◎佳作のあづち涼さん…01年11月期、03年9・10月期「まんカレ」で、あと一歩で賞。過去に18禁ゲームの原画家としての活動経験も。

 

 ※今週のレビュー&チェックポイント
 ●今週のレビュー対象作…3本
 「ジャンプ」:新連載1本/新連載第3回後追い1本
 「サンデー」:読み切り1本

 ※7段階評価の一覧表はこちらから。

☆「週刊少年ジャンプ」2004年28号☆

 ◎新連載『地上最速青春卓球少年 ぷーやん』作画:霧木凡ケン

 ●作者略歴
 1976年3月8日生まれの現在28歳
 91年8月期「ホップ☆ステップ賞」で入選を受賞翌92年冬(新年)号の増刊号にて、弱冠15歳でデビュー。また、92年上期「赤塚賞」で準入選を受賞
 その後は増刊では92年夏、99年夏、02年冬(新年)、03年春の各号に、週刊本誌では00年16号、01年27号、03年52号にそれぞれ読み切りを発表。
 今回は「赤マル」03年春号、および週刊本誌03年52号に掲載された読み切りの連載化。「ジャンプ」系作家でデビュー以来13年を経ての連載獲得は、確認出来る限りでは文句無しの最長記録。

 についての所見
 12年以上のキャリアがあるだけあって、作画にはかなり手慣れた印象があります。カラー着色や背景処理、“数秘術”のビジュアル演出などにはプロとしての技術を感じさせてくれました。
 ただ、そんなセールスポイントを帳消しにして更にマイナスにまで落とし込んでしまったのが人物作画の拙さです。単なる一枚絵としての人物デザインは別にしても、キャラの表情やポーズが硬いためにセリフや動きと顔が合っていませんし、動的表現も全然出来ていません。肝心の卓球シーンに全く迫力が感じられず、こう言っては何ですが、物凄くマヌケな印象を受けました。
 あとはディフォルメも上手くないですね。そのせいで、余計にキャラの表情が硬いような印象を受けてしまいます。

 ──結局のところ、いわゆるアシスタント的な技術は身に付いているのに、マンガ家としての技術はサッパリという有様。ちょっとこれは辛いですねぇ……。

 ストーリー&設定についての所見
 こちらはプロトタイプ版読み切りから設定・ストーリーを若干変更させて来ましたね。それはそれで良いのですが、新キャラ追加やお色気の強化といった付け焼刃的なモノに終始していては、その効果も限定的と言わざるを得ません。
 何よりもマズいのは、コンセプトが中途半端極まりないと言う事。リアル路線にしては設定がトンデモ過ぎますし、かと言ってトンデモ系の割にはあたかもリアル路線であるような演出が施されている場面もあったりし、一体この作品をどう解釈すれば良いのか図りかねてしまいます。
 また、メインアイディアであるはずの“数秘術”も、シナリオの中で活きているどころか“大いなる蛇足”という状態。作品のクオリティを上げる方向には全く働いていません。しかも、その存在意義の薄い設定をこねくり回したせいで登場人物のキャラクターを掘り下げる余裕が無くなってしまい、主人公以下主要キャラの人間描写がどうしようもなく不完全になってしまいました。

 作品のクオリティを上げようとして設定をこねくり回したは良いものの、気がついたら逆にクオリティを下げてしまっていた…というのは、プロの作家さんでもスランプに陥るとままあるケースだそうですが、この作品の場合は新連載第1回でそれにハマってしまった感じですね。非常に不幸なケースと言えそうです。

 現時点での評価
 初見ではもう少し高い評価を想定していたんですが、ジックリと吟味してみると加点材料がほとんど無い事に気付いてしまいました(苦笑)。
 かなり際どい判断を迫られましたが、とりあえずはC寄りB−。当然ながら、この調子で3回目まで行ったら“死刑宣告”も考えなければならないでしょう。
 
 

 ◎新連載第3回『家庭教師ヒットマン REBORN!』作画:天野明

 についての所見(第1回からの推移)
 
相変わらず緻密さに欠けると言うか、雑な印象が否めない絵柄ですね。まだ手を入れる余地があるのに、「まぁマンガになってるし、これでいいや」と描き込むのを止めてしまっているような“手抜き感”が漂っていて、印象があまり良くないです。
 今週号の「ジャンプ」があれば、先頭からパラパラとめくってみて下さい。すぐ前に載っている『ボーボボ』と同化して見える一方で、更にその前後に載っている他の作品群から浮いて見えちゃってます(苦笑)。それくらい絵柄が泥臭いわけですね。

 ストーリー&設定についての所見(第1回からの推移)
 まず、第1回の時に指摘した、“お助け能力”のバリエーションの無さは第2回の“ジャンプ弾”で一応解決されています。これで銃以外の武器を登場させれば何とか読者を飽きさせないような工夫も出来そうですし、このファクターにおける減点材料は解消されたと判断して良さそうです。(もっとも、加点材料にするほど秀逸なアイディアが見られたわけではありませんが……)

 で、これでこの設定をストーリーに上手く絡められれば良かったのですが、何だか逆にストーリーの出来がどんどん悪くなって来ているようにしか……。
 単刀直入に言えば、非常に場当たりでその場凌ぎ的なエピソードばかりなんですよね。第2回で“死ぬ気弾”絡みで説教臭い話を見せたかと思えば、第3回は“死ぬ気弾”を濫用しておいて「お前の力で勝ったんだ」。これでは説得力皆無でしょう。メインストーリーをどの方向に持っていくか(マフィアのボスになるのかorヒロインとの恋愛成就を目指すのか)も曖昧ですし、残念ながら非常に感情移入のし辛いストーリーになってしまっていますね。

 何と言いますか、第1回とは別なパターンの“読み切りを連載化して失敗した作品の典型例”を見せられたような感じです。最近の「ジャンプ」新連載作品の不調を象徴するような見切り発車という感じです。 

 現時点での評価
 “弱含み”から“本当に弱い”作品になってしまった…ということで、B−に格下げします。余程の事が無いと、今後の見通しは極めて厳しいものになりそうです。

◆「ジャンプ」今週のチェックポイント◆ 

 今週は時間が無いのでサッパリ目に。それにしても、この期に及んでデッサン教室に通う村田雄介さんは色々な意味で凄いですな。いくら原作別とはいえ、どれだけ速筆なんだよ……。

 その村田さんの描くアイシールド21』は、人物を変えて“凡人、天才に挑む”王城ホワイトナイツの章。今回は勤勉な天才こと進に挑む桜庭のお話。けど桜庭だって女の子にモテるという面では明らかに天才なんですけどね。……やっぱり雪光を応援したくなるなあ先生は(笑)。
 それはさておき、昨今の少年マンガのセオリーとして、「主人公は最初からある程度ズバ抜けた才能が無いと人気が出ない」というのがありまして、実際にこの作品もそのセオリーに乗っかって小早川セナという主人公がいるわけですが、この“天才VS凡人”のエピソードは脇役を使って上手いことやってますよね。
 まぁ駒木も含めて読者の99.9%以上は凡人なわけで、そんな大多数の読者に共感と憧れを抱かせられるような“勤勉な凡人”というキャラを前面に押し出せているあたり、やはり稲垣さんのセンスの良さというのは素晴らしいモノがあると思うんですよ。
 当講座の談話室(BBS)でも賛否両論な『こち亀』ですが、駒木は内容云々は別にして「大阪の阪神競馬場」という部分に閉口でした(^^;;)。まぁ甲子園球場は大阪にあると思っている人が少なくないわけですから、それはそれでリアリティがあるとも言えるんですが、明らかな事実誤認をカマされてもなぁといった所ですね。(ちなみに阪神競馬場の所在地は兵庫県宝塚市。宝塚記念というレース名はダテじゃないのです)
 あ、ちなみに我が仁川経済大学の「仁川」も、阪神競馬場近くにある仁川(にがわ)であって、お隣の国の国際空港がある都市の事じゃありません。昔、韓国の大学のウェブサイトと間違われて思わず笑ってしまった事がありますが、中には同じ誤解をした挙句、差別用語入りで誹謗中傷する阿呆がいて、これは大概にして欲しいです。

 さて、今週は『少年守護神』(作画:東直輝)が打ち切り終了となりました。何と言うか、見事なまでに“突き抜け”らしい“突き抜け”を見たような感じですね。
 よっぽど早い段階で打ち切りが決まったんでしょうか、序盤で中途半端に広げた風呂敷を、それ