はじめまして。私は、仁川経済大学の学園祭で生まれた”キャンパスの妖精”珠美といいます。縁の遠い実在しない少女より、身近にいる美人が好きだ! という複雑なコンプレックスな方のために生まれた新しい形のバーチャルネットアイドルです。どうかよろしくお願いします。

バーチャル・バーチャルネットアイドル

栗藤珠美21歳

仁川経済大学・新歓祭’02
社会学部インターネット通信過程の部
(駒木博士の社会学講座)

◇珠美講座・珠美占いがあります◇
05/02 珠美講座・
栗藤珠美の何でも人生相談
02/02 珠美写真・絵を学園祭限定で展示してます。
駒木博士の講座やアーカイブもご覧いただけます。


◇珠美占い◇

平成14年5月2日の運勢
一白水星のひと 道ばたで、「やーい、お前の母ちゃんミニスカポリスー!」と言われて泣いている子どもを見てブルーに。
ニ黒土星のひと キューバ革命の話をしていたら、カストロの「カ」と「ス」を入れ替えて叫んでしまって大恥。
三碧木星のひと 父親が「おかあさんといっしょ」を標準録画で保存しているのを発見。
四緑木星のひと 朝、学校に着いたら「序二段」という中途半端なニックネームで呼ばれるようになります。
五黄土星のひと 親のいる前で「このゲームはZEROの提供でお送りします」という萌えボイスが響き渡って大汗。
六白金星のひと 仕事運が不調。労働組合の集会で「愛国戦隊大日本」を歌って袋叩きに
七赤金星のひと ミスドのポイントカードが、10枚連続で「0点、1点」。
八白土星のひと スポーツ運が不調。面と向かってラモスに「死ね!」と罵倒されます。
九紫火星のひと 吉。道を歩いていたら、やたらと「人生、ガマンしてたら良い事あるから」と声をかけてもらえます。



◇珠美メモ◇

また、お会いしましたね
 
多数のご来場ありがとうございます。ご好評頂いております新歓祭ですが、間もなく終了させていただきます

●学園祭終了後は、現在と同じURL、
 http://Dr.komagi.com/
 にて、通常講義に復帰いたします。キャッシュが更新されていない場合がありますので、5月4日(土)午前1時30分を回っても、このページが表示される場合は、上のURL部分をクリックしてください。

「ちゆ12歳」さん、3000万アクセス達成、おめでとうございます♪

●今日は、仁川経済大学新歓祭です。私たち社会学部インターネット通信過程は、冬の学園祭に引き続いて“ちゆデー”の出し物をすることにしました♪

●はじめましての方も、いつも講座を受講されてる方も、どうぞ楽しんでいってくださいね♪ 

「ハリーポッター」+「賢者」+「台風」=「ハリケンジャー」邪鬼丸さん、掲示板での情報ありがとうございます)

「ガチンコファイトクラブ」の出演者、強盗で逮捕→コーナー中断

酔っ払い教授が処分
同じ話を繰り返したり、黒板に書いた字が読めないほど乱れたりした。ズボンに酔っておう吐した跡も残っており…

市助役、電車内で下半身露出し逮捕
調べに対しては「衣類の乱れを直していただけ」と容疑を否認している

酒鬼薔薇聖斗の通っていた学校の校長がエロ小説を書く  (情報元:ちゆ12歳さん)こちらから、この件についての駒木博士による関連講義がご覧になれます。



◇珠美講座◇

栗藤珠美の何でも人生相談(前編)栗藤珠美の何でも人生相談(後編)現代社会学特論「椎名林檎、高らかに現役復帰!(12)」広報産業概論「駅の吊革広告に『ときメモ』」競馬学特論「G1予想・天皇賞(春)」現代社会学特論「椎名林檎、高らかに現役復帰!(11)」演習(ゼミ)「現代マンガ時評」(4月第4週分)


平成14年5月2日 
現代社会学特殊講義
(講師:栗藤珠美)

栗藤珠美の何でも人生相談(前編)

 みなさん、改めまして、はじめまして&こんにちは♪ 栗藤珠美です。前回の学園祭に引き続き、今日も私が講義を担当させていただくことになりました。

 とは言っても、今日はいつもの講義形式ではなく、ちょっと普段とは違ったスタイルで、皆さんとご一緒しようと思います。

 その名も、「栗藤珠美の何でも人生相談」

 いわゆる五月病などで、もうすぐ精神的に不安定になってしまうこの時期、受講生の皆さんが抱えているお悩みについて、私が解決のお手伝いをさせていただこうという特別企画です。

 そう言う私もまだまだ若輩者で、人生相談だなんて僭越だと思われるかもしれませんが、それでも出来る限りの誠意をもってお答えしますので、どうかよろしくお願いしますね♪

 それでは早速、最初の相談から……。

 珠美さん、こんにちは。
 わたしは、この春から3年になったばかりの高校生なのですが、今、将来の進路のことでとても悩んでいます。

 実はわたし、まだ将来やりたいことが見つからないんです。

 ついこの前も、学校で担任の先生と個人面談があったのですが、そこで「将来はどんな仕事に就きたいんだ?」と訊かれた時、わたしは何も答えることができませんでした。

 先生や親からは、「とりあえず大学に行ったらどうだ」って言われているのですが、何も目的の無いまま、受験勉強して大学で4年間を過ごすことに疑問を感じています。
 今のわたしの考えとしては、高校を出たらフリーターになってお金を稼ぎつつ、やりたい事を見つけて行こうと思ったりもしているのですが、先生はどう思われますか? (17歳・女性・Aさん)

 あー、なんだか5年くらい前の私を見ているようで、ちょっぴり懐かしくなって来ますね(微笑)……あ、ごめんなさい、Aさんにとっては大変な悩みなんですよね。

 うーん、そうなんですよねー。高校3年生になったら訊かれちゃうんですよね、「進路はどうすんだ?」って。
 でも、決められないものは決められませんものね。それで適当に「えーと、今、親と相談中なんですー」とか言ってごまかしちゃうんですよね(笑)。すると先生も、「みんなそう言うんだよなあ」とかボヤいてたりして(笑)。
 
 進路について私思うんですけどね、確かにそういう「これがやりたいんです!」っていうものがあるにこしたことは無いんですけど、まだ今の時点で何も決まってなくても、別に焦らなくていいと思いますよ。将来の夢の有る無しが、その人の偉い偉くないを決めるものでもないですし。 

 逆に言うと、甘い見通しのままで「将来の夢」だけ語られても困りモノです。

 例えば、これは私の上司の駒木博士が、高校のお仕事の中で先輩の先生からお聴きした、ある生徒さんの進路に関する話らしいんですけど、

「オレ、音楽に関わる仕事やりたいんっすよ」

 …って自信満々に語るらしいんですよ、その生徒さん。でも、実際に何やってるかって訊いてみれば、家で歌本を見ながらギターをちょっと弾いてるだけで、作詞・作曲はもちろん、バンド活動やストリートライブすらやったことが無かったんですって(苦笑)。

 そんな感じで、完全に音楽活動に関する大局観が欠けているのに、「高校出たら音楽やりながらフリーターする」ってところだけは明確なビジョンが出来ているらしいんですね(苦笑)。「困ったもんだよなー」って博士も苦笑してましたけど、ホントそうですよね(苦笑)。

 あ、そういう駒木博士も、ご自分の「将来の夢」では相当悩まされているらしいですよ。
 え? 26歳にもなって、まだ将来のビジョンが定まってないのか、ですって? いえいえ、違います。その逆なんですよ。
 実は博士、「将来の夢」を確実に決められたのが、まだ小学生の頃だったんですって。
 以前、研究室で私にこんなことをお話してくださいました。

 「俺さぁ、小学3年の頃に『物書きになりたい』って決めて、中学生の時には『物書きになれるまでは学校の先生やるぞ』って決めたんだよね。
 で、高校以降の進路は、そこから逆算しながら行き先を決めて頑張ってきたわけ。『物書きだから、大学は文学部。そこで教員免許ゲットだ!』…とかね。
 我ながら立派だけど、よく考えたらヤな中学生だよな(笑)。
 でもさ、いざ社会に出てみたら、やれ出版不況だわ、やれ教員採用試験の倍率は100倍超えてるわ八方塞がり。今さら進路の変更は利かないし、どうしようもない
 『将来の夢』ってさ、決めるのも良いけど、早く決めすぎるのもどうかと思うよ。『来年からは学校行けません』って時まで、決めないでおくのも1つの手だと思うな。そりゃ、俺みたいに決めちゃった人はしょうがないけどね」

 ……ですって。Aさん、分かります?
 だからAさんは、まだ慌てて『将来の夢』を決める必要なんてないと思いますよ♪
 まだ、ご両親も「大学行ったら?」って言って下さってるんでしょ? だったら、何も決めないまま、慌てて社会に出る必要は無いと思いますよ。今、不景気ですし(苦笑)

 大学ってトコは、ただ行くだけなら、たくさんお金を取られるだけで特に得も損もしないトコなんですよね。講義1年間受けるくらいなら、図書館で本を4〜5冊借りて読んだ方が勉強になりますし。
 でも大学に行くと、自由な時間だけはたっぷりありますし、社会を“社会人見習”の立場から見ることができるので、今、高校に通っているあなたよりも広い視野で世の中を見ることができるんですよ。可能性が広がるんですね。
 それに、世の中には大学を卒業してないと就けない職業もあります。駒木博士の高校教員や大学講師、私の大学助手なんかもそうですね。なりたい仕事が見つかってから「学歴が足りない」じゃ、もったいないでしょう?

 あと、フリーターに関してですけど、高校生のあなたには「フリーター」って言葉が、ある意味カッコイイ響きに聞こえるのかもしれないですけど、現実は甘くないですよ。
 フリーターは自由な職業でも何でもなくて、ただ厳しい上下関係と安いお給料で、連日お仕事に追いまくられる立場なんですよ。将来の保証も一切ありませんし、絶対お薦めできないです。

 あなたには、まだ大きな可能性と、そして「まだ何をするのか決めてなければ大学に行ったらどう?」って言ってくれるご両親がいらっしゃるんですから、慌てず騒がず、モラトリアムを謳歌すればいいんじゃないでしょうか? 
 きょうび、それなりに勉強していれば大学に入れないなんてことは無いですし、偏差値高い大学から一流企業に入っても、その会社がいつまで続くか分かったもんじゃないんですから、無理しない程度に頑張ってくださいね♪

 

 さて。では、次の相談に。あ、これも10代の女の子からですね。

 

 私には高校2年の時から付き合っていた彼氏がいたんですが、つい先日、彼から「別れよう」って言われてしまいました。「これから付き合っていくことに自信が持てない」って……

 実は、この春から彼だけ地方の大学に進学してしまい、遠距離恋愛になってしまってたんです。
 高校の卒業式の時は(私と彼は同じ高校でした)、「4年間頑張っていこう」って、約束したのに……。

 私、何をする気力も無くなってしまいました。今は何をする気にもなれません。どうしたらいいのか教えて下さい。 (18歳・女性・Bさん)

 あー、失恋しちゃったんですね……。
 カレから別れを告げられた時、辛かったでしょうね。そういうの、私も経験が無いわけじゃので、その気持ち、少しは分かります。

 でもね。
 Bさんがいつ、この言葉を素直に受け止められるようになるか分かりませんけど、これだけは言っておきたいと思います。

 あなたは、やろうと思っても出来ない人生経験が出来たんです。それも、人間的に大きく成長させてくれる貴重な経験を、です。

 今はまだ悲しいだけでしょうけど、もうしばらくすると、世の中が今までとは全く違うものに見えて来て、自分が随分と大人になったように思えてくるようになるんです。
 あなたが「この人、大人だなあ」って思う人は、多分皆さんそういう辛い経験を乗り越えてきているはずです。そうやって、みんな大人になっていくんですよ♪

 普段から「社会学講座」を受講されてる方はご存知でしょうけど、駒木博士も、
 「5年付き合った彼女から、バレンタインデーに『これは友達として受け取って』って言われつつチョコを渡されてフられる」
 
……っていうキツーい経験を乗り越えて頑張ってらっしゃいますし、この私だってそういうハードな経験が無いわけじゃないんですよ。

 そう、あれは去年の冬、成人式に行った時のことです。
 私、中学時代にすごく好きな人がいたんですね。でも告白するのが怖くて、何も出来ないまま卒業しちゃったんです。
 で、私は私立(仁川経済大学付属高校)に入っちゃったので、卒業式以来それっきり。だから、成人式が、およそ5年ぶりの再会で、ちょっとドキドキしながら楽しみにしてたんです。
 そうしたら……

 彼、とっても豪華な晴着を着て、会場前に立ってました。

 その時の彼、綺麗だったなあ……(遠い目)

 …………

 ………………

 ……………………は! ごめんなさい、ちょっとその時のことを思い出して、惚けてしまってました。

 ……ま、ですからBさん、今はとても辛いでしょうけど、これを糧にして頑張っていきましょう! 絶対、良いことありますよ♪

 
 ……さて、調子が出てきたところで次、行きましょう♪

 

 子どもはどうしたら出来るんですか? 細かく分かりやすく教えて下さい。ハァハァ。 (25歳・男性・Cさん)

 …………………………。

 ……それは、私に訊くよりも、あなたの股間に直接お尋ねになるのがよろしいんじゃないですか!?

 

 ……まったく。せっかく良い感じになってきたと思ったら……(怒)。

 あー、もう。次いきましょう、次!

 

 私は今、彼氏と同棲しています。
 でも、その彼氏が競馬にハマっていて、とても困ってるんです。

 彼は、競馬について知識の無い私でも、明らかに下手なのが分かるくらいなんですが、それを指摘したら逆ギレして来て、挙句の果てには暴力をふるって来るんです。
 それに、最近は私に隠れて借金まで作っているみたいで余計心配なんですけど…。

 最近は彼と別れるかどうかばっかり考えています。でも、彼が立ち直れる望みがあるのなら、見捨てないでいてあげたいとも思うし……。

 私は一体どうしたらいいでしょうか? どうか、アドバイスを下さい。 (23歳・女性・Dさん)

 うわ……。ちょっとこれはシビアな質問ですね…。

 …う〜ん、これは私1人ではお答えするのが難しい質問ですので、駒木博士にも入ってきていただいて、2人でご相談にお答えしたいと思います。
 博士、どうぞ。

駒木:「…はい、どうも。駒木ハヤトです」
珠美:「じゃあ博士、よろしくお願いしますね。では、早速この相談なんですが……」
駒木:「あ、ちょっと待って。Dさん、今1人? ……あ、そう。じゃあちょっと休み時間入るから、そのままで待ってて、うん」
珠美:「あ、あの博士…突然みのもんた口調で何を?」
駒木:「講義が長くなって来たので、一旦休み時間に入ります。それでは、また」
珠美:「だそうです(苦笑)。それでは、またすぐ後にお会いしましょう♪ Dさん、もうちょっと待っててくださいね」  (後編はすぐ下から始まります) 


平成14年5月2日 
競馬学特殊講義
(講師:栗藤珠美)

栗藤珠美の何でも人生相談(後編)


珠美:「えーと、それではですね、前の時限で読み上げましたDさんの相談に、駒木博士と一緒にお答えしていきたいと思います。
 …では博士にお訊きしますけど、このDさんの彼氏、立ち直れる見込みってあると思われますか?
駒木:「無いね(キッパリ)」
珠美:「あ、一刀両断…」
駒木:「これ、典型的なロクデナシだよね。ギャンブルで借金作って、挙句の果てに同棲相手に暴力でしょ。こんなの、立ち直るどころの話じゃない
 競馬や馬券に対する姿勢にしてもそう。傍から見てて明らかに下手だってことは、馬券が外れまくってるんだろうね。多分、メチャクチャな穴馬券を10点とか15点とか無茶買いしてる感じかな。
 …これが本当だとすると、そりゃ勝てるはずが無い。借金も作るはずだよ」

珠美:「え、でも、博士は『競馬で勝つには穴馬券しかない』っておっしゃってたこと、ありませんでしたか?」
駒木:「言ったよ。競馬って、本命馬券だけだと、必ず緩やかに負ける仕組みになってるからね。勝つためには穴馬券を当てて、統計学上の“誤差”を演出するしかないんだ。
 でもね。だからと言って、ただ穴馬券買えばいいってもんじゃないんだよ。“勝てる可能性のある穴馬券の買い方”ってのは、ちゃんと決まってる。
 まず、馬券を買うのは人気薄だけど勝つ可能性の高い馬がいるレースだけに絞るべきだし、本命馬に死角の無いレースも見送らなきゃダメ。この辺は、キチンと競馬を勉強してないと難しいだろうね。
 で、買う馬券は、狙った馬の単勝馬券を中心に、馬連もせいぜい3点までで狙い撃ち。それ以上買うと、長い目で見ると儲けが無くなるから。馬券は的中するのが目的じゃなくて、収支を黒字に持っていくのが目的なんだからね、本来。
 ……まぁ、競馬や馬券を楽しむだけなら、そこまで考えなくてもいいんだけど、この男の場合、楽しむどころの話じゃないからなあ。ハッキリ言って、ギャンブル依存症半歩手前だよ」

珠美:「じゃあ、せめて馬券を止めさせることって出来ないんでしょうか? 例えば、収支決算をつけて、どれだけ損をしてるか自覚させるとか…」
駒木:「収支決算? 無理無理。このタイプの人間は、収支決算をつけて赤字になったら、
 『収支決算なんかつけるから、カンが狂って馬券が外れたんだ!』
 って主張するタイプ
だよ。本人の代わりにDさんが収支をつけてても、『お前が余計なことするから、気になって馬券が……』って言い出すよ、きっと。
 大体がこのタイプは、たまに万馬券とか当てちゃうもんだから、自尊心だけはやたら強いんだよ。それまで累計で100万負けてても、たまに2〜30万とか一気に勝ったりすると、『俺はやっぱり天才だー!』って、舞い上がっちゃう。んで、その勝った金も置いておけば良いのに、アブク銭だって言ってパーッと使っちゃう。だから借金だけが積もって、いつまでも減らないんだ」

珠美:「はぁ……(溜息)。それじゃ、もうDさんは彼氏と別れた方が良いってことですね?」
駒木:「と、思うよ。これで借金も無くて、社会的にも常識的なレヴェルを維持してる人間だったら、無茶な穴買いしてようが何にも言わないんだけどね。でも、ここまで生活が破綻してたらどうしようもない
 ギャンブルは社会悪でも何でも無いんだけど、元々ロクデナシな奴にギャンブルを与えると、ロクデナシ度が加速するのは事実だからね。機知外に刃物と同じ。」

珠美:「(苦笑)……じゃあ、あとはDさんの心一つ、ということですね」
駒木:「ああ。大体さ、男女関係なんて、結婚して子どもがいるわけでもない限り、『別れようかな』と思った時が別れ時なんだよ。惰性でズルズル行っててもロクなこと無いって。
 それにさ、いざとなったらヨリ戻せば良いんだから。ヨリ戻すのなんて意外と簡単なんだよ、女性の方から持ちかけた場合はね。男から持ちかる場合は知ったこっちゃないけど(苦笑)」

珠美:「何だか、凄い結論になっちゃいましたね(苦笑)。でも、私もズルズルと関係を続けるよりも、何らかのケジメをつけることには賛成です。
 ……と、いうわけでDさん、私たちはこういう結論になりました。参考になれば幸いです。
 それでは駒木博士、ありがとうございました」
駒木:「はい、どうも。(と、退場してゆく)」

 

 ……では、再び私こと栗藤珠美1人で講義を続けます。じゃあ次の相談ですね。もう男性の方の相談はアレですから、女の子限定で行きましょう。
 えーと、じゃあこれで。時間も押してますし、最後の相談ということで。

 

 珠美さん、はじめまして。私は中学3年生なのですが、胸がちっとも大きくならないことで悩んでいます。クラスの女子の中で一番小さいので、修学旅行とかでお風呂に入るのが今から嫌でたまりません。

 胸を大きくする方法ってありますか? 教えてください。お願いします。 (15歳・女性・Eさん) 

 ハハハ……(力ない笑い)。

 どうしましょうか、この相談。胸を大きくする方法をご存知の方がいらっしゃったら、是非私もお聴きしたいんですが(苦笑)。

 私も中学生から高校生にかけての頃は、そりゃもう、色々やったんですよー。
 たとえば牛乳なんて、「フードバトルクラブ3rd」に出られるくらい飲んだりもしたんですけど、ご覧の通りで……(苦笑)。
 もう成長期も終わっちゃいましたし「はぁぁっ、なんだかなー」な感じです。

 でも、最近は胸が大きいとか小さいとか、そんなに気にならなくなりましたね。

 ここだけの話、結構胸が小さい方がお好きな男性の方って多いんですよ。ほら、今も目の前にいらっしゃる方の中で、「うんうん」って、何回もうなずいている方が……(笑)。

 さっき出ていらした駒木博士も、いつだったかお酒が入った時に、
 「服の上から、申し訳無さそうにちょこっとだけ膨らんでるような胸がたまらんのじゃないかー!」
 とか盛んに力説されていたこと、ありましたもん(笑)。で、お隣にいらしたお知り合いの方も「そうだ、お前が正しい! 世の中の方が間違っとる!」とか、随分とメートルを上げていらっしゃいましたし。

 だから、そんなに焦らなくていいですよ。どうせお腹に赤ちゃん出来たら、嫌でも大きくなりますし。あ、でも期間限定ですけどね。

 それにインターネット業界には、こういう私たちの味方をしてくれる所があったりするんです。もし、良かったら、そちらでもお話などしてみてはいかがですか?

 

 ……さて、時間も来ましたし、これで終了ということで………

 え? まだもう1つ相談があるんですか?

 ……あ、はい。それじゃもう1つだけ。

 

 駒木博士&珠美さん、こんばんは。いつも楽しく「社会学講座」を受講させていただいてます。

 今日はちょっと相談というか、質問なんですけど……。

 「社会学講座」の「助手紹介」のコンテンツに、栗藤珠美さんのプロフィールが載っているんですけど、その中に、

 「身長150cm 体重39kg(共に自称)」

 って、ありますよね。
 でも、ちょっとこれ、どうかと思うんです。
 同じ女性として言わせて頂くと、この体重はどう考えてもおかしいです! 確かに珠美さんはスマートな体型をされていますけど、いくらなんでも体重30kg台っていうのは無理があると思います。

 ですので一度、実際に体重計に乗って、正確な体重を量ってもらえませんか
 もし、それで本当に体重39kgだったら、心から拍手喝采させていただき、弟子入りさせていただきたく思います(笑)。

 それでは、どうぞよろしくお願いします。 (21歳・女性・Fさん) 

 え、え、ええええ!?
 こ、こ、こここここここここれは、ななななななな何ででででですかっ!?

 (ダースベーダーのテーマをバックに、体重計を抱えた駒木博士登場)

珠美:「は、博士っ!?」
駒木:「乗ろうか
珠美:「……へっ?」
駒木:「だから。(体重計を指さし)乗ろうか
珠美:「ちょっ、じょ、冗談ですよね(引攣笑)? こ、こんなの、ナシですよね? ねぇ、博士?」
駒木:「乗ろうか
珠美:「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! イ────ヤ─────!!」
駒木:「(後ろを振り返って)それじゃ、よろしくお願いします」
 (屈強な男が数名入場し、珠美の身柄確保)
珠美:「ダメです。ダメダメダメダメダメ………あぁ、神様……(と、体重計に乗せられる)」
駒木:「はい。ご苦労様です。えーと……ん? んんんん!? ……………こ、これは…。
 え、えーと、発表します。よ、よんじゅう……バキ、グフッ!!」
珠美:「………(血濡れの拳を握り締めたまま)こ、これは違うんです! 今日は、今日は、今日は、体を鍛えるために重た―――――――――――い服を着てるんです! ええ、鉄製のキャミソールとか着てるんで、だから今日は体重が重たいんです!
 ちゃんと前もって言って下されば良かったですのに……(引攣笑)。そうすれば、こういう流血の惨事にならなくても済んだんですけどね。
 じゃあ、そういうことで、時間になりましたので今日の特別講座を終わらせて頂きます。ご清聴、ありがとうございました♪」 (この項終わり)


4月29日(月・祝) 現代社会学特論
「椎名林檎、高らかに現役復帰!(12)」

 祝日だろうが講義を実施する、我が社会学講座、今日も平常業務です。ただし、明日はウィークデーですので、短めの講義になります。ご了承下さい。

 ↓レジュメへのリンク一覧です
第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回(事故で消失しました)第9回第10回第11回

 

 さて前回は、『ここでキスして。』で初のスマッシュヒットを達成した林檎さんが、さらなる音楽活動を進めるも入院加療を余儀なくされて……というところまでお話しました。

 肝心なところで戦線離脱を余儀なくされた林檎さん。しかも1stアルバム『無罪モラトリアム』の発売は目前に迫っていました。当時の林檎さんの心情といったら、無念でたまらなかったと思われます。

 しかしこの時既に、“椎名林檎”という一本の木に大きな実をつける準備が全て整っていたのです。
 そう、それはまるで、保守党の松浪“水撒きチョンマゲ”健四郎代議士が、
「選挙活動なんてのは公示日の時点で全部終わってるんや。あとは当選するだけや」と言っているのと同じ状態なのでした。
 ……とはいえ、純粋に実力で勝負しているのと、税金と公共事業をバラ撒いているだけなのとで大きな断層がありますが。

 1999年3月第2週のオリコン・アルバム週間ランキング、この週に初登場となった『無罪モラトリアム』は、いきなり2位にランクインしました。
 これは業界内外で話題の的となりました。シングルチャートで10位に入るのがやっとの新人アーティストのアルバムが、並み居る大物アーティストを押さえて2位に入ったのですから。しかも内容と言えば、素晴らしいクオリティながら、これまでの売れセンとは対極にあるような楽曲の数々です。
 何せ、収録曲を演奏している3つのバンドの名前からして、「絶倫ヘクトパスカル」「絶叫ゾルフェージュ」「桃色スパナ」です。林檎さんも
「椎名“サディスト”林檎姫」と名乗る始末で、本来、最もCDを購入する年代であるローティーン層を拒絶するようなプロデュース方針でした。
 これはまるで、少年ジャンプコミックスでありながら、表紙にヒロインの全裸イラストを持ってきた
『BASTARD!! 暗黒の破壊神』のような“冒険”でありました。

 そして『無罪モラトリアム』は、当の林檎さんが療養中であるにもかかわらず、何週間経っても滞る事無く売れ続けてゆきました。大半のレンタル店は仕入れの数を読み違え、何週間経とうと全てのCDが“レンタル中”状態で、ようやくレンタルできた頃には歌詞本がセロハンテープで補強されている有様でした。
 折悪しくと言うか、同時期に宇多田ヒカルの『First Love』が化物じみた大ヒット(764万枚)を記録してしまったがために、一般社会的にはあまり目立たなかったのですが、それでもJ-popシーンに与えたインパクトは相当なものだったのは言うまでもありません
 以下に紹介するのは、アルバム発売から半年間のオリコン週間ランキングです。通常、一度落ちた順位は回復しないセールスチャートで、再三にわたってランクアップを果たしているのが大変印象的です。

 
 2→2→4→8→12→18→18→20→22→17→16→18→20→25→36→32→40→43→49→49→40→(3週50位以下)→35→42→46→49

 結局、この『無罪モラトリアム』は、通算78週100位以内にランクイン。累計売上枚数も143万枚と、デビューアルバムにして見事ミリオンを達成しました。

 そして、療養から復帰すると同時に、J-popのメジャーアーティストの仲間入りを果たした林檎さんは、大ヒットに奢る事無く、さらに精力的な活動を続けていきます

 まずは初の全国ツアー・「先攻エクスタシー」をスタート。今ではお馴染みとなった拡声器を初めて使用したのがこの時です。その他、当時のトレードマークであったSM用ムチはもちろん、タンポンやコンドームもライブの彩りを添えたと報告されています。
 この時期には「先攻エクスタシー」の他にも数回のライブハウスでの小規模ライブやシークレットライブが行われています。後々まで続く林檎さんの小会場主義はこの辺りから既に顕著と言えそうです。

 さらには松任谷由美──ユーミンのトリビュート・アルバム『DearYuming』収録の『翳りゆく部屋』に参加するという名誉にも与ります。これは、椎名林檎という名前が業界の隅々にまで浸透していた事を証明する出来事でもありました。

 してこの時期、最も印象的な出来事は秋にありました。
 1999年10月7日、赤坂ブリッツで行われた東芝EMIの業界向け新人紹介イベント「ミュージックトークス」において、
“東芝EMIガールズ”なる耳慣れない女性デュオがステージに上がりました。
 彼女らはカーペンターズの名曲・『I want last a without you』をピアノ伴奏のみという半アカペラで歌い上げ、2000人もの音楽関係者を唸らせたのです。

 この“東芝EMIガールズ”、1人は宇多田ヒカルそしてもう1人が椎名林檎さんだったのです──

 この時の歌は、一般人シャットアウトのシークレットライブだったにも関わらず、どこからともなく録音テープが流通し、やがて大ブームを迎えた“ナップスター”を媒介に、全国各地のハードディスクへと行き渡っていきました。この曲聴きたさに“ナップスター”をダウンロードした人も多いと言われ、まるでVHSに対する『洗濯屋ケンちゃん』のような存在になったという伝説が囁かれています。

 デビューから1年余、デビューに失敗したはずの新人アーティスト・椎名林檎は、いつの間にか押しも押されぬトップ・アーティストの地位を確立していました

 ですが、この時、彼女の心中にはある1つの決心が秘められていたのでした── (次回へ続く) 

 

4月28日(日) 広報産業概論
「駅の吊革広告に『ときメモ』」

 受講生の方でも、日頃よく電車を利用される方も多いと思います。
 特に通勤や通学などで、連日電車を利用されている方にとって、「電車の中でいかに時間を過ごすか」という事は、かなり頭を悩ませる事でもあります。

 駒木などは、必ずカバンの中に文庫本や雑誌を“完備”しておりますので、電車は一種の図書室のような役割を果たしており、有意義に時間を過ごしています。
 ただ、時には満員電車に持ち込んだ文庫本が『宦官』という歴史本で、さらに折悪しく、
「鋭い鎌のような刃物で、局部を一気に……」などという記述にぶち当たってしまい、人いきれの中で卒倒寸前、という経験をした事もありました。

 ちょっと話がズレましたね。
 駒木は読書の合間に時折、他の乗客の方が車内でどのような時間の過ごし方をされているかチェックする事があります。
 見てみますと、大抵の方は駒木と同じように読書、または仮眠の時間に充てられているようです。そして、複数人で乗車している場合は談笑されている方も多いみたいですね。
 そしてさらに、座席が一杯で立ったまま乗車している人の中には、いわゆる車内広告をご覧になっている方も多いように思えます。特に身動きの取れない満員電車の中では、その比率は大幅に上がるようです。

 そんな車内広告で代表的なものといえば、やはり週刊誌などの雑誌広告でしょう。まさに車内広告の花形とも言えます。
 何しろ、雑誌の車内広告は
雑誌のダイジェスト版とも言うべき、センセーショナルな見出しが所狭しと羅列されています。
 その計算されたコピーは乗客の購買意欲を大いに煽るように出来ており、10分でも広告を眺めている内に、山崎拓自民党幹事長の変態プレイの中身であるとか、某狂言家元が業界内で浴びせられている批判だとか、10年越しで乳首解禁を表明した柏原芳恵のヌード写真集の中身などが気になって仕方が無くなるようになってしまうのです。
 そして、駅に着くなり売店へオヤジ族を走らせて
タバコ1箱をガマンするのと引き換えに車内広告が掲載されていた雑誌を購入させてしまうのです。まさに恐るべし、車内広告といったところでしょうか。

 と、そんな消費行動に絶大な影響を与える車内広告に、一風変わった広告が登場しています。

 列車内を「ときメモ」キャラが埋め尽くす!
 4月20日より1ヶ月間、JR山手線列車内の吊革部分に「ときめきメモリアルタイピング」の広告を掲載します。掲載列車は3編成。ぜひ「ときメモ」列車を見つけてください!
(「ときめきメモリアルタイピング」公式サイトより)

 ……なんと、 元祖ギャルゲー・『ときめきメモリアル(以下、『ときメモ』と略)(以下、『ときメモ』と略)のタイピングソフト広告が、東京は山手線の吊革のカバー部分に掲載されるというニュースです。広告の内容は、『ときめきメモリアルタイピング」のロゴと、『ときメモ』に登場する女の子キャラがバストアップで描かれたイラストで構成されています。
 広告が掲載されるのは、山手線を走る12両立ての車両50の内の3つということで、運と時間帯に恵まれない限りは、なかなか『ときメモ』電車に乗る事は出来ないようですが、それにしても画期的な試みではあります。

 ただ、この『ときメモ』吊革広告、目を引く事は確かなのですが、実効性としては疑問が残ります
 吊革広告という事は、やはりターゲットはラッシュ時に電車を利用する通勤族が中心。
キーボードどころかマウスにも翻弄され、社内のOLに「この電子メールは今日中に届くのかね?」と訊いてしまいそうなオジサンたちをターゲットに、果たしてどこまでキャラクター物のタイピングソフトの販促が見込めるかというと、やはり首を傾げざるを得ないでしょう。
 わずかに、出張で乗車した“ひかりレールスター”のモバイルシートでイヤホン装備してエロゲーに立ち向かうような若手社員の猛者たちには効果があると思われるかも分かりませんが、そういう人たちにとっては

 「タイピングソフト、しかも“ビジュアルノベル”という言葉の使用権をエロゲーソフト会社から強奪しようと目論むコナミのギャルゲーソフトなど買ってられるか!」
 ……というのが本音かもしれません。
まるで和歌山2区衆議院議員補欠選挙のように歪んでいる、ギャルゲー購買層の心理構造が見え隠れする消費行動であります。

 …この広告の成否は、後々までの販売成績を見た後に判断しなければなりませんが、このままいくと、結局は山手線の車内を、ピンクチラシで溢れた電話ボックス状態にしただけで終わってしまいそうな気がします。大丈夫でしょうか。

 

 それにしても車内広告には、『ときメモタイピング』ばかりではなく、色々と変わった業種のものも存在します。
 
比較的知名度が高いのは、学習塾大手の日能研小学校や中学校の入試問題をそのまま広告に掲載し、乗車時間中に解答できなかった人を、“ゆとり教育”支持者に転向させてしまうプロパガンダ広告で有名です。
 その他にも、沿線にある理髪店や家具店、さらには病院、葬儀社に至るまで、実効性の程は別にして、まさに“ゆりかごから墓場”的に様々な業種の広告が、車内には張り巡らされています

 しかし、そんな多種多様な車内広告業界の中でも、とてつもなく異彩を放つ車内広告が存在します。主に神戸市営地下鉄や神戸電鉄でしかお目にかかれないローカル広告ですが、そのインパクトは明らかに世界ランカーのそれであります。
 その広告とは「有馬ビューホテル」の車内吊り広告。電鉄会社の阪急グループが経営している、宿泊施設付きヘルスセンターの宣伝であります。

 この「有馬ビューホテル」は、高級ホテル並の天然温泉浴場を完備し、宿泊者向けの料理も準一流クラスの旅館と遜色ないものを提供しているのが本来のウリ。まさにヘルスセンターの域を凌駕している、無闇矢鱈に凄い施設なのですが、何故か車内広告ではそこの部分には大して触れられていません
 広告の大部分を占めるのは、館内のショー・ステージで連日上演される歌謡ショーやアトラクションの案内なのです。
 受講生の方はここまでお聴きになって、「おお、ホテル並の施設に加えてショーまでやってるのか。だとすると、かなり凄い人たちが集まって来るのだな」……と、お思いになるかもしれません。
 その推測は、ある意味正しくて、ある意味大きな勘違いであります。
 いや、論より証拠。それでは受講生の皆様に、
「有馬ビューホテル」が誇る、“凄いラインナップ”をご紹介しましょう!

 まずはこの方から。
 アマチュア時代に各地のマジック大会グランプリを総ナメ。“和妻”や“パラソルイリュージョン”などの大ステージ向けマジックを得意とする実力派マジシャン……

 

マジック中島&ひろみ

 

 ……こら、そこのキミ、「誰?」とか言わない! この中島さんは、小林旭の歌マネという、他のマジシャンには不可能な得意技を持った凄い人なんだぞ。 
 この他、この「有馬ビューホテル」では、
桂南光に似たマジシャンとその奥さん、ジャッキー藤田&つや子も熱演中であります。

  

 では続きまして…。日本音楽シーンの革命児! 全てのジャンルを超越した“ニューロック民謡”を標榜し、日本各地を拍手の渦に巻き込む凄い奴ら、その名も……

 

天馬鈴若とその一味!

 

  ……いや、「だから誰だよ?」とか言わない! 
 キミには理解できないのか、モーニング娘。に“。”が付く10年以上前からユニット名に“!”をデフォルトで付けているこの斬新さ。このユニットが無ければ、モー娘。も無かったかも知れないんだ。
元祖ハロープロジェクトなんだぞ。

 ……では次に………え? もういい? 
 むー、まだまだ80年代中〜後期、5年間の平均順位が5.8位だった頃のヤクルトスワローズを思わせるようなラインナップが続くのですが、ブーイングが聞こえてきましたので、あとはダイジェスト的にお送りします。

 どじょうすくい梅月流の重鎮・中西梅月

 故・春日八郎公認の後継者で、今は有馬を拠点に故人の遺業を語り次ぐ実力派歌手・柏木三千雄

 テイチクレコードが誇る、北神戸一のデュエット・神戸文彦新井由美! 神戸文彦さんは、なんと舞踊ショーの主演男優でもある、2足のわらじの芸達者。まさに演芸会のチョコボール向井であります。

 そして、このステージを取り仕切る司会者は、「ワシじゃ、ワシじゃ」でお馴染みのものまね漫談師・坂本良

 ……どうですか。この、全員の知名度を足しても「素人名人会」の“ごもくめし”とドッコイドッコイ、という凄まじいラインナップ。
 この人たちに加えて、不良債権と化したCDの在庫を抱えて全国キャンペーンショー・ツアーを展開する演歌歌手の皆さんを交え、連日上演されるのが「有馬ビューホテル」のオン・ステージなのです。

 ……と、このオン・ステージのお知らせが広告の大部分を占める「有馬ビューホテル」の車内広告。そのインパクトや絶大であります。ステージを見たい見たくないは別にして広告を見た乗客全てに鮮烈な印象を叩き込むこの広告、まさに車内広告のお手本と言うべきものでありましょう。
 駒木が日々利用している神戸市営地下鉄では、
6両編成の2両目が、全て「有馬ビューホテル」の広告で埋め尽くされた、軽い拷問のような電車が走っています。
 一体、阪急電鉄はどんな野望を抱いてこのような試みに走るのでしょうか?
 宝塚ファミリーランドと神戸ポートピアランドを捨てても、この「有馬ビューホテル」だけは手放すまいとする執着心には、もはや畏敬の念すら覚える次第です。

 今からでも遅くありません。『ときめきメモリアルタイピング』の車内広告は、「有馬ビューホテル」とのコラボレーション広告に変更し、乗客に問答無用のインパクトを叩きつける意匠で勝負するべきであります。

 広告業界の明日はどっちだ!? といった、無用の波紋を巻き起こしつつ、今日の講義を終わります。(この項終わり)


4月27日(土) 競馬学特論
「G1予想・天皇賞(春)」

◆天皇賞(春) 予定調和と裏切りの中で◆

 あれはいつだったろうか。研究室で珠美ちゃんがこんな事を言っていた。

 「春の天皇賞って、良いですよね。馬券は獲りやすいし、レースそのものも、大抵はハッピーエンドで終わるじゃないですか。良いレースが観られて、少しだけでもお金が増えるなんて、“ささやかな幸せ”って感じで良いと思いません?」

 珠美ちゃんが競馬を見始めたのは高校に入学した1996年の春からだが、当時は完全な初心者で、レースの印象どころじゃないはずだから、彼女が話の前提としているのは翌97年以降のレースだと考えていいと思う。
 確かに97年以降の天皇賞(春)の成績を見てみると、珠美ちゃんの言う通り、馬券的に平穏で、レースも見応えがあって、なおかつハッピーエンド的結末というレースが続いている。シルクジャスティスが凡走した98年だけが例外と言えなくともないが、それでも当時中・長距離で最強と言われたメジロブライトが勝っているところを考えると、許容範囲内と考える方が自然だろう。

 では、僕も珠美ちゃんと同じ考えかというと、実はそうでもない。この天皇賞(春)というレースで僕は、ハッピーエンドとほぼ同じ数だけのバッドエンドを見せられている。96年のナリタブライアン−マヤノトップガン不発の時なんて、精神的にも経済的にも大いにダメージを受けたものだ。当時の僕は、量産型・福沢諭吉の肖像画を馬券販売機に突っ込んでしまう青臭いガキだったのだ。
 そう、僕にとっての天皇賞(春)は、予定調和と裏切りがアンバランスなハーモニーを奏でる、どうにもこうにも複雑なG1レースなのである。

 それにしても、このイビツなハーモニーはどこに根源があるのだろうか。とりあえずはその理由を探るため、少しばかりこのレースの分析を試みてみたい。

 過去10年の天皇賞(春)を振り返ってみると、各年度のメンバー構成によって、10のレースが大きく分けて4つのパターンに分類される事に気が付いた。

 (1) 1頭の馬に人気が集中している“一本被り”
 (2) 2頭の馬が人気を分け合う“一騎討ち”
 (3) 3頭の有力馬による“三つ巴”
 (4) 有力馬不在による“群雄割拠”

 普通のレースでは、“卍どもえ(4頭で接戦)”や“実力伯仲(今年の皐月賞のような大接戦)”というパターンも見受けられるが、少頭数で個々の出走馬間の実力差が比較的大きい天皇賞(春)では、なかなかお目にかかれないようだ。

 まず、(1)の“一本被り”パターンに当てはまるのが、93年(1番人気:メジロマックイーン)、94年(同:ビワハヤヒデ)、01年(同:テイエムオペラオー)の3回で、これらは3度とも平穏な結果に終わっている。即ち、1番人気馬の2勝2着1回、平均馬連配当443円である。

 次に(2)の“一騎討ち”パターン。これは92年(メジロマックイーンVSトウカイテイオー)、96年(ナリタブライアンVSマヤノトップガン)、98年(メジロブライトVSシルクジャスティス)の3回。
 こちらは対照的に人気馬の成績が悪い。人気2頭の成績を挙げていくと、92年は1着-5着、96年は2着-5着、98年は1着-4着で、マッチレースの実現は一度もない。平均馬連配当は2517円。3ケタ配当の多いこのレースでは破格と言える高額配当が続いている。

 (3)の“三つ巴”はどうだろうか? こちらは97年(マヤノトップガン、サクラローレル、マーベラスサンデー)、99年(スペシャルウィーク、メジロブライト、セイウンスカイ)、00年(テイエムオペラオー、ラスカルスズカ、ナリタトップロード)が該当する。00年に関しては(1)パターンに足を半分突っ込んでいるが、人気馬の成績などを考慮すると、こちらの方に入れた方が良いと判断した。
 これらの3つのレースの結果はと言うと、なんと全てのレースで人気上位3頭が上位3着を独占している。平均馬連配当は387円。
 人気3頭による名勝負が繰り広げられ、馬券も平穏。どうやら珠美ちゃんの天皇賞(春)に対する認識は、ここから来ていると見て間違い無さそうだ。彼女が観てきた5回のレースの内、3度がこのパターンである。

 最後の(4)、“群雄割拠”パターンは95年。レース直前にナリタブライアンが戦線離脱をして、一気に混迷の度を深めたレースである。今に比べて最強馬クラスの故障が多かった当時には時折見られる光景であった。
 この年の結果は、1着に古豪・ライスシャワー、2着には2年前の菊花賞2着馬・ステージチャンプが滑り込んだ。4番人気と6番人気の組み合わせとなって、馬連は4090円。やはり天皇賞(春)にしてはかなりの高額である。

 人気通り収まったのは(1)と(3)のパターンで10年間に6度。荒れるのは(2)と(4)のパターンで4度。見事なまでに“イビツなハーモニー”といったところだろう。
 特に、戦前の期待が高まりやすい(2)のパターンが全て不完全燃焼に終わっているのが印象深い。これではバッドエンドがより目立ってしまうのは仕方がない話だ。

 一騎討ちが成立しないとしては、ただ単に「2頭とも凡走しない確率が低い」という理由の他に、人気馬の騎手が相手を潰しにかかるからでもあるのだろう。騎手は己が勝つことが最優先。客がどんな馬券を握ってようが関係無いのである。
 対して、三つ巴がことごとく成立する理由としては、1頭で他の有力馬2頭を同時に潰す事が出来ないため、自然と正々堂々とした実力勝負になってレースの紛れが少なくなるのだろう。

 …というわけで、僕がこのレースに抱く印象は、おそらく(2)のパターンが大きく影を落としていると言えるのではないかと思う。
 まさに予定調和と裏切りの繰り返し。まるで人生模様を見ているか……いや、ここは競馬界の偉大な先輩に倣って、「予定調和と裏切りの繰り返しだなんて、人生は競馬に似ているなぁ」と言うべきなのだろう。

 さて。では今年の天皇賞(春)はどうか。
 各馬の実績や単勝オッズを見る限り、どうやら(3)のパターンに当てはまると見て良さそうだ。となると、今年も過去の例に従って、人気上位3頭による名勝負が繰り広げられるのであろうか。

 まずマンハッタンカフェは、年明け緒戦となった前走の日経賞で、自身を除けばオープン特別のようなメンバー相手に不可解な惨敗を喫した。
 レース中に蛯名騎手が後ろを振り返るなどしたため、一時は「故障か?」とも思われたが、どうやら荒れた馬場に足を滑らせたというのが真相のようだ。
 それにしてもこの馬、以前にも競馬学特論で述べたが、非常に騎手泣かせの“異議申し立ての多い馬”である。3コーナーから4コーナーでの脚の使い方が非常に難しく、ここでヘソを曲げるとどうしようもない。しかしながら、このポイントを上手に切り抜けられた時の瞬発力は菊花賞と有馬記念で発揮した通りで、どんな相手やペースだろうが問答無用の末脚を見せつける。
 信じられないような惨敗と目の覚めるような好走を繰り返すタイプとしてはマヤノトップガンがいた。菊花賞と有馬記念を制しているところまで、この馬とよく似ている。血統は全く違うが、“他人の空似”にしては非常に面白い2頭の関係とも言える。

 次はナリタトップロード。いやはや、それにしてもナリタトップロード、である。
 京都記念→阪神大賞典を快勝という、2年前にテイエムオペラオーが通過してきた轍を踏みしめて来たというのに、この馬から滲み出てくる“大物感の無さ”は何なのだろう。「一応はこの馬だってG1馬なのに……」と、G1実績を語る際には何故か“一応”と付けてしまうのがこのナリタトップロードという馬なのである。
 この馬に付き纏う頼りなさの原因は、やはりG1レースでの成績にあるのだろう。
 10戦して1勝、2着1回で、3着がなんと4回。さらに生涯3度ある6着以下の惨敗が、3度とも最も注目の高い有馬記念である辺りに、この馬の得体の知れぬダメッぷりが凝縮されているように見えてならない。今回の当面の相手であるマンハッタンカフェとジャングルポケットにも、それぞれ1度ずつ完敗を喫している。地力の面で考慮すると、この馬が3強の中で3番手である事は否定できまい。阪神大賞典の快勝も、使った馬の強みがあったからだと言う事もできる。
 しかし、困った事に(敢えてこう書く)今シーズンにおいて一番チャンピオンらしいレースをしているのは、紛れも無くこの馬なのである。さらに、今回ではスローペースの絶好位を追走できる強みもある。考えれば考えるほど、この馬が有利なのである。問題は、果たしてこの有利さが成績に繋がっていくかどうか。これまでチャンスを幾度と無く潰してきただけに、容易に信用ならないのである。遅咲きの王者誕生か、やっぱりナリタトップロードなのか、事の顛末を見届けさせてもらう事にする。

 さて、3強最後の1頭はジャングルポケット
 ダービーを勝ち、ジャパンカップではテイエムオペラオーを完封。文句のつけようの無いパフォーマンスで年度代表馬にも輝いたこの馬だが、意外とみっともない敗戦も多いのが気にかかる。
 特に気がかりなのは、2度の3000m戦での不甲斐なさである。いずれも直線で伸びあぐねて土壇場で失速。2400mでの強さと父トニービンという血統から、これまで「3000m級でも安心」と、根拠薄弱な思い込みをしてきたが、ひょっとするとこの距離では実力が発揮できないのではないかと疑うようになって来た。
 下馬評では「乗り替わりの武豊騎手に期待」とする声もあるが、前走の鞍上・小牧太騎手は武豊騎手と遜色ない実力の持ち主であり、もっと言えば、前走のように手応えが悪くて伸びあぐねる馬を強引に押し上げていく技量というのは、パワー優先の地方競馬で活躍している小牧太騎手に一日の長があるとも言える。乗り替わりによって生じるプラス要素は決して大きくは無い。
 今回はマンハッタンカフェをマークしながらの差し・追い込み作戦か。菊花賞で末脚勝負に敗れた相手にこの舞台で挽回なるかは微妙なところ。陣営にしてみれば、真っ向勝負で勝ちたい反面、完敗するくらいなら他力本願(相手の凡走待ち)ででも勝てれば御の字という気持ちも強いだろう。

 

 ところで、三つ巴の枠外に置かれた8頭はどう扱えば良いだろうか。
 これまでの例によれば、三つ巴になった場合、4番人気以下の馬に出番が巡ってくる可能性は、確かに著しく低い。
 だが、今回の3強は、どうも例年の三つ巴に比べると、各馬とも死角が多すぎるような気がしてならないのだ。ひょっとすると、今回のパターンは(3)の三つ巴ではなく、変形の(4)、“群雄割拠”ではないかとも思えるのである。
 そうなると、当然人気中〜下位の馬にもチャンスが巡ってくる。
 今回の人気中〜下位の馬の特徴として、中・長距離の前哨戦、またはその更に前哨戦を勝って来ている馬が多いという事が挙げられる。ここでは、各馬が勝ったレースの過去の勝ち馬の傾向から、今回のレースにおける展望を行ってみたいと思う。

 阪神大賞典はナリタトップロードが勝っているので詳しくは割愛するが、天皇賞(春)への影響度はダントツであるとだけ述べておこう。

 阪神大賞典と並ぶ、天皇賞(春)のステップレース・日経賞を勝ちあがったのはアクティブバイオ。条件馬の身分から、大金星を挙げた形である。
 ここ10年の日経賞勝ち馬から2頭の天皇賞馬が出ている。阪神大賞典組の5頭には及ばないものの、なかなかの成績といえるだろう。
 ただし、日経賞1着経由で天皇賞を勝った2頭はいずれも1番人気で日経賞を勝った馬。穴を開けて勝った馬は軒並み討ち死にしている。
 もともと日経賞は、有馬記念と同じでコーナーのやたら多い中山の2500mを舞台としているせいか、やたらと波乱が多い。紛れに乗じて身分不相応な実績を挙げてしまった馬にとって、淀の3200mという舞台は少々荷が重過ぎるのであろう。

 もう1つのステップレースとされている大阪杯。これを勝ったのはサンライズペガサス。1番人気での快勝の上に、エアシャカールを破ったという付加価値も大きい。
 しかしこの大阪杯は、やたらと天皇賞(春)との相性が悪い。安田記念や宝塚記念などへの別路線を歩む馬が多い事もあるが、過去10年間の大阪杯勝ち馬から天皇賞馬は出ていない。93年メジロマックイーンの2着が唯一の連対例だ。
 競馬界には時々、このようなジンクスがつきまとう。特に有名なのは天皇賞(秋)の1番人気が勝てないジンクスだったが、他にもNHKマイルCの前身、ダービートライアル・NHK杯勝ち馬が、本番で10年以上勝てないままだったというものがあった。
 どのような怪しげなジンクスでも、10年以上続くという事は、何らかのデジタルな要因があると考えた方が自然であり、恐らく大阪杯から天皇賞(春)というローテーションは、一気の距離延長や詰まったレース間隔などが微妙に馬の調子を狂わせてしまうのだろう。
 そう言う意味では、このサンライズペガサスは新たな“犠牲者”になってしまう可能性が高いと言わざるを得ない。昨年の菊花賞で惨敗しているのも悲観材料の1つに挙げられよう。
 だが競馬とはおかしなもので、そのように理詰めで考えると、どうしても実力が1枚足りない馬に限って、いざレースになるとスルスルと抜け出してしまったりするものなのである。この馬には最後まで頭を悩ませられそうだ。

 貴重な3200mの重賞レース・ダイヤモンドSを勝ったのはキングザファクト
 このダイヤモンドSの勝ち馬には、マチカネタンホイザ、センゴクシルバー、エアダブリン、ユウセンショウ、ユーセイトップランなど、阪神大賞典や天皇賞(春)で人気の一角を占めた馬が多数名を連ねるが、その割には成績がイマイチである。結局は二線級によるハンデ戦という条件が、いわゆる“お山の大将”を生み出してしまうのだろうか。

 現在、日本の平地レースでは最長距離のレース・ステイヤーズSを勝ったのはエリモブライアン
 このレースでは、97年にメジロブライトが大差勝ちを飾って、翌年の天皇賞制覇に繋げた例が挙げられるものの、他の勝ち馬はダイヤモンドSと似たり寄ったり。最近ではむしろG1で実績を残している3歳馬が苦渋を舐めさせられるレースになってしまっている。天皇賞へ繋がるレースというよりも、独立した特殊なレースという性格が強いのかもしれない。

 変わったところではオープン特別の万葉S。今年の勝ち馬はアドマイヤロードだが、かつてラスカルスズカが圧倒的人気に応え、後の天皇賞2着に繋げたケースもあり、全く無視は出来ないであろう。
 しかし、この馬はその後がいけない。ダイヤモンドS、阪神大賞典と完敗を喫していては頭打ちと判断されても文句は言えないだろう。

 さらに変わったところでは、ダービー4着が勲章というボーンキング
 過去のダービー4着馬で主だったところを羅列すると、マチカネタンホイザ、ホッカイルソー、ロイヤルタッチ、エリモダンディー、オースミブライト、トーホウシデンといった、非常に味のあるメンバーが揃っている。セイウンスカイもいるが、この馬は前後の成績を考えると別格と考えて良さそうだ。
 ダービー4着馬は、G2上位、G1出走の常連が揃っていながら、イマイチ存在感が薄い連中の集まり、といったところだろうか。中途半端な進学校の同窓会みたいな、これまた微妙なむず痒さが走ってしまう。

 結局、3強への挑戦権を獲得出来そうなのはサンライズペガサスだけ、ということになるのではないか。本来はエリモブライアンも圏内に入れなければならないのだろうが、あまりにも臨戦過程が悪すぎる。調教で走れない馬が、3200mのレースで番狂わせを演じるだなんて、ちょっと虫が良すぎる話だ。

 さて、ちょっと長々と文章を書き連ねすぎた。そろそろまとめに入ろう。

天皇賞 京都・3200・芝外

馬  名 騎 手
    トシザブイ 池添
  × ボーンキング デムーロ
    ホワイトハピネス 小原
マンハッタンカフェ 蛯名
ナリタトップロード 渡辺
    アクティブバイオ 四位
ジャングルポケット 武豊
    キングザファクト 後藤
サンライズペガサス 安藤勝
    10 エリモブライアン 藤田
    11 アドマイヤロード 須貝

 結局、本命は地力の最大値を買ってマンハッタンカフェとした。しかし、もちろん他の3強の2頭と差は無い。
 馬券的にはサンライズペガサスからが勝負になるか。儲け優先で考えるなら、9番から流し馬券というのも一考だろう。しかし、僕自身は正攻法で4.5.7のBOXと4-9とする。

 珠美ちゃんは珠美ちゃんなりのハッピーエンドを思い浮かべているようだ。それもまた、良し。
 4.5.7のBOXは僕と同じだが、7-9と2-7の2点にフトコロのハッピーエンドを賭けているところが微笑ましく思える。

 貴方のハッピーエンドは、もう浮かんでいるのだろうか? 


4月26日(金) 現代社会学特論
「椎名林檎、高らかに現役復帰!(11)」

 いやはや、いつの間にか11回目ですよ。
 レジュメを読み返してみると、3月の時点では「今週中にどうにか」とか、「8〜9回で完結」とか言ってますね。何を考えてたんでしょうか(笑)。
 問題は、果たして現在の見込みである15回で完結できるかどうかなんですが……これも微妙になって来ましたかねぇ。まぁ、できるだけ面白い講義を提供する事だけは保証いたしますので、何卒。

 ↓レジュメへのリンク一覧です
第1回第2回第3回第4回第5回第6回第7回第8回(事故で消失しました)第9回第10回

 

 さて、先程の冒頭部分を、さりげなく「何卒」と締めましたが、このフレーズは林檎さんが『歌舞伎町の女王』のキャンペーン活動中、意識的に使用していたフレーズでありました。
 この頃の林檎さんは、マイクを握っても、ポスター等にメッセージを書く事を求められても、とりあえず「何卒」
 そうやって、10代女性アーティストには普通に合わないこの言葉を多用する事で、“新宿系自作自演屋”のキャラ作りをしようとしていたのでしょう。まさに「小さな事からコツコツと」。素晴らしいまでの西川きよしイズムであります。きよし師匠の12年にも渡った草の根政治活動は、ここJ-popシーンでも花開いたのであります!

 ……と、そうした林檎さんの孤軍奮闘にも関わらず、2ndシングル『歌舞伎町の女王』のセールスが不発に終わってしまった事は、前回の講義で述べた通りです。
 しかし、林檎さんはもうメゲませんでした
 自らの不遇に腐る事無く、現時点で自分ができる最大限の事をやり抜いて行こう。…と、そんな林檎さんの心の声が聞こえて来るような地道な活動を、オファーが来るままに、次から次へと重ねてゆきます
 以下に挙げるのは、林檎さんが98年秋から99年初頭にかけて展開していったプロモーション&音楽活動の中で主なものを、箇条書きの形で記したものです。

 ・ 渋谷 ON AIR WESTで初ライブ。挨拶はやはり、「何卒、椎名林檎をよろしく」

 ・ 地元福岡のローカルFM局で、レギュラー番組『椎名林檎の悦楽巡回』スタート。勢い余って生理の話題まであけっぴろげ。

 ・ 広末涼子に、シングル『ジーンズ』収録のカップリング曲の提供。→アニメ『金田一少年の事件簿』のタイアップ獲得もあって、オリコン最高週間4位・売上14万枚を記録

 ・ 椎名林檎フリーペーパー創刊。web版も公開開始。

 ・ ファッション雑誌の取材で、思い出の地ロンドンへ行き、そこで何故かSM用のムチ購入

 ・ 「ミュージッククエスト」でグランプリを争った福岡時代の友人、谷口崇のアルバム『becoming』で、1曲だけコーラス担当→オリコンランキング圏外で大不発

 ・ TOKYO FMの『クリスマスイブ・ライブ』に出場。

 ・ NHK FMの『ライブ・ビート・99イチオシ祭』に出場。『丸の内サディスティック』を唄い、NHK主催のイベントにも関わらず、ロンドンで購入した例のSMムチを振り回す。

 地道な活動ながら、さりげなく危ない橋も渡っている辺りが、いかにも林檎さんらしくて素敵です。また、図らずも、広末涼子と谷口崇の間における歌唱力とCDセールスの不整合が垣間見えてしまい、ややブルーにさせられたりもしますが。
 しかし、
天下のNHKも、よくムチの使用を許可したものですよね。いくらFMラジオの企画とは言え、漫才コンビ・浅草キッドに「『玉袋筋太郎』という芸名は止めてください」と、本名の使用を強制した放送局とは思えない英断でした。

 更に、こうした一連の活動と並行して、林檎さんは3rdシングルの製作に力を注ぎます。
 2曲連続でセールス不調に終わり、いよいよ正念場を迎えた林檎さんは、ついにここで
伝家の宝刀・『ここでキスして。』の投入を決意します。そして『眩暈』『リモートコントローラー』という、カップリング&アルバム未収録曲にしておくには惜しすぎる2曲を追加。こうして、その時点での実力を余すところ無く表現した、非常に完成度の高いマキシシングルが出来上がりました。
 こうした林檎さんの努力が幸運をも呼び込んだのでしょうか、この『ここでキスして。』は、日テレ系の全国ネット高視聴率番組『ダウンタウンDX』のエンディングテーマという大きなタイアップをゲットします。しかも、ビデオクリップの一部も一緒に毎週放映されるという破格の条件でした。

 大ブレイクへのお膳立ては全て整いました。この時の林檎さんは、恐らく「万事を尽くして天命を待つ」という心境だったでしょう。

 そして、年が変わって1999年。
 予言された日付が迫って来たら迫って来たで、すっかり現実感が無くなってしまった恐怖の大王の襲来を約半年後に控えた1月末、ついに“天命”が訪れます

 3rdシングル『ここでキスして。』は、発売からオリコン週間ランキングで11→11→13→10→17位と渋太い売れ行きを見せました。一見地味な売れ行きに感じられますが、当時のある音楽業界人の言葉を借りると、「これまでの常識では全く“売れセン”じゃないこの楽曲でこの順位は驚異的。こんな(J-popらしくない)曲がオリコンでベスト10に入ったらアカンやろ、と思った」という、快挙ならぬ“怪挙”だったようです。
 結局、この『ここでキスして。』はオリコン100位以内に28週ランクインし、売上は通算30万枚を突破
ついに林檎さんは一流アーティストへの足がかりを築く事に成功したのです。

 この成功で、これまで本来とは逆に回転していた運命の歯車が面白いように回り始めます。一気に増えたTV番組への露出、初めての単独ライブ敢行など、今までにも増して精力的な活動が目立つようになりました。

 しかし、名古屋での単独ライブを終え、1stアルバム発売を目前に控えた2月、生まれつき丈夫でない体での激務が祟ったのか、林檎さんは“急性化膿性炎症”という病気で入院加療を余儀なくされてしまいます
 自分の分身のようなアルバムの発売を前にした戦線離脱。さぞかし無念だった事でしょうが、もう既にこの時には、林檎さんが体を酷使しなくても十分なほど、彼女の魅力は多くの人に浸透していました。

 椎名林檎大ブレイクの時は、もう間近に迫っていたのです。 次回へ続く) 


4月25日(木) 演習(ゼミ)
「現代マンガ時評」(4月第4週分)

 週に1度のゼミの時間です。
 いよいよゴールデンウィークという事で、今週から再来週くらいまでは、合併号などの、いわゆる“ゴールデンウィーク進行”となります。
 週刊マンガ誌は軒並み発売日が変動するのですが、とりあえずここでは主にレビューで扱っている2誌の発売日について。
 まず
「週刊少年ジャンプ」は、来週月曜が祝日のため、次号は今週の土曜日発売で、これが合併号になります。
 次に
「週刊少年サンデー」は、今号が合併号ですので、次号は再来週の水曜日ということになります。どうぞ、混乱する事の無いように気をつけて下さい。

 そう言えば、先々週辺りから終わる終わらないで混乱してしまってた『サクラテツ対話篇』ですが、案の定というか今週で打ち切り最終回となりました。藤崎竜さんは連載3作目にして2度目の打ち切り。残る1つが、あの『封神演義』でしたから、まだまだ週刊から追い出される事はないでしょうが、次回作で正念場になるような感じですね。

 では、今週分の作品レビューに移ります。今週のレビュー対象作は4作品(「ジャンプ」2作品、「サンデー」1作品、“その他”1作品)です。レビュー中の7段階評価の表はこちらをどうぞ。

☆「週刊少年ジャンプ」2002年21号☆ 

 ◎読み切り『ヒカルの碁・番外キャラ読切シリーズ・倉田厚』作:ほったゆみ、画:小畑健

 不定期シリーズ連載の第5弾です。ちなみに次号で藤原佐為編が掲載されます。まだ和谷とか、葉瀬中編のキャラクターが結構残ってますので、まだしばらくこのシリーズは続きそうですね。(とか書いてると、佐為と和谷で終わり、とか発表されそうで怖いんですが)

 で、今回はプロ編、そして来るべき第2部のキーパーソンとなりそうな、巨漢強豪若手プロ棋士・倉田にスポットを当てた番外編です。

 しかし、今回はもはや囲碁マンガじゃなくて競馬マンガになってしまってますねぇ。囲碁の対局シーンが出てくるのは最後の方の数コマだけ。まぁそれでも、主人公のヒカルを絡めながら、ちゃんとプロ棋士・倉田のルーツを探るという筋立てになってますので、違和感はほとんど無いんですが。このあたりはいつもながら感心させられます。

 それにしても、このシリーズが始まるまで全く意識してなかったんですが、原作者のほったゆみさんって、かなりギャンブル系の話が相当好きみたいですね。少年マンガとしては、もはや異質と言っていいくらいです。ひょっとしたら、『ヒカ碁』が大団円を迎えた後は青年誌でギャンブルマンガでも始めるかもしれませんね。
 『ヒカ碁』の中のギャンブル描写としては、本編で詳しく描かれていた、碁会所で行われる“ニギリ”(賭け碁)が印象的だったんですが、今シリーズではさらにそれがエスカレートしている感があります。三谷編で麻雀(しかもイカサマの“ブッコヌキ”まで)、そして今回では競馬シーンがかなり詳しく描かれているのには、正直言って驚かされました。

 ただ、競馬学の講師として言わせて頂くと、ディティールにおいて若干のミスが見受けられますので、指摘させて頂きます。
 まず、教育実習が行われている5月〜6月に、秋のレースである「シリウスS」がメインの競馬新聞が出てくるのはおかしいです。それに、「シリウスS」は関西のレースですから、東京が舞台のこのマンガとは整合性がありません。(ただ、これはマンガ担当の小畑さんのミスかもしれません。ウインズの中の描写も、細かいところで結構ミスがありますので)
 それから、「ウインズ新宿で単勝に350万円買った奴がいる」というのは、ちょっと色々な点で無理があるかな、と。平場のレースで350万も単勝買ったらオッズがガクンと下がって、儲かるモノも儲からなくなっちゃいますし。まぁ少年誌である事を意識して、確信犯的に過剰演出に走ったのかもしれませんが。
 同じ意味で、ベテラン騎手がムチの持ち替えが出来ないほど苦手ってのも無理がありますね。それが勝負の決め手になるのも疑問符が付くところです。

 しかしそんな細かいミスをあげつらうよりも、作品全体の完成度を素直に評価するべきでしょうね。競馬のレース描写なんかも、「週刊少年マガジン」系の競馬マンガより余程リアルだったりしますし(笑)。
 評価は
B+寄りのA−にしておきましょうか。

 

 ◎読み切り『HAT HAT HAT』作画:吉津遼

 『HUNTER×HUNTER』の代原です。今週は休載理由が、いつもの「作者都合のため」ではなくて「急病のため」とあるので、かなり切羽詰った事情がありそうです。

 それはさておき、この作品の作者・吉津遼さんは、第61回(2001年上半期)の「手塚賞」佳作と第58回(01年5月期)「天下一漫画賞」佳作の受賞者という、駆け出しの新人さん。「天下一──」の受賞作が増刊「赤マルジャンプ」に掲載されて以来の作品掲載という事になるのだと思います。

 それでは、この作品は詳細にレビューを。
 絵…というか、作風全体がそうなんですが、かなり年代モノの雰囲気を持っています。“昭和”というよりも“戦後”の香りがします。昭和30〜40年代のマンガの絵を今風にアレンジしたような感じでしょうか。多少クセがキツい気もしますが、立派な個性である事は間違いないので、今の内はこれで良いでしょう。絵のレヴェル自体は、新人としてはなかなかのものでしょう。

 次にストーリーなんですが、う〜ん…………。
 ページ数が少ない事もあるのですが、話の構成がいかにも無責任すぎです。5W1Hの説明もほとんど無いまま、何の脈絡も無い、ただワケの分からない荒稽無謄なアクションシーンが始まって、延々と続いて、最後にステレオタイプなオチがあって終わり。

 作者の「こういうモノが描きたいんだ!」という意欲は買えるのですが、その意欲が余りにも強すぎて、読者が置いてけぼりになっている感が否めません。「何がなんだか」と思ってる内にお話が終わってしまっては、感情移入のしようがないのです。

 評価はB−有り体に言えば、こういう作品を“独り善がり”と言うのでしょうね。悪くない素質を持っているだけに残念でした。今後はもう少し、読者に向けたサービス精神を持つように心がけてもらいたいものです。自分が「面白い」と思える作品を描く事も大事ですが、それが“自分だけ「面白い」”作品になってしまっては、雑誌に載せてお金を貰う意味は有りません

 

☆「週刊少年サンデー」2002年21、22合併号☆

 ◎新連載『一番湯のカナタ』作画:椎名高志

 『GS美神極楽大作戦!!』で大ヒットを飛ばし、その前後に発表された作品でも好評価を得ている椎名高志さんの連載復帰作になります。

 ストーリーの大筋は、「サンデー」本誌の表紙に載っていたキャッチコピーが的確なので、そのまま引用させて頂きます。
 “エイリアンご迷惑コメディー”
 このコピーに椎名さんの作風(ドタバタ、ちょっとお色気、派手なアクションetc……)をダブらせてもらえれば、作品そのものを読まなくても大体の雰囲気は分かって頂けると思います。逆に言えば、それだけで作品の大まかな形が想像出来るという事は、どれだけ椎名さんの作風が個性豊かで特徴的かという事を証明しているわけなんですが

 絵に関しては、当然ながら特に指摘する点も無いのですが、よくよく考えてみれば、椎名さんはこれだけたくさんの作品を描いている割には、キャラの描き分けがしっかり出来ているんですよね。マンガ家さんによっては、どの作品でも同じような顔が出てくる事があったりするのですが、椎名作品でキャラ顔のダブりというのは意外と少ないんじゃないでしょうか。

 そしてストーリーですが、これが完成度が高くて驚きます。いや、本当は驚いてはいけないんでしょうけど。
 まず、1ページに1つのペースで見せ場が有り、それもギャグありアクションありでバリエーションに富んでいて、しかもテンポも良いのです。伸び悩んでいる新人マンが家さんにとっては、この作品がバイブルになるんじゃないかと言う分かり易さが心憎いです。
 さらに、詳しい5W1Hの設定説明が必要なSFファンタジーでありながら、説明的なセリフが一切無く、全て自然なエピソードの流れの中でさりげなく情報が読者に提供されているのも、これまた見事としか言いようがありません。
 この第1回だけで、マンガ家・椎名高志の真骨頂を見たような気がします。今後、この作品がどのような展開を見せるか分かりませんが、たとえ1回限りだとしても、
これくらい高い完成度の作品が描けるのであれば、椎名さんは一流マンガ家のポジションを維持していけることでしょう

 評価はとりあえずA−。今後、新キャラが登場して話が更に盛り上がっていくならば、当然評価が上がる余地は十分にあります。読むのが楽しみな作品がまた1つ増えました。

 

《その他、今週の注目作》

 ◎新連載『医龍-Team Medical Dradon-』(ビッグコミック・スぺリオール2002年10号掲載/作画:乃木坂太郎) 

 今回は「ビッグコミック・スペリオール」から注目作を紹介させていただきます。

 まず作者紹介。乃木坂太郎さんは、1999年に「少年サンデー」の月刊増刊でデビュー、その後、2000年11〜12月に「週刊少年サンデー」で『キリンジ』という作品を短期集中連載していますが、人気が出ずに長期連載には至らず。その後は主だった活動は伝わって来ませんでしたので、恐らく今作が1年5ヶ月ぶりの復帰、及び青年誌への移籍第1作になるのだと思われます。

 この作品は、一言で言えば医療モノ。それも「腐った大学病院医療に一石を投じる」というスタンスの作品です
 ここまでで「あれ?」と思われた受講生の方も多いと思います。そう、
『ブラックジャックによろしく』と同じコンセプトなんです。
 こういう題材がカブった作品の場合、たいてい後発作品が二番煎じで“スカ”になってしまうのですが、この作品はなかなか侮れません
 といいますのも、
この作品はシビアな問題を取り扱っている割に作品のムードが明るいのです。『ブラックジャックに──』の、時折顔を背けたくなるような暗さに比べると、まさに好対照。つまり、同じコンセプトながら作品の個性を維持できているわけです。
 また、主人公を敢えてスーパーヒーロー的な天才医師にしたところも正解でした。『ブラックジャックに──』のように、徹底的に業界の暗部にスポットライトを当てるのも正解ですが、リアリズムを維持した上で王道の勧善懲悪に持っていくのも1つの好手でしょう。

 『ブラックジャックに──』でささくれだった気分を、この『医龍──』で癒すという黄金パターンが出来そうで楽しみです。

 とりあえずの評価はA寄りのA−。是非、ご一読を。

 

 ……以上が今週分のレビューでした。それでは、また来週。


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