「社会学講座」アーカイブ(演習《現代マンガ時評》・1)
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講義一覧
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4/25 演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第4週分) |
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4月25日(木) 演習(ゼミ) |
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週に1度のゼミの時間です。 そう言えば、先々週辺りから終わる終わらないで混乱してしまってた『サクラテツ対話篇』ですが、案の定というか今週で打ち切り最終回となりました。藤崎竜さんは連載3作目にして2度目の打ち切り。残る1つが、あの『封神演義』でしたから、まだまだ週刊から追い出される事はないでしょうが、次回作で正念場になるような感じですね。 では、今週分の作品レビューに移ります。今週のレビュー対象作は4作品(「ジャンプ」2作品、「サンデー」1作品、“その他”1作品)です。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年21号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・倉田厚』(作:ほったゆみ、画:小畑健) 不定期シリーズ連載の第5弾です。ちなみに次号で藤原佐為編が掲載されます。まだ和谷とか、葉瀬中編のキャラクターが結構残ってますので、まだしばらくこのシリーズは続きそうですね。(とか書いてると、佐為と和谷で終わり、とか発表されそうで怖いんですが) で、今回はプロ編、そして来るべき第2部のキーパーソンとなりそうな、巨漢強豪若手プロ棋士・倉田にスポットを当てた番外編です。 しかし、今回はもはや囲碁マンガじゃなくて競馬マンガになってしまってますねぇ。囲碁の対局シーンが出てくるのは最後の方の数コマだけ。まぁそれでも、主人公のヒカルを絡めながら、ちゃんとプロ棋士・倉田のルーツを探るという筋立てになってますので、違和感はほとんど無いんですが。このあたりはいつもながら感心させられます。 それにしても、このシリーズが始まるまで全く意識してなかったんですが、原作者のほったゆみさんって、かなりギャンブル系の話が相当好きみたいですね。少年マンガとしては、もはや異質と言っていいくらいです。ひょっとしたら、『ヒカ碁』が大団円を迎えた後は青年誌でギャンブルマンガでも始めるかもしれませんね。 ただ、競馬学の講師として言わせて頂くと、ディティールにおいて若干のミスが見受けられますので、指摘させて頂きます。 しかしそんな細かいミスをあげつらうよりも、作品全体の完成度を素直に評価するべきでしょうね。競馬のレース描写なんかも、「週刊少年マガジン」系の競馬マンガより余程リアルだったりしますし(笑)。
◎読み切り『HAT HAT HAT』(作画:吉津遼) 『HUNTER×HUNTER』の代原です。今週は休載理由が、いつもの「作者都合のため」ではなくて「急病のため」とあるので、かなり切羽詰った事情がありそうです。 それはさておき、この作品の作者・吉津遼さんは、第61回(2001年上半期)の「手塚賞」佳作と第58回(01年5月期)「天下一漫画賞」佳作の受賞者という、駆け出しの新人さん。「天下一──」の受賞作が増刊「赤マルジャンプ」に掲載されて以来の作品掲載という事になるのだと思います。 それでは、この作品は詳細にレビューを。 次にストーリーなんですが、う〜ん…………。 評価はB−。有り体に言えば、こういう作品を“独り善がり”と言うのでしょうね。悪くない素質を持っているだけに残念でした。今後はもう少し、読者に向けたサービス精神を持つように心がけてもらいたいものです。自分が「面白い」と思える作品を描く事も大事ですが、それが“自分だけ「面白い」”作品になってしまっては、雑誌に載せてお金を貰う意味は有りません。
☆「週刊少年サンデー」2002年21、22合併号☆ ◎新連載『一番湯のカナタ』(作画:椎名高志) 『GS美神極楽大作戦!!』で大ヒットを飛ばし、その前後に発表された作品でも好評価を得ている椎名高志さんの連載復帰作になります。 ストーリーの大筋は、「サンデー」本誌の表紙に載っていたキャッチコピーが的確なので、そのまま引用させて頂きます。 絵に関しては、当然ながら特に指摘する点も無いのですが、よくよく考えてみれば、椎名さんはこれだけたくさんの作品を描いている割には、キャラの描き分けがしっかり出来ているんですよね。マンガ家さんによっては、どの作品でも同じような顔が出てくる事があったりするのですが、椎名作品でキャラ顔のダブりというのは意外と少ないんじゃないでしょうか。 そしてストーリーですが、これが完成度が高くて驚きます。いや、本当は驚いてはいけないんでしょうけど。 評価はとりあえずA−。今後、新キャラが登場して話が更に盛り上がっていくならば、当然評価が上がる余地は十分にあります。読むのが楽しみな作品がまた1つ増えました。
《その他、今週の注目作》 ◎新連載『医龍-Team Medical Dradon-』(ビッグコミック・スぺリオール2002年10号掲載/作画:乃木坂太郎) 今回は「ビッグコミック・スペリオール」から注目作を紹介させていただきます。 まず作者紹介。乃木坂太郎さんは、1999年に「少年サンデー」の月刊増刊でデビュー、その後、2000年11〜12月に「週刊少年サンデー」で『キリンジ』という作品を短期集中連載していますが、人気が出ずに長期連載には至らず。その後は主だった活動は伝わって来ませんでしたので、恐らく今作が1年5ヶ月ぶりの復帰、及び青年誌への移籍第1作になるのだと思われます。 この作品は、一言で言えば医療モノ。それも「腐った大学病院医療に一石を投じる」というスタンスの作品です。 とりあえずの評価はA寄りのA−。是非、ご一読を。
……以上が今週分のレビューでした。それでは、また来週。 |
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4月18日(木) 演習(ゼミ) |
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えーと、現代社会学特論で大きなミスがあったのはお伝えした通りなんですが、こちらでもミスをやっちゃいましたね。 さて、今週は「少年ジャンプ」の月例賞・「天下一漫画賞」の審査結果発表から。
最終候補の『冥』を描いた森田将文さんは、「天下一漫画賞」の募集ページで“公開稽古”をつけてもらっていた人ですね。01年12月期に引き続いての最終候補。評価が上がっていないのは残念ですが、2ヶ月で1本完成原稿を仕上げて来る(しかも担当編集のダメ出しを経て)というのは意欲的ですね。22歳という年齢は、マンガ家志望者にとっては若くない年齢ですが、頑張ってもらいたいものです。 それでは、定例のレビューを。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年20号☆ ◎読み切り『ラーマゲドン 拉麺最終戦争』(作画:脊川つい) 今週の「ジャンプ」からは1作品。『HUNTER×HUNTER』の代原作品です。 どうやらこの作品、02年1月期「天下一漫画賞」の最終候補(選外佳作)作品・『グルマゲドン 美食最終戦争』を改題したか、若しくは加筆修正したかという作品だと思われます。というわけで、作者の脊川ついさんは新人さん。年齢は24歳とのことです。 というわけでレビューなのですが、この作品も作者の脊川さんも、まだ“仮免”教習中の段階ですので、ちょっとトーンを抑え気味にいきたいと思います。 まず絵なのですが、上手・下手以前にサインペンかロットリングのような物で描いている事が気になりますね。 続いて内容ですが、一応これはナンセンスギャグというカテゴリに入れれば良いんでしょうね。まだ“バカになりきれていない”という感がありますし、話の辻褄が合わない部分が1〜2あったりもしますが、散発的にギャグの才能の片鱗らしきモノも見られますので、これは今後の修行次第というところなのでしょう。 評価はB−。新人の習作原稿とすれば、まぁこんなものなのでしょう。 ☆「週刊少年サンデー」2002年20号☆ ◎新連載『史上最強の弟子ケンイチ』(作画:松江名俊) 駒木自身は、この講義が始まる前の話ですので記憶が薄いんですが、「月刊少年サンデー超スーパー」の人気作で、本誌でも1度掲載された読み切りが好評だった『戦え! 梁山泊 史上最強の弟子』という作品のリメイク作という事になります。 それでは例によって絵とストーリーの評価を。 次にストーリーなんですが、今回は主要キャラ2人の紹介をしただけで、ストーリー的には全く進展がありませんので、今回の評価は保留という事に。それでも、なかなか無駄のないストーリーテリングを見せてくれましたので、あと2週間ジックリと読ませてもらいましょう。 評価は保留としたいんですが、一応Bとしておきましょう。 ◎読み切り『爆裂アナ 黒木一鉄』(作画:藤井敦) 今週のサンデーにはギャグ読み切りが一本掲載されました。作者の藤井敦さんは、昨年秋に月刊の方でデビューを果たした新人さんです。 絵に関しては上手いわけではないですが、見づらいわけではないので、まぁ許容範囲といったところでしょう。 評価はB−寄りのB。この作品も、次回作を読んでみたい、という感じでしょうか。 ◎読み切り(?)『育ってダーリン!!(完結編)』(作画:久米田康治) かつて、作者の久米田さんが新境地を開拓しようとしたものの、見事に行き詰まった挙句に“大人の事情”で打ち切りを余儀なくされたラブコメ作品の完結編にあたる前後編の読み切りです。 まぁ、何と言うか、一言で表現すると「無難にまとめたな」という感じでしょうか。作品に対する情熱を完全に失った中で、プロの作家さんが描くべきレヴェルを維持しているのはさすがというところです。 おっと、作品レビューというより、編集方針レビューという感じになってしまいましたね。久米田さんの気持ちも汲んで、評価は永久に保留ということにさせて頂きます。
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4月11日(木) 演習(ゼミ) |
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今週から心機一転、木曜にゼミを実施する事となりました。これからは木曜発売の雑誌に掲載された作品も、原則的に当日の内にゼミの題材として採用できるようになりました。 では、早速講義へ移ります。まず今週は、「少年サンデーまんがカレッジ」の審査結果発表が出ていますので、まずはそちらの紹介から。
……翌月にグレードの高い「新人コミック大賞」を控えていた上、1ヵ月分の応募分しか審査の対象になっていなかったため、ちょっと寂しい結果発表になってしまいましたね。 そう言えば、審査結果発表の隣のページに「橋口たかし先生も持ち込みからスタートしたんだ」と、まぁよくある“持ち込み歓迎”の告知が載ってましたね。同様のお知らせは他の雑誌でもよく見かけます。 でもよく考えたら、メジャー誌の場合は持ち込みで素晴らしい作品を投稿しても、必ず新人賞に回されて、そこで審査を仰ぐ事になるんですよね。だから、持ち込みがデビューへの近道になるというと、別にそんなわけではないんです。 ですので、マンガ家を目指して修行している人は、敢えて上京してまで持ち込むよりも、近くの知人の講評を仰ぎながら新人賞に応募し続けた方が良いんじゃないかなあと、そう思います。 と、余談が過ぎました。今日も講義の時間には限りが有るんですよ。サクサク行かないと。 ……さて、それでは今週の読み切りレビューです。今週は対象作品が少なくて、 レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年19号☆ ◎読み切り『メルとも! E─之介』(作:真倉翔/画:加藤春日) 唐突に、43ページという中編読み切りの登場です。 一方の、その加藤春日さんは、「ストーリーキング」出身で、これが本誌初登場となる新人作家さん。増刊号「赤マルジャンプ」で、真倉さん原作の『天然天国らんげるはうす島』が掲載されています。これから連載目指して頑張って行こうという時期になるんでしょうか。 では、例によって絵からレビューを始めましょう。 次に真倉さん担当のストーリー部分です。 評価はB。つまらないわけでは無いんですが、オススメというわけでも……
◎読み切り『ボウギャクビジン』(作画:郷田こうや) 2月第4週分でも、代原読み切り『偉大なる教師』が掲載されていた郷田こうやさんですが、またも『HUNTER×HUNTER』の代原作家として登場です。 今回の作品で失礼ながら意外だったのは、割と女性キャラも上手に描けるんだな、という事でした。まぁ細かい事を言えばキリが無いんですが、ギャグ作家さんで今回のレヴェルの絵が描ければ、まず問題は無いでしょう。 次に肝心のギャグの方ですが、これも段々と自分の作風を意識しながらも、新しい事をやっていこうという意気込みが窺えて、まずは好感です。 評価はB寄りのB−。進歩は見えて来てますので、後は自分なりの“必勝パターン”を見つける事でしょう。今は実力を蓄えて、1〜2年先の連載ゲットを目標に、とにかく作品を描き続けてもらいたいものです。
◎読み切り『しゅるるるシュールマン』(作画:クボヒデキ) 『ピューと吹く! ジャガー』が休載のため、なんと中1週という詰まったローテーションでクボヒデキさんが再登場となりました。(クボさんのプロフィールに関しては3月4週分のゼミを参照してください) しかし、2週間前にも指摘しましたが、どこがシュールなんでしょうか、この作品は……。 評価は当然ながらC。もういい加減、出来もしないシュールから足を洗って、別の分野を開拓した方がよろしいかと思いますが? ☆「週刊少年サンデー」2002年19号☆ ◎読み切り『キャットルーキーぶっとび番外編 しっぽの怪』(作画:丹羽啓介) サンデーの連続読み切りシリーズ最終週は、月刊誌の方で長期連載されている『キャットルーキー』の番外編が登場となりました。 さて、レビューの本題へ。 まず絵なんですが、まぁこれはいいでしょう。長期連載されてる作家さんの絵について云々というのはさすがに……というところです。ただ、どうもオカルト物には合わない画風かな、とだけは言わせてもらいますね。 そしてストーリーの方なんですが、主要キャラの過去の姿を野球と絡めて描く事で、まず番外編としての機能をフルに果たしている。これは良いと思います。 しかしまぁ、番外編としてはこの位のデキで上等なのかもしれません。本編を読んだ事の無い人が多い「週刊少年サンデー」でわざわざ掲載する事自体に疑問を抱いてはしまいますが……。
あ、今週から前・後編で掲載される『育ってダーリン!!』(作画:久米田康治)は、来週に2話まとめてレビューします。 |
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4月3日(水) 演習(ゼミ) |
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ここ1〜2ヶ月の新連載・読み切りラッシュも一段落ついて、今日のレビュー対象作品は2作品だけ、という事になります。 それでは、まず「ジャンプ」「サンデー」の新規作品レビューなんですが、今週は「週刊少年ジャンプ」に新連載・読み切り作品が掲載されませんでしたので、こちらはお休み。「週刊少年サンデー」のレビューからスタートという事になります。 ☆「週刊少年サンデー」2002年18号☆ ◎読み切り『ブカツ』(作画:夏目義徳) この作品は、「週刊少年サンデー」11号まで『トガリ』を連載していた夏目義徳さんの復帰第一作ということになります。中2ヶ月という、かなり短い間隔での復帰ですね。 ではレビューなんですが、まぁ元・連載作家さんに向かって絵を云々というのは余計なお世話でしょうね。年単位で週刊連載していた人にしては絵柄の線がスッキリしてないかな、とは思いますが、もうこれは作風という事なのでしょう。 じゃあストーリーの方はというと、大した有力校でもないごく普通の高校バスケ部の、ちょっと日常からはみ出たエピソード、というところでしょうか。この基本的な設定に関しては、作者の夏目さんが強く希望したものらしく、欄外の「夏目義徳先生より」というメッセージ欄に以下のコメントが掲載されていました。
このコメントの通り、“(校舎の)外周走り”という練習内容とか、“ロイター板使って擬似ダンクシュート”とか、練習の最後の集団コートランニングとか、妙に細かいミニバスケ用リングの描写とか、バスケ部経験者じゃなかったら描けないシーンが複数あって、作者・夏目さんの意欲を感じさせる作品ですね。 評価はB。決して悪い作品じゃありません。作者の夏目さんも、十分これからもメジャー誌でやっていける力量は持っていると言って良いと思います。ですが、やっぱりもう少し起伏に富んだ作品が読みたいですね。
《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ18号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『熱血!! 男盛り』/作画:南寛樹) さて。ついに、と言いますか、とうとう、と言いますか、この「世界漫画愛読者大賞」の最終審査エントリー作品紹介も最後の10作品目となりました。 というわけで、この作品はギャグマンガです。しかも4コママンガ。まぁ、この題名で純情ストーリーモノなんて描かれた日には裸足で逃げ出しますが。 というわけで、評価はB。雑誌アンケートでは「面白い作品」にも「つまらない作品」にも挙がらない、それなりの作品というところでしょうか。こういう賞レースでは、なかなか評価されにくい作品なのではないかと思います。というか、この作品に5000万やるなら、先に『モテモテ王国』のながいけんさんに5000万円あげて下さい。 ……以上で、今回の「世界漫画愛読者大賞」の最終審査エントリー作品全10作へのレビューが終了しました。ここで、もう一度エントリー作全てを駒木のつけた評価も含めて振り返り、簡単な総括をしてみたいと思います。 まず、作品と評価の一覧表から……
全作品Bランク。つまり秀作・名作になりそうな作品は1本も無かった、という事になります。賞金5000万&連載1年を争う賞にしては不作であった、と言わざるを得ないでしょう。 個人的には、グランプリどころか、準グランプリ(賞金1500万円)に値する作品も無かったと思います。今回発表された10作品より数段面白いものが他誌で新連載されていますし……。
……ちょっと辛らつな意見を述べたりしましたが、要は「もっと面白い作品を読ませてくれ!」っちゅう事です。読んでてワクワクするような、もしくは腹抱えて笑えるような作品をもっと読ませてもらいたいですね。 |
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3月27日(水) 演習(ゼミ) |
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さて、今週は何かと時間が詰まっているので、手短にいきますね。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年17号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・三谷祐輝』(作:ほったゆみ、画:小畑健) シリーズ4作目なんですが、ここまで読み進めて来て、何となくこのシリーズが「ほったさんが本当に描きたかったキャラの作品」と「編集部サイドから依頼を受けて描く事になった作品」に分かれているような気がしました。 というわけで、今週分はB+寄りのBという事で。
◎読み切り『しゅるるるシュールマン』(作画:クボヒデキ) 今週は『HUNTER×HUNTER』が休載と言うことで、ギャグ読みきりが掲載されています。 今回の作品は、題名の通りシュールなショートギャグの連作形式で15ページというもの。まぁ、新人・若手の作品にはよくある形ですよね。 そもそも“ギャグ”とは、人が持つ常識との奇妙な違和感を提示し、それを笑いという感情に転換させる作為的行動です。 評価はB−。一応、ギャグ作りの手順は踏まえてますので、問題外というわけではありません。動きの基本はマスターしたプロボクサー予備軍みたいなものですので、あとはもうパンチ力だけ。今が正念場と思って頑張って欲しいですね。 ☆「週刊少年サンデー」2002年17号☆ ◎読み切り『葵DESTRUCTION!』(作画:井上和郎) 「週刊少年サンデー」のストーリー読み切りシリーズ第3段は、昨年から増刊号で読み切りを掲載している新人作家さん・井上和郎さんの作品です。井上さんは、『からくりサーカス』や『うしおととら』の藤田和日郎さんの元・チーフアシスタントさんだったとのこと。 まず、絵はかなり好感度が高い今風の絵ではないでしょうか? 個人的には上手だなあと感じました。ひょっとしたら師匠の藤田さんより上手かもしれませんね(苦笑)。あ、キャラの描き分けがよく出来ているのは師匠譲りかもしれませんね。 さて、ストーリーの方ですが、これは一言で表現するなら“技あり”の作品ですね。1つのアイデアを転がしまくって、良質コメディに仕上げきっているという形で、なかなかの力量の高さが窺えました。 《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ17号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『逃げるな !! 駿平』(作画:野田正規) いよいよこのシリーズも“トリ前”となりました。果たしてあと2週で、2002年を代表するような名作は出てくるのでしょうか? さて、エントリー9人目の作家さんは野田正規さんで、現職はマンガ家アシスタントとのこと。かつては『六三四の剣』などでお馴染みの村上もとかさんのアシスタントを長年務め、数年前には少年マガジン月例賞の佳作を受賞した経験もあるそうです。 そして実際、この作品は、歯に衣着せず言うと新鮮味ゼロの作品でありました。なんだかもう、恐ろしく絵柄・作風が古いです。「コミックバンチ」というより「少年キング」といった風情。もしくは、昭和の時代の「週刊少年サンデー」でしょうか。 まず、絵。古臭いだけじゃなくて、プロとしてはかなり低調なレヴェルです。特に、かれこれ10年以上描いているはずの格闘シーンがリアリティに欠けている始末では……。三十路を過ぎるまで一体何をやって暮らして来たか、ちょっと問い詰めたくなってしまいます。 さらにさらに。作中やインタビュー記事中で見られる格闘技への知識の薄さも致命的です。 このいい加減さはキャラ造形にも表われています。 よくこんな作品が最終選考まで残ったなと目を疑ってしまいますね。『痛快! マイホーム』の元・担当さんが推したんじゃなかろうか、などと邪推してしまいます。 評価はC寄りのB−(前日から変更してます)。ここに来てこのシリーズで最低評価の作品が来るとは……(汗)。あと1週、果たしてどうなんでしょうか。ううむ、想像したくなくなって来ました。 ……というわけで、ちょっとショートバージョンでお送りした今週のゼミでした。しばらく小休止状態になるかと思いますが、その分、来週以降は中身の濃いレビューに出来たらと思います。それでは、今週はこれまで。 |
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3月20日(水) 演習(ゼミ) |
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さて、今週の演習です。ようやくジャンプの新連載ラッシュも終わりまして、忙しさも一段落というところでしょうか。 ところで、2月第2週分の演習で採り上げた『ブラックジャックによろしく』(評価:A)ですが、ジワジワと、それでも確実にブレイクしつつあるようです。この講義で絶賛した作品が幅広く評価されているのを見ると、我が事のように嬉しいですね。作者の佐藤秀峰さん、これからも頑張ってください。 では今日はまず、「週刊少年サンデー」の新人賞、「少年サンデーまんがカレッジ」の審査結果発表から。
注目、というか目が行くのは14歳の受賞者さんでしょうかね。実力とかそういう事は別にして、完成原稿を仕上げて、それをプロの新人賞に応募してしまうところが凄いですよね。 ……それでは、レビューの方へ。7段階評価の表はこちらをどうぞ。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年16号☆ ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・奈瀬明日美』(作:ほったゆみ、画:小畑健) さて、番外読み切りシリーズ、(個人的な)真打ち登場であります。 ハッキリ言って、この番外シリーズの中で一番話を作り辛いキャラだと思うんですよね、この奈瀬明日美というキャラは。 ところが。 何て言うか、ほったさんみたいな才能を持った人がマンガ界にいてくれて良かったなあって、そうしみじみと思えるような作品でした。
☆「週刊少年サンデー」2002年16号☆ ◎読み切り『入来兄弟物語〜俺たちは燃え尽きない!〜』(作画:荻晴彦) 作者の荻晴彦さんは、おそらく商業誌掲載歴ほとんど無しの新人作家さん。名前でネット検索すると、静岡大学漫画研究会製作の同人誌に同姓同名の作者名が載っていましたので、ひょっとしたら同一人物かもしれません。 それにしても、このスポーツ・ノンフィクション物読み切りは、いい加減止めにしませんか? どうやったって名作になり得ない上、単行本化も難しいジャンルをダラダラと続けるのは得策じゃないと思いますが。 前々から駒木は「マンガのスポーツノンフィクション物に名作無し」と言ってるのですが、それはそういう理由からなんです。向いてないんですね、マンガに。 今回の話、まぁ事実を多少脚色したにせよ、定番のハートウォーミング・ストーリーに仕上がってます。入来兄弟が標準語喋ってるのが気持ち悪いですが(笑)。 ◎読み切り『呪いのウサギ』(作画:杉本ペロ) 「サンデー特選GAG7連弾」の最終回は、『ダイナマ伊藤!』を連載中の杉本ペロさんの作品です。 さてこの作品、シリーズの最後に連載作家を持ってきて、格の差を見せつけてくれるか…と思ったんですが、うーむ……。 この作品の評価はB−。スケジュール調整までして、あえて描かない方が、まだ良かったかもしれませんねえ……。 結局、このシリーズでは、B+評価1本の他は、Bが1本、B−4本、Cが1本。
《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ16号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『黒鳥姫』(作画:葉山陽太) シリーズ第8回は、第6回の大西しゅうさんに続く、純粋な新人さん・葉山陽太さんの作品です。 まず、新人さんではどうしても問題が露呈されてしまう絵ですが、やはりまだ熟練度が足りない印象がありますね。単調なコマ割りながら、そんなに単調さを感じさせない構図の取り方などに、ある程度のセンスが感じられますが、画力は未熟。いわゆる“動きのある絵”が描けずに、平坦な印象を与えてしまいます。 さてストーリーの方ですが、大まかなシナリオは、「不治の病に侵された若い女性画家が、遺作を残すために病院と故郷を去る。そこで画材屋に勤める男性と出会って……」という、何と言うか「週刊モーニング」の新人賞受賞作で出て来そうなお話でした。変則的なコマ割りや、微妙に稚拙な絵というのも、いかにも「モーニング」的な印象を受けました。 以前の講義でも述べましたが、この賞は連載を前提にしたコンペテイションということになっています。ですので、連載開始後を意識させる、「次回へ続く」な終わり方でも、それはそれで構いません。 葉山さんの潜在能力はB+級くらいあると思うんですが、この作品に関しての評価はB−寄りのBということにしておきます。 何だか、このシリーズの作品読んでるうちに腹が立って来るんですよね。賞金5000万と連載1年以上保証っていう事の重みを、全然応募者が自覚していないような気がしてなりません。小説で言えば直木賞と日本ミステリー大賞を合わせたようなグレードなんですよ、この賞は。 ◎読み切り『セラミック・レッグ』(月刊オースーパージャンプ4月号掲載/作画:緒方てい) この講義でもたびたび採り上げてきました、『キメラ』の緒方ていさんの読み切り作品です。 さてこの作品ですが、簡潔に言うと“典型的な同人誌マンガの佳作”といったところでしょうか。主役に1つ“目玉”の設定を作り、後は心地よい予定調和の世界で読者をホロ酔い加減にしてくれます。短編マンガのセオリーをキチンと踏襲している、極めて質の高い習作だと思います。多分、これを同人誌作品として駒木が読んでいたら、「下手なマンガ家より上手いね」という感想を述べていると思いますね。 ただ、やっぱりこれはあくまでも習作。プロの作品としては物足りないんですよね。評価はB寄りのB+というところでしょうか。しかし、「緒方さんならこれより落ちる作品は無いだろうな」と思わせてくれる、極めて意味深い作品であるとも思います。 ……というところで、今日のレビューは終了です。来週は『ヒカ碁』の読切シリーズ、「サンデー」の読切シリーズ、「バンチ」の愛読者大賞シリーズと、読み切りばかり3作品になりますね。多少、こちらの負担も軽減されてきましたので、さらにきめ細かいレビューが出来れば、と思います。それでは、また来週。(来週に続く) |
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3月13日(水) 演習(ゼミ) |
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さて、演習のお時間です。
先月、「なかなか佳作以上が出ませんなあ」とか言っていたら、早速出ました(苦笑)。今更な話ですが、佳作以上はデビューさせなくちゃいけないので点が辛いんですね。消費者からお金を頂く“商品”になるかどうかを判断するとなれば、そりゃあ採点も厳しくなりますよねえ。
☆「週刊少年ジャンプ」2002年15号☆ ◎新連載第3回『少年エスパーねじめ』(作画:尾玉なみえ)《第1回掲載時の評価:A》 尾玉作品の絶好調時を知る人間にとっては戦々恐々の3週間が終わりました(苦笑)。なにせ、ここまでのデキとアンケート結果で打ち切りかどうかが決まるわけですからね。 ◎読み切り(2回連続・後編)『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介)《前編掲載時の評価:B》 先週に引き続いての後編となります。作者お2人の経歴や前編の詳しい評価については先週分のレジュメを参照してください。 後編はアクション部分、つまりアメフトのシーンが中心でした。やっぱりここでも村田さんの優れた画力が光っていて、ラインズマン同士の激しいコンタクトを上手く表現しているなど、多くの点で唸らされます。村田さんはスピードと迫力で勝負するシーンを描かせたら本当に上手いですよね。 この作品、アンケート次第では連載になる場合もあるのですが、その時こそ、しっかりディティールまで設定とプロットを組んで、練りに練ったシナリオで勝負してもらいたいと思います。このノリのままで勝負した場合、あっという間に化けの皮が剥がれる事は目に見えていると思いますので。
☆「週刊少年サンデー」2002年15号☆ ◎読み切り『なにがなんだかモリマッチョ』(作画:カルーメン野口) 今週も「サンデー特選GAG7連弾」が2作品。本誌での掲載順にレビューしてゆきましょう。 で、中身なんですが、これが題名の通り「なにがなんだか」でして。狙ってる場所とかは、まぁそれなりに分かるんですが、どれもこれも魂のこもっていない小手先のギャグなんですよね。セリフをちょっと変にしてみたり、キャラの絵面をちょっとイジってみたら、すぐに読者に笑ってもらえると勘違いしている気がしてなりません。 ◎読み切り『4649! どヤンキーラーメン』(作画:水口尚樹) 引き続き「サンデー特選GAG7連弾」。今度は新人作家さんの登場です。 おっと、今回評価するのは『普通えもん』ではありませんでした。『4649! どヤンキーラーメン』の方です。 …この作品、なかなか面白いんですが、あるポイントで非常に損をしています。 評価はB−に近いB。惜しいんですけど、総合的な評価をすると、こうなってしまいます。 ◎読み切り『背番号は○[マル]』(作画:あおやぎ孝夫) 今週から5週連続でストーリーマンガの読み切りも始まりました。レビューが大変ですが、頑張ります。 作者のあおやぎ孝夫さんは、昨年休刊になった「コミックGATTA」で既に連載経験済み。キャリアから考えると中堅マンガ家さんということになりますね。「週刊少年サンデー」本誌には初進出とのこと。 では作品の評価へ。
《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ15号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『エンカウンター ─遭遇─』(作画:木之花さくや) このシリーズも7作目。いよいよ佳境に入った感があります。たった1話の読み切りで、作家さんの現時点での力量を分析しなければならないので、こちらとしても輪にかけてヘヴィーな作業になるんですが、それはそれでやり甲斐がありますね。 さて、『エンカウンター…』の作者・木之花さくやさんは、2人合作のペンネーム。その正体(?)は、現役マンガ家の西野つぐみさんとDenjiroさん夫妻のセンが濃厚です。少なくとも、西野さんが主になって作品に関わっている事は、ご本人もご自身のウェブサイトで発表されていますし、絵柄も過去の作品のタッチと酷似していますので、まず間違いないと思われます。 では、作品について。まず絵の面ですが、これはもう、現役で活躍されている作家さんですから、注文する点はありません。見る人によって好き嫌いは出るでしょうが、絵において基本的な点で批判すべき箇所は無いですね。 しかしストーリー面には問題が大いにあります。 ストーリーで指摘すべき点は、もっと根本的な所にあるのです。ズバリ言うと、設定が複雑かつ説明不足な上に、話そのものが破綻しているのです。 まず、主人公が子供時代にUFOに出遭って宇宙人にさらわれた結果、特殊な帯電体質になる、これは前提条件として構いません。話を立てる上では、計算された偶然は必然と同じですので。 さらに、ストーリー上で因果関係が破綻している部分が、まま見受けられます。 ……以上、細かい事を色々書いてきましたが、これは一見すると“面白そう”な作品であるからこその注文なのです。ハナから箸にも棒にもかからない作品ならここまで書きません。これらの課題を克服できれば、間違いなく名作候補になるだけに、非常に残念に思ったのです。 この作品、言い方は悪いですが、読者を雰囲気で誤魔化してしまえば、大賞まで手が届くかもしれません。ただし、今のままで連載に踏み込めば、早かれ遅かれ破綻してしまうでしょう。それが非常に惜しい。 ……以上、いつにも増して高ボリュームの演習になりました。次回は『ヒカ碁』番外編・奈瀬さん編なのですが、どうも恋の話らしいんですよね(慟哭)。うぅ、梅沢さんに続いて奈瀬さんもか…。 まぁ、評価は客観的にいきます(笑)。とにかく来週をお楽しみに。(来週に続く) |
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3月6日(水) 演習(ゼミ) |
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えー、日誌の方ではお見苦しい場面がありました(笑)。すいませんね、どうも。 さて、時間も無いので、早速レビューの方へ行かせてもらいます。7段階評価の表はこちらを。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年14号☆ ◎新連載第3回『いちご100%』(作画:河下水希)《第1回掲載時の評価:B+》 第1回掲載時には、今後の方向性に期待をこめて高い評価をつけたのですが、どうやら駒木の意に反して、シナリオのクオリティ無視・ベタベタのラブコメ路線へ向かう模様ですね。まぁ、河下さんの作風でもありますので、それはそれで仕方ないのですが。 ◎読み切り(2回連続・前編)『アイシールド21』(作:稲垣理一郎/画:村田雄介) 昨年度の「ストーリーキング」ネーム部門キング(大賞)受賞作品のマンガ化です。 さて、原作とマンガ担当が分かれた作品ですから、絵のクオリティについて述べるのは野暮な話です。村田さんの画力については既に『怪盗COLT』のレビューで述べていますし、ここでは割愛させて頂きます。一言で言うなら、「プロの作家として十分合格点」というところでしょう。 問題のシナリオ部分についてお話をしましょう。 この作品全体に漂うムードは「逃げ」なんです。 ☆「週刊少年サンデー」2002年14号☆ ◎読み切り『新型機動携帯シモべえ』(作画:木村聡) 今週と来週は「サンデー特選GAG7連弾」が2本立てということで、レビューも2作品ずつ、ということになります。 では、まずは“第3弾”のこの作品から。 ◎読み切り『煩悩寺のヘン!』(作画:黒葉潤一) 「──特選GAG7連弾」の第4弾は、かつて本誌で『ファンシー雑技団』を連載していた黒葉潤一さんです。 《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ14号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『142cmのハングオン』(作画:大西しゅう) シリーズ6回目にしてようやく、この作品がデビュー作となる新人作家さんが現れました。20代前半という年齢は、マンガ家デビューにしてはやや遅い方ですが、まぁマンガ家の作風は年齢よりもキャリアに影響されますから、あとはいかに生活を維持しながらマンガを描き続けていくかでしょうね。緒方ていさんみたいに、サラリーマンのかたわら同人誌で腕を磨いた後に連載デビューというケースもありますので、是非頑張ってもらいたいものです。 さて、作品のレビューなんですが……。 一方、ストーリーの方ですが、これはまぁ、ある程度は話作りの基本を押さえた上で、さらになかなかの勢いがついています。絵の稚拙さをある程度はカバーするようなモノには仕上がっているのではないかな、と思いますね。何よりも、自分の好きな題材を独り善がりにならないように留意して描こうとしている姿勢に好感が持てます。 ちなみに、これまでの5人のエントリー作家さんは、「元甲子園球児の草野球選手(地区予選級の実業団選手)が入団テストを受けに来た」ような感じでしょうかね。「良いモノはあるけど、手垢が付き過ぎちゃってるよなあ」という印象です。 さて、次回の演習ですが、ジャンプの方は新連載ラッシュも落ち着いて一段落になります。ただ、サンデーでは来週から5週連続新人読み切りシリーズが始まるとのことで、そっちの方にかなり忙殺されそうです。特に来週は「ギャグ7連弾」も2本立てですし、何だかまた大変になりそうです(苦笑)。 |
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2月27日(水) 演習(ゼミ) |
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今週もゼミのお時間がやってまいりました。 それにしても、皆さん、今日発売の「週刊少年マガジン」13号は読みましたか? これを描かされた、仕事の断れない立場にある新人作家・杉山真弓さんは、どうにも災難としかいいようがありませんね。ま、早いトコ売れて、この作品を“消した過去”にしちゃって下さい。 ……それでは、今日は扱う作品も多いので、とっととレビューに行っちゃいましょう。 ※文中の7段階評価はこちらを。簡単に言えば、B+はマンガ好きに推奨の作品、A−以上は、誰にでも推奨したい作品、と考えてください。 ☆「週刊少年ジャンプ」2002年13号☆ ◎新連載『少年エスパーねじめ』(作画:尾玉なみえ) 一部では連載前から大きな話題になっていた、尾玉なみえさんの新連載作品ですね。 さて、今回の『少年エスパーねじめ』ですが、以前掲載された同題名の読み切りとは大きく内容・設定を変えてきました。おそらく、「面白ければ何でもアリ」と開き直った結果だと思われますが、これが大成功でしたね。 で、この作品の面白さについて。 評価ですが、少なくとも今回はA評価にしても良いと思います。問題はこのパワーの持続性ですが、それは第3回の時に検討するという事で。 ◎新連載第3回『あっけら貫刃帖』(作画:小林ゆき)《第1回掲載時の評価:B+》 巷ではあんまり良い評価を聞かないのですが、駒木の好感度は依然として高いです、この作品。もっとも、大物感の無さも相変わらずなので、ジャンプの看板作品に成長する見込みは薄いままですが……。 ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・加賀鉄男』(作:ほったゆみ、画:小畑健) キャラクター人気投票で上位に食い込んだ、『中学囲碁部編』のバイプレーヤー・加賀鉄男のサイドストーリーですね。巧みに葉瀬中囲碁部の後日談にもなっている一石二鳥的な試みが、実に心憎いですね。ホント、ほったさんって、タダでは読み終わらせてくれません。 それにしても、この回は完全にセルフパロディになってますね。ジャンプで発表せず、同人誌にして夏コミ売った方が良いような感じがするくらいですよ(恐ろしい行列できるでしょうけど)。名作家はパロディの名手でもあるんだな、とじみじみ実感する次第です。 ◎読み切り『偉大なる教師』(作画:郷田こうや) 第54回赤塚賞で、島袋光年さんの猛プッシュを受けて佳作を受賞した、郷田こうやさんの読み切りです。『HUNTER×HUNTER』の代原なので、習作段階の作品を編集部が預かっていたものだと思われますが。 で、今回なんですが、有り体に言うと「永久に編集者の机で眠ってた方が良かったかな」と。ショートギャグにしてしまったせいか、現時点での唯一に近いウリの“強引さ”が翳ってしまったような気がします。
☆「週刊少年サンデー」2002年13号☆ ◎短期集中連載・最終回(第4回)『ダイキチの天下一商店』(作:若桑一人、画:武村勇治)《第1回掲載時の評価:B》 長期連載を賭けた短期集中連載が終了しました。この期間のアンケート結果を見て、本格連載か月刊への左遷かが決まる事になります。 ……と、いうわけで一長一短のこの作品、評価は据え置きでBとします。個人的な見解としては、「連載になっても構わないが、敢えて読みたいとも思わない」というところでしょうか。 ◎読み切り『ピー坊21』(作画:佐藤周一郎) 「サンデー特選GAGバトル7連弾」の第2回です。 まず絵なんですが、多少デッサンが狂うなどの初々しさが漂うものの、拙くは無いと思います。メジャーデビュー直後のゆうきまさみさんを髣髴とさせるものがあります。と、いうことは、修行すれば相当上達しそうですね。これはまぁ、ちょっと甘いですが合格点をあげてもいいかと思います。 どうもこの佐藤さん、残酷なようですがギャグ作家を目指す事自体が間違っている気がしますね。ストーリーの構成力をつけて、コメディ作家に転身すれば芽が出るチャンスも大きいと思うのですが……。 《その他、今週の注目作》 ◎読み切り(週刊コミックバンチ13号掲載・世界漫画愛読者大賞・最終審査エントリー作品『灰色の街』(作画:江口孝之) 消えたマンガ家&マンガ家予備軍敗者復活戦の様相を呈してきたこの企画も、ついに折り返しの第5回となりました。 さて今回の『灰色の街』なんですが、江口さん自身もインタビューで語っているように、複数の作家さんの影響が複合的に表われているような感じですね。駒木はとりあえず、『はっぱ64』時代の山本直樹さんを感じたりしましたが。 評価は減点・加点入り混じってのB評価というところでしょうか。これがデビュー作だというのならばまだしも、デビューから4年以上経過して、作風も自分で固めてしまった人という事を考えると、ちょっと大成は難しい気がします。 しかしこの賞、大賞賞金5000万円なのですが、ここまで5作品見た感じだと、1/10でも高いくらいだと思ってしまいますねぇ。 ◎連載第3回『キメラ』(「スーパージャンプ」掲載/作画:緒方てい) 『キメラ』の第3回は、急遽巻頭カラー&増ページになりました。「SJ」編集長の期待の表われでしょう。 これは第1回のレビューでも述べたのですが、大事なポイントなので、もう1度述べます。 一応、今回で『キメラ』レビューは一時中断とさせて頂きます。次にレビューする時は、『キメラ』が大化けした時になると思います。評価は据え置きでB+。 ……と、今週は8作品のレビューを行いました。大変です、ハイ(苦笑)。 |